チェンジ

かわれますか

「今さらっすか?」

そうなんだよ、今さらなんだよ…

自分がブログ(これ)をやっていることを話したら、不思議な反応をされた。元旦にスタートして、よちよちと、いつの間にか9月。話した相手は、中堅のお笑い芸人さん(以下、OGさん)なのだが、彼はブログなどSNSの他、毎日ライブ配信もやっているという。ライブといっても、ネタではなく、たわいもない日常をトークするだけ。

プラットフォームは、視聴者が投げ銭してくれるアレだ。アレ、と言っても何種類かあるので「未だ黒字化しないヤツ」とだけ言っておこう。

そのサービス会社の若い社長が人気女優さんと付き合っているとかで、話題にもなったので自分もサービスの存在こそ知っていたのだが、コンテンツをしっかり見たことはなかった。

すると、OGさんが「わかりやすいところで…」と、あるアイドルグループの子の配信部屋(?)を見せてくれた。

カラフルなインターフェイスで、アイドルがおしゃべりしている。その下で、キラキラしたアイテムが飛び交っている。投げ銭だ。

金額によって、アイテムの形が違うのだが、1円から1万円まで。

金額を表すアイテムがそのまま表示されているので、彼女の元にいくら投げられたのかわかる。数えていて、目を疑った。

その時点で50万円に届く勢い。まるで旅一座の女形に、観客のおばちゃんが万札のおひねりを渡すかのような嵐。なんだこの熱は?いくらファンとはいえ、生々しすぎる!

タレントさんがギャラを現金でもらうことをギョーカイ用語で「とっぱらい」いうが、この投げ銭システムでは、プラットフォームが管理しているから、タレントさん本人にいくら渡るのか、わからない。

はっきりしているのは、運営側のマージン。65%だって。そ、そんなに中抜きすんの?なのに運営会社が赤字って、どういうビジネスだよ…

そのプラットフォームでは、アイドルのソロでの配信のほか、グループが番組として配信しているコンテンツもある。番組とは、いわゆるテレビ的なヤツだ。そういった番組スタイルのコンテンツでは「投げ銭」が集まりにくいという。

ファンは、アイドル本人にあげたいと思っている。だから「番組に投げ銭しても、本人には渡らないだろう」ということがバレている。

プラットフォームのシステムや仕組みは、別にどうでもいいのだが、一番刺激を受けたのは、OGさんも配信をやっていることだ。

聞くところによると、そのプラットフォームで、お笑い芸人さんの枠はまだ数えるほどしかいないらしい。

芸人さんの間では、未だ「いいネタを作っていれば売れる」と信じて疑わない人が多い。いいネタは大切だが、知られなかったら売れるものも売れない。テレビでは、芸人さんがネタを披露する場は減っている。

OGさんが、リアルな状況を察知して、敏感に対応、順応していることに感服した。昔からフットワークが軽く、頭もキレる。私が口にするくだらない冗談も拾ってしっかり突っ込んでくれる。

ギョーカイ的には、YouTuberにシフトするお笑い芸人さんを冷ややかに見る向きもある。そう思う人の気持ちもわかる。でも、流れは明らかに変わっている。

表現の仕方より、伝え方のははるかに大事なことは火を見るより明らかだ。ライブ配信では、相当な時間が費やされるが、その割に実入りは少ない。しかし、続けることで着実に視聴者は増えているという。

売れるかどうか。ブレイクするかは、タイミングや運が大きい。わずかな確率に賭けるより、時代の流れを読んで、素直に対応していれば、運も引き寄せられると思っている。今の時代、ライブハウスでネタをやるより、SNSで配信をやる方が賢い選択だ。

進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンの言葉…

最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。
        唯一生き残ることができるのは、変化できる者である。


沖縄出身のお笑い芸人さんが命名してくれたペンネーム/テレビ番組の企画構成5000本以上/日本脚本家連盟所属/あなたの経験・知見がパワーの源です