【週刊】ドル円相場分析と今後のシナリオ【2019/8/25】サンデーレポートvol.2
8月23日の金曜日深夜の下落は強烈なものでしたね。上昇トレンドがメインシナリオだっただけにあの下落の仕方には驚きました。
下落のシナリオもサブシナリオとして想定はしていたので、躊躇なくロングの損切りをすることはできました。(わりと手痛くやられましたが...)
利下げ示唆もありましたが、ドル円急落の大きな要因としてはやはり米中貿易摩擦悪化への懸念です。
①中国がアメリカの関税に対して報復措置を表明
②トランプ大統領がこれに激怒、関税措置に関する発言、中国批判ツイート
これらによって一時的に106.700を付けたドル円は、105.250まで急落しまし、終値は105.350あたりで週末を迎えました。この下落を受けて「直近の上昇トレンド転換の目線は一旦なくなったな」というのが私の印象です。
それでは、2019年8月25日時点のドル円の相場分析と今後直近のシナリオを考えていきます。月足→日足→4時間足→1時間足とチャートを見ていきます。
月足:2通りのトライアングルが考えられる
1つ目のトライアングルはこれまでに考えてきた「75円~125円の上昇」に対する修正波トライアングルです。(トライアングル案①)
現在はE波を形成中と考えられ、下値のチャネルラインをスローオーバーしている状況と捉えます。教科書通りであれば、トライアングル完成後は上昇トレンドへ転換すると予想することができます。
詳しくは先週のnoteでお話ししています。
2つ目のトライアングル案は「125円~98円の下落」に対する修正波トライアングルです。(トライアングル案②)
最近の下落トレンドが強いことから、新たに月足レベルの下落トレンドの可能性も考えてみます。
この2つ目の案では既にトライアングルは完成しており「125円~98円の下落」のもとのトレンド方向へ進んでいると考えます。
E波終点が2019年4月末頃です。2019年5月にはトランプ大統領の「中国への関税引き上げ」「ファーウェイへの批判」でリスク回避の相場となり、一気にドル円は下がり始めました。
米中貿易摩擦の懸念が大きく後退しない限り、ドル円の上値は重く下落トレンドを作り続けるのではないかという考えです。
このシナリオで考えると、行くとこまで行くならば100円割りチャレンジもあるかもしれません。
日足:下値を試す値動き
もう少し直近の流れを考えてみます。
2019年4月末からの下落から波形をカウントすると、現在はC波あるいは3波目と考えることができます。
トライアングル案①ならばC波で終了、トライアングル案②であれば3波の後5波まで続く想定です。
直近で注目すべきは「下値をどれだけ更新するか」ですね。
・105.000を割らずに耐える値動き:トライアングル案①が有力になる
・1月3日安値104.297を割る値動き:①②どちらとも言いがたい
・フィボナッチ161.8%(102.500)到達:トライアングル案②が有力になる
上記の3つの下値候補を考えています。どちらにしても、現時点では来週は戻り売り優勢の雰囲気が強いです。
まずは105.000を割るか割らないのかですね。さらに短い時間足で見ていきます。
4時間足:下落に対するトライアングル完成
8月1日の109円~105円の下落に対するフィボナッチを見ると61.8%ライン(106.700)で上値が限定されています。そして、下値を切り上げていくように値動きしてきました。
これはアセンディングトライアングルと呼ばれるものであり、完成後はトライアングル形成前のトレンド方向への値動きに優位性があります。
実際にトライアングル5波動完成後は、下落トレンドを形成している状況です。やはり現時点では、来週は戻り売り優勢の雰囲気が漂いそうです。
105.000を割れば、1月3日の安値104.297が見えてきます。
一方で105.000円を割らずに耐えるのであれば、反発することも想定しておくべきと考えます↓
米中貿易摩擦のニュース次第では下値ショートで捕まってしまう可能性もあるので、慎重な仕掛けと損切りが必要な相場かなと考えます。
1時間足:戻り売りはどこでするか
急落をしたといえ、ショートカバーや値ごろ感からのロングが入ることが想定されます。週明けすぐにショートを入れるのは危険と考えています。
もちろん、週開けそのまま下落し続ける・あるいは窓開けでクラッシュする可能性もあります。しかし、その場合はポジションを仕掛ける余地がないので、私は諦めます。
戻り売りをしたいと考えている候補は2つあります。
・「109~105円の下落」のフィボナッチ76.4%ラインと「106.700~10.250」のフィボナッチ50%ラインが重なる部分:106.000付近
・「106.700~10.250」のフィボナッチ61.8%ライン
下落トレンドが強いので38.2%以上までは戻らないかなと考えています。38.2%以上まで戻ってくると下落トレンドも怪しくなってくるので、観察が必要です。
戻り売りを仕掛けたあとの動きにも注意です。
・105.000円を割って下落する可能性(上図)
・105.000円を割らずに耐える可能性(下図)
・あるいは、105.250円すら割らない可能性(下図)
この3つの可能性のどれが優位については、現時点ではなんとも言えません。週明けの値動きやニュース次第です。
凄くぼやっと考えていることは、
・米中貿易摩擦が泥沼化するなら、さらなる下落。
・米中どちらかが問題をケアする動きがあれば、反発上昇。
ということです。どちらにしろ、いま言えることは「どれが答えになるかわからない」です。
あらゆる可能性を想定して、損切りをしっかりできるようにすることが重要ですね。あとは、各々のトレードルールに従うことです!私も気をつけてトレードしていきます。
以上、2019年8月25日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。週明けも頑張りましょう!
P.S. 今週の反省点:シナリオ分析に感情移入
個人的には、4時間足の考察で「下落トレンドに対するトライアングルに、もう少し早く気づけていればな」と悔しい思いです。(ロングの損切りがもっと早くにできたため)
8月22日にnote(つぶやき)で上昇シナリオについてトライアングルを扱いましたが、こちらの方は完全に間違いでしたね。私自身がロングポジションを持っていたので、上昇シナリオに思考が偏ってしまったのが原因ですね。
いわゆる、メインシナリオ分析に感情が入ってしまった状況です。
下落シナリオも一応考えていたので損切りは躊躇わずにできましたが、シナリオ違いの下落でした。
持っているポジションにこだわらず、客観的な目線であらゆる可能性を探れるようにならないといけないですね。反省しました。
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