マッチ

かきますか

ノーベル賞を受賞したことのある日本人物理学者が、学生時代に非常勤講師として高校で教鞭をとっていたとき、テストでこんな問題を生徒に出した。

「この世から摩擦がなくなったらどうなるか?」

問題は、この1問だけ。結果、物理が得意な生徒はことごとく不正解。
一方、不得意な生徒の中に数名だけをもらったものがいたという。

「摩擦がなくなったら鉛筆が書けない」という理由から、白紙答案を提出した生徒が。この理由以外のことを書いたら不正解。物理が苦手で何も書けなかった生徒が正解になるという、皮肉なテストだ。

このエピソードを思い出すと、自分がもし教壇に立ったら生徒にどんな問題を出そうかと考える。

今の教育では、決まっている答えまでのプロセスをしっかり再現できると点をもらえるパターンがまだ多い。しかし、実際の世の中は、答えがわからない問題ばかりだ。

なので、たとえば算数なら「5たす7は?」ではなく「12=?」と、1問だけのテストをやってみたい。

答えは、5+7でもいいし、1+11、3+9、14-2、15-3、2x6、3x4… まだまだある。いっぱい書いたらその分、加点だ。

物理の「この世から摩擦がなくなったら」テスト。もし自分が生徒だったら、物理が苦手なので、頭の中が真っ白になるだろう。でも、なんか埋めなきゃという焦りから「世界は平和になる」とか、やけくそ回答していたかもしれない。

でも、書いちゃったらおしまいなんだよな。


沖縄出身のお笑い芸人さんが命名してくれたペンネーム/テレビ番組の企画構成5000本以上/日本脚本家連盟所属/あなたの経験・知見がパワーの源です