【週刊】ドル円相場分析と今後のシナリオ【2020/03/08】FXサンデーレポートvol.29
今週のドル円相場は、先週の下落に引き続いてさらに下落相場。
週明けは107円後半~108円後半でもみ合うものの、週後半は「ドル売り円買い」の勢いがかなり強まり105.000を少し割るところまで下落しました。
「コロナウィルスの拡大」の不安によるリスクオフが長引いており、株為替ともに下がり続けている状況です。
先週のnoteと同じく、現在の相場はファンダメンタル要素が強くテクニカル分析、意識されそうなサポートラインも機能していないように思います。
ファンダメンタル要素といっても6日(金)の米国雇用統計結果も予想を上回る結果でしたが、上への反応は限定的でした。
この反応を見る限り、しばらくは「コロナウィルス」関連の材料でしか大きく反応しない印象です。あるいは、悪い経済指標結果だけには反応することがあり得そう。
テクニカル分析が機能しずらい相場が続きそうであり、今回も軽めの予想・分析にしようと思います。
今週の値動きで「月足レベルの上昇シナリオ」はいったん崩れたので、チャートの捉え直しもします。
それでは、2020年3月8日時点のドル円相場分析と今後のシナリオを考えていきます。
月足:波形カウントの捉えなおし(上昇と下落のシナリオ)
月足レベルでは
・「トライアングル」が完成している
・月足レベルの上昇トレンドが始まりつつある
をメインシナリオとしています。(月足以上の分析noteより)
これまでは以上のようなメインシナリオの元に分析・予想をしていましたが、今週の下落により105円まで戻ってきたので「トライアングル完成シナリオは破綻」と考えます。
とはいえ、2015年から始まったもみ合い相場は「トライアングル」系の波形にしか見えないので、波形カウントの捉え直しということで考えを進めます。
・月足A:100円台までの下落シナリオ
・月足B:104~105円台で反発して上昇シナリオ
Aシナリオは上図のような波形カウントをします。
2015年の125円からの下落に伴った「ディセンディングトライアングル」の完成が考えられます。先々週の112円台でE波が完成し、下落トレンドが再び始まった可能性があります。
下落トレンドが始まっているのであれば、その下値の目安としては
・100.000~100.900:フィボナッチ50%ラインから大台のキリ番
・95.000台:フィボナッチ38.2%ライン
が現時点では見えてきます。
今後も「コロナウィルスの拡大」の不安が続く限り下落し続けることはあり得るでしょう。さらに、経済的な悪影響も浮き彫りになって不安と懸念が重なるとなおさら。
Bシナリオは上図のような波形カウントをします。
これまでに考えていた「トライアングル」が完成しておらず、完成間近であるという考えです。
このシナリオが有力になるのは、直近の値動きで104.400~105.000でE波完成が観測できた場合のみです。
現在の価格あたりで「セリクラ」になるとこのシナリオが生きてくるのではないでしょうか。
「コロナウィルス」関連の不安が徐々に解消されれば、このシナリオの優位性が上がる値動きになるでしょう。しかし、現時点では今すぐ不安が解消される見込みはあまりなさそうです。
週足:レジスタンスとサポートラインの確認
週足でこれまでの値動きのレジスタンスとサポートラインを確認します。
主なレジスタンスラインとして挙げられるのは
・114.000:フィボナッチ76.4%(白点線)、3回のレジスタンス(白丸)
・112.000:(青線)、最近の値動きで2回のレジスタンス(青丸)
サポートラインとして考えられるのが
・104.400ライン:(赤線)、これまでの急落・クラッシュが起きた時に3回のサポート(赤丸)
週明けには104.400ラインが直近に見えており、このサポートラインが今回も機能するか否かが重要です。
機能すれば月足Bシナリオ、しなければ月足Aシナリオの優位性がそれぞれ上がります。
104.400ラインを割ってくるのであれば、次の下値としては100円台が意識されるでしょう。このラインに近づくほど神経質な値動きになりそうですね。
まとめ
これまでの急落やクラッシュは「米中貿易摩擦」関連による政治的・経済的な不安から生じたものでした。一方で、今回の急落は「ウィルス」という自然的なものから不安が生じています。
つまり、急落の根本的な原因が「ある意味人為的なもの」か「自然的なもの」かの相違があります。
そのため、どこまで落ちるか、どこで支えられるかという予測は非常に難しいなと感じています。
テクニカル分析的には104.400ラインにサポートがありますが、どこまで機能するかはやはり未知数。
引き続き「よくわらかない」相場が続きそうです。
「よくわからない」ことが「わかっている」という認識も大切ですね。
週明けからも下窓、急落、急上昇には要注意です。
以上、2020年3月8日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。
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