京都にて、リソグラフスタジオをホホホ座浄土寺店2階で、9月上旬からスタートします!

ふらふらと、ぼんやりと。このときにはもう、店と自宅とスタジオが一緒にできるなんてことは思っちゃいなかったけれど、リソグラフのスタジオだけですぐに食べていけるとも思っていませんでした。もし、上手く回ったとしても、スタジオをはじめて最初の1年くらいは宣伝期間になるのだろうな、と思いながら。うーん、大変だな、移住しての新生活、と頭をかかえつつ。

とにかく住む場所を見つけなくちゃ、と、不動産屋さんへと向かい、いくつか物件をチェックすることに。岡崎や錦林車庫近辺の物件を見に行って、思ったよりも良さげな場所があるな、と確認してホッとひと安心。あ、そう言えばホホホ座さんで「このあたりにいい物件ありますよ」とも聞いてたな。ちょっと行ってみよう。

なんのアポイントもなくふらりと1ヶ月ぶりに立ち寄ってみたけれど、昨日も来たかのように、「あ、こんにちは、どうですか、調子は」とさらりとした感じが気楽でありがたし。

「いやぁ、なかなかいい場所ないですねぇ」と僕。
「印刷スタジオですか? じゃ、ここでやりませんか?」と松本さん。

「え"?」

いやはや、何をおっしゃってるんでしょうか(笑)。ここでって、ここはホホホ座の2階、今は古本屋と雑貨の店として、基本的に松本さんの店として、以前はコトバヨネットとしてずっとやってきた場所。ここで一緒にやるってこと? いや、そんなに広いわけじゃないし……。

「いや、今、ちょうど真向かいに店を作ってて。ホホホ座のねどこ(1日1組のゲストハウス)の下に。そこに夏ごろに移るので、この場所が空くんですよ」

訊けば、向かいへの移転によりこの場所が空くのだけれど、せっかくあとに何か入るんだったら、同系統の古本屋みたいなのが入るんじゃなくって、なにか今までないものが入ったら面白いな、と思っていたそう。ちょうどそこに渡りに船、というか、東京からなんか印刷機抱えて来るヤツ(ホントは抱えてないけれど。重いし)がいるらしい、という話らしく。

「ホ、ホンマですか!」と思わずこぼれる関西弁。「うーーん、どうしようか」と一瞬悩むけれど、悩む必要はない。確かに家賃的には決して安くはないけれど、それ以上の集客効果や宣伝効果を考えれば、間違いなくここで印刷所をやるのがベストではないかと。近所に京都造形大学もあるし、印刷だけでなくワークショップをやるにも便利。もちろん、店内にzine等、自主制作本やCDの物販を置くことによって、ホホホ座の新たな物販スペースとしての機能を果たすこともできるだろうし。

「ホホホ座としても、印刷機能があったらいろいろと便利だと思いますし、ぜひよろしくおねがいします!」と。

もちろん一緒にやる予定の加藤さんの意見もあるし、「持ち帰って少し考えさせてもらっていいですか?」ということを伝えながら、自分の心づもりはほぼこの時、決まっていました。

そうだ、ここでリソグラフの印刷スタジオをやろう! と。

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と、いうことで、このコラムはまだ続きますが、ストーリー的にたどり着けたので、先行告知させていただきます!

来る9月上旬、京都初のオープンリソグラフスタジオ「hand saw press KYOTO」が、ホホホ座浄土寺店2階にてオープンします!

今、世界中のインディペンデントアート、zinesterが注目している簡易印刷機リソグラフ印刷のオープンスタジオ「hand saw press」が、満を持して京都に登場します。もちろんリソグラフ自体は、どこの学校にも官公庁にもある「安かろう悪かろう(と思われてる)」あの印刷機。ただ、この機械にさまざまなカラードラムを加えることで、シルクスクリーンや活版印刷にも負けない、表現力豊かなアートワークやオリジナリティあふれるzineを生み出すことができる機械なのです。ちょっとしたズレや滲みも、作品を彩る個性と思っていただければ幸いです(詳細に関しては、コチラを御覧ください)。

この先、予約印刷のみならず、リソグラフ初心者のための体験的なワークショップを定期的に行っていく予定です。これら詳細に関しては、oda(at)handsawpress.com まで、まずは一度ご連絡ください。この先、自由に体験できるオープンスタジオ、有名アーティストやデザイナー、編集者による、製本やデザイン、本造り全般に関するさまざまなワークショップも定期的に行う予定ですので、こちらもご期待ください。こちらのスケジュールに関しても、近日中にお伝えできればと思います。

また、同スペース内には、当方のレーベルmap / compare notesをはじめ、円盤やsweet dreams等、親しいインディペンデント・レーベルのレコードや書籍、国内外を問わずさまざまなzineやオルタナティヴな作品を取り扱わせていただく予定です。自主制作物/zine等の販売スペースとして販売も予定しておりますので、ぜひ当方までご連絡いただければ幸いです。

hand saw press KYOTO
〒606-8412 京都府京都市左京区浄土寺馬場町71 ハイネストビル2F
oda(at)handsawpress.com  (at は @に変換)

【何ができる?】
当スタジオでは、リソグラフを用いてのポスターや作品印刷といったアート作品のみならず、イベントのフライヤーやシンプルなお店のチラシももちろん印刷させていただきます。また、リトルプレス/zineといった数ページにわたる冊子制作に関しても、ページ数問わず印刷させていただきます。また、これまでzine等を作ったことがない方には、編集作業の最初の段階からのご相談も承ります。ぜひ一緒に自分だけのzineを作りましょう! またオリジナルの雑貨やノート等の制作も請け負わせていただきます。

【何を持ち込むの?】
当方のリソグラフ機は、PhotoshopやIllustrator、Indesign等のアプリケーション・データからの直接印刷も可能です。ただ、エラーが生じないように、pdfファイルにしてから持ち込んでいただくのが一番だと思います。もちろん、モノクロ出力したプリントを持ってきていただいても大丈夫です。サイズはA3まで、機械の仕様により縁に3mm程度の余白ができますのでご了承ください。

【カラーは何色?】
現在予定しているカラー数は、蛍光色/ゴールドを含む全12色(7/28現在)です。この先もどんどん増えていく予定ですのでご期待ください。

【価格は?】
現在、詳細を検討中ですが、データ入稿によるリソグラフ印刷会社よりは、打ち合わせしながらの印刷ということで若干高くなると思います。また、プロ仕様の断裁機やホッチキス、製本用の糊や接着用の機械等も用意しております。

hand saw press
2018年初頭、東京は武蔵小山にて、空間デザイナー・安藤僚子、建築家・ジャークチキン屋アマラブ店主・菅野信介、編集者/ヴィーガンレストランなぎ食堂店主・小田晶房の3人によってスタート。こちらのスタジオでは、常にお客様の要望をうかがいながら、印刷データをリソグラフに対応すべくエディット、そしてサンプルを取って完成させていきます。このやり方で、これまで多くのアーティストの作品のプリントはもちろん、zineを中心とするさまざまな形態/スタイルの書籍 やポスター等を送り出してきました。また、2019年には、デザイナー秋山伸氏の企画「まつだい「農舞台」「アート/ブックのとても大きな部屋:読む・作る・考える」への参加、TOKYO ART BOOK FAIRの十周年記念zine『100pages / 5zines 2nd Edition』(参加作家:服部一成/ホンマタカシ/五木田智央/題府基之/土川藍&小林亮平)の印刷、FESTIVAL TOKYO(10月予定)への参加と、リソグラフ印刷を媒介にさまざまな展開を繰り広げています。




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