とがりますか
夏はいいけどさ…
知り合いに毎日4種類のアイスを食べる人がいる。
1年で、のべ1460種類だ。
ひとくちにアイスと言っても、大きく4つに分かれる。
アイスクリーム
アイスミルク
ラクトアイス
氷菓
上の3つは「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」によって
アイスクリーム類に分類され、氷菓は一般食品とされる。
分類の基準は、「乳固形分」と「乳脂肪分」だ。
乳固形分 乳脂肪分
アイスクリーム 15%以上 8%以上
アイスミルク 10%以上 3%以上
ラクトアイス 3%以上 ――
氷菓 上記以外
パッケージの裏側に表記されている。アイスミルクは、アイスクリームに比べて、ミルク感では、あっさり気味だが栄養分は同じくらいだ。
大きさが同じなのに、値段にばらつきがある場合、パッケージの裏側を見れば納得いく。およそアイスクリームは、それなりのお値段のはず。
この分類を知っていると、コンビニの冷凍庫を漁るとき、ちょっと楽しくなる。「あれ?お値段リーズナブル?」と思ったら、「なんだラクトアイスじゃん」って感じ。
差し入れでもらったアイスが、ラクトアイスだったり、氷菓だったりすると、少々がっかりすることもあるから、裏返さない方がいいときもある。
だいたい、アイスを毎日食べるって、よほど熱くなれるんだろうと察するが、おなかは冷える。それでも、耐えられるくらい強い胃腸なんだろう。
当然、アイスに詳しくなる。アイスキャラになるから、そっち方面からお声がかかって、仕事になる。
アイス以外にも、ぶっちぎりでとがっている人は、いろいろいる。
小さいころから豆腐ばっかり食べている「豆腐マイスター」
世界中の「さば」グルメを食べる「サバジェンヌ」(言ったもん勝ち)
朝晩、大学芋を食べ続けるOL(お通じ良さそう)
月間150本のネギを食べるマニア(息が気になる)
1か月に1kgのバターを食べるバター屋勤務の女性(内臓脂肪は…)
年間1万個のいちごを食べるフードアナリスト
他にも、パンケーキ、タピオカ、さつまいも、かき氷…
みんなそれぞれ心底好きなのであろう。ちょっとしたかわり者としてメディアから呼ばれることもある。
マイケル・ポーターが言う「報酬をもらえなくても、やりたいと思えることは何かを考えなさい」という言葉を、意図せず体現している。だからこそ、自然と仕事にもなり、お金というおまけまでついてくる。
私たちは、子どもの頃から、なんでも一通りの分野を学ぶという教育を受けてきている。バランスの良さは評価の対象になる。一方で、突出した強みを持つチャンスは、少ないのかもしれない。
だからこそ「これだけは絶対誰にも負けない」というものを持っていると、今の時代は強い。
全然関係ないけど「不況になると鉄道雑誌が売れる」っていう、あるある?を、聞いたことがある。鉄道も、かつては趣味として「とがりやすい」世界だったかもしれない。
ところで、アイスクリームの食べ頃の温度だが、マイナス8度から14度。ソフトクリームは、マイナス5度から7度とやや高めだ。
イートインするとき、店員さんに「設定は何度ですか?」って、訊いたら
「この客、めんどくせぇ」って思われるかもしれないな。
沖縄出身のお笑い芸人さんが命名してくれたペンネーム/テレビ番組の企画構成5000本以上/日本脚本家連盟所属/あなたの経験・知見がパワーの源です