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「バス」

最近、田舎でバスに乗った。市街地から過疎地への路線。
週末の20時頃。JRの駅で電車から降りてから20分ほど待った。最終便だった。電車もバスも1時間に一本。それなら時間を合わせたらいいのに。
乗客は私だけだった。都会では乗車時に払うことが多いが、田舎では降りるときに払うことが多い。距離で料金が違うからだろうか。
バスは時間通りに運行していく。途中、時間調整のために私鉄の駅で少しの間止まっている時間があった。このときに運転手と話した。公営で、ダイヤは市役所が決めているそうだ。私鉄の到着時刻に合わせて運行しているためにJRの到着時刻には合わないのかもしれない。
夜はガラガラでも、朝は学生がいるから混むらしい。
ふと、東南アジアでバスに乗ったことを思い出した。田舎のほうではバス停でなくても手を上げると乗れるようだった。時間は正確ではなかったが、便利そうだった。はじめからそういう形だったのか、試行錯誤しながらそうなったのか、今更ながら気になった。どちらにせよ利用者に寄り添っているようにみえた。
今、乗っているこのバスは地方税で賄われているのだろう。通勤、通学、そして、たまに乗る私のような人のために市が確保しておいてくれている。時間も守る。
ありがたいが、ガランとした空間分、要望に応えられていないようにも思えた。
過疎地にある高齢化、買物難民、空き家、孤独、その他多くの問題は、人と物の移動が少ないことが原因だ。そういった問題の解決策をこのバスの空席に載せて運んだらどうか。
例えば、日用品を運んでくるバス。
日用品は乗客が買ってもいい。予約するとバス停に近い空き家に置いておいてくれるのもいい。売り子が同乗しているのもいい。健康診断もいい。ストレッチ教室もいい。試験的でも、イベントでも。定期的にでもいい。

「バス」という外から持ってきてそのまま使っている概念。その隙間になら「地域色」を入れてみてもいいのではないだろうか。

ここにあるものをないところへ。ここにないものをあるところから。中世の大航海も砂漠のオアシス都市も隔絶されだ場所に人と物を移動させるために必要だった。
過疎地を走る公共バス、それはインド航路やシルクロードと同じ役割を担いうる。どこにでもあるもので、そこにある問題を解消する。
そういうものがローカリゼーションであって欲しい。


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