昨日はNPO法人発達障害児支援LOF教育センター本部が東京で行うやまもと式S&E療育プログラムの日でした。
私も発達障害児地域支援員であるチャイルド・ライフ・サポーター®プロ資格認定講座の開講の為上京の予定を立て、現場に入りました。

今年新しく相談にお越しになったご家族のお子さんは今までサポートしてきた発達障害様の子どもたちとは違い、ある時までは学校生活も楽しみ、過ごしていました。もちろん多少の生きづらさはあったのかもしれませんが、支障があるほどではなかったようです。そして、突然、いろんな辛いことが重なり、心が壊れてしまいました。ずっと引きこもり、外に連れ出そうとすると何かを怖がり、出ることを嫌がりました。ますます症状は深刻となり独り言も酷くなりました。その上、連れて行った国立病院で誤診され、投薬治療が始まりました。程なくもっと状態が悪くなりました。一晩中部屋をグルグルと歩き回り、明け方眠る。ずっと独り言を言い続け、何を言っているのかわからない。意味のある言葉を発することが無く、家族とコミュニケーションを取ることが出来なくなりました。人が人でなくなってしまったように。
ついこないだまで楽しい学校生活を送っていたのに、あまりの過酷な出来事に突然壊れてしまったのです。しかもその後の病院の対応がもっと状態を悪くしてしまったのです。

お母さんがありとあらゆる情報を集めている時、私の「発達障害の子がグ―――ンと伸びる心と体の伸ばし方」を見つけ、読んでくださったそうです。LOF教育センターで行っている療育が脳機能に働きかける随意運動であるというところに藁をもすがる思いでお問い合わせいただきました。

数カ月前、面談をさせて頂き、昨日初めての療育S&E療育プログラムの体験のためお子さんを連れてきてくださいました。
全くことばを発せず、意思疎通できません。部屋の中をずっと歩き回っていました。
お母さんと話しながら、タイミングを見て、見本の動きを見せたり、道具を床に広げてみたりして様子を伺いながらプログラムをしてもらえるタイミングを図っていました。
もともとはスポーツが大好きだったようなので、ボールを使ってみることにしました。案の定それには反応してくれました。

最近相談に行ったクリニックで脳の画像を取ってもらい活動していない脳領域が分かったそうです。そして、そのクリニックの先生にも脳機能改善に「随意運動」をすすめられたのだそうです。先生にも進められたこともあり、お子さんの状態も少し落ち着いているようだったので、面談から数カ月経ち、ようやく決意してお子さんを連れてきてくださいました。

そんな状況も理解しながら、体験の１時間足らずの時間の中で少しでもなんか試すことが出来たらまた次が見えてくるだろうと考え、工夫し、取り組んでもらえることを提案していきました。その内、自分が好きな運動は私と一緒にしてくれるようになりました。ほんの短時間ですけれど。活動していない脳領域が少しでも活動し、以前の状態に近づくようにイメージしながら。

すると、テーブルに座って休んだのです！！！
疲労感を感じることなく一晩中部屋の中をぐるぐる歩いている子が一息ついたわけです！！！

その後もタイミングを見計らい、随意運動を促し、取り組んでくれるように工夫をしていきました。終了が近づいた頃、ぼそっと「少し疲れた。」と言い、帰る間際に「おなか空いた。」と言ったのです。
その言葉を聞いて歓喜し、お母さんに「おなか空いた。」やって！
凄いよ！凄い。お母さん、これはすごい事ですよ！」と言ってお互い顔を見合わせ、眼を潤ませました。

その帰り、そして、その日の午後。
翌日にも彼の嬉しい変化は続きました。
奇跡が起こったように。

今までの実績から自信を持って療育S&E療育プログラムを提供していましたが、民間療育と言うこともあり、なかなか効果を信じてもらえなかったり、
拡がらない現実に落胆することが多かったです。効果が実際にあっても。
それが今回の発達障害ではなく突然に脳機能の活動が悪くなった心が壊れてしまった子にも即効性のある変化が現れたことにまた、彼の変化とともに感激し、感動し、自信をもらいました。
これからも彼がしっかり回復の道を歩んで行くことができたら、発達障害に限定せず、心が壊れてしまった子どもたちへの回復の援助が出来ていくのではないかと思いました。もっと多くの子たちの支えとなり得るのだと思いました。

一人でも多くの子どもたちの人生を変えるくらいの発達と回復の援助をこれからも必死になって行っていきたいと強く思いました。

その感動と決意を皆様にもシェアーさせてください。
長文お読みいただきありがとうございました。