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つかいますか

チャンスは突然やってくる…

明石家さんまさんの“いい話”で千円札の話がある。

ある日、さんまさんが自分の財布の中に「さんまさん!いつかあなたの手にとどくことをねがってます。大好きです」と書かれた千円札を見つけた。

テレビ番組でネタで話したところ、30年前に自分が書いたという女性が見つかり対面することができたという話。女性が15歳の時に書いたものだったという(筆跡鑑定で本人だと特定されている)

以前、個人情報を泳がすという、ちょっとした遊びをやっていたことがある。 

最近は、個人情報の取り扱いが厳しいから、漏れるには漏れているだろうが、自分のところに戻ってくる確率は低いかもしれない。

お金と同じく、ビニール傘も天下の回りものだ。実験したいと考えていたら、チャンスは、急にきた。

深夜、急に強い雨になりビニ傘で帰った。そのビニ傘は、全体は無色透明だが、柄の部分が黒とグレーのツートンカラーで、見たことないタイプだった。

自宅建物にたどり着くと、不安そうな表情でスマホをいじっている人がいた。「傘、お使いになりますか?」と聞くと、急な雨で、仕方なくタクシーを呼び出そうとしているという。喜んでもらって、こちらもいい気分だが、自分は別の嬉しさがあった。

この傘なら、“傘は天下の回りもの”実験ができるかもしれない。なので「返さなくていいですから」と一言添えた。どこかに故意に忘れてくるより、自然な感じで流れていく方がいいと思っていたので、絶好のチャンスだった。

天下の回りもの実験で、ここ数年続けていることがある。2000円札だ。

2000円札は、小渕政権時代の2000年7月に始まり、2003年まで累計8.8億枚発行された。今でも1億枚が流通しているが、釣り銭などで受け取ったことはほどんどない。

あるお笑い芸人さんが「2000円札って、国家レベルで滑った施策だ」と、ネタにしていた。確かに、はじめは物珍しさもあったが、実は「」という数字の紙幣が使いづらいことがわかってきて、自然と流通しなくっているようだ。「1」「5」に慣れているからね。

なので、個人レベルで2000円札を流通させ、国家の尻ぬぐい?をしている。自分の財布には、普段から2000円札が常備されている。それも全て新札(ピン札)だ。

銀行や郵便局で在庫があれば、両替してくれるが、ほとんどが使用済み紙幣だ。都銀の、ある支店に2000円札の新札在庫がまだ残っているので、いつもそこで両替している。「くだらない」「そんな労力、他で使えよ」というツッコミもあるだろうが、ただの趣味である。

2000円札で支払いする場所にも気をつけている。コンビニとか小売店など「一旦レジに入るけど、またすぐお釣りで出ていくような場所」だ。ATMとか、自動券売機などに吸い込まれると、当局に回収されてしまうおそれがあると、勝手に考えている。新札なら回収されるリスクは少ないけど、そのくらいの緊張感を持ってオペレーションした方がドキドキして楽しい。

いつか自分の手元に戻ってきた時に、わかるよう、何か記号でも書いておきたいが、お札に書くと、貨幣損傷等取締法により、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処される。なので、ギリギリ「四隅をちょっとだけ折る」ことで印にしている。

新札を真ん中で折るのはしのびない。隅っこは、自然に折り目がつくこともあるから「四隅」だ。

普段、なかなか巡ってこない2000円札。沖縄県では普通に流通している。

もともと、沖縄サミットにちなんで2000年に発行され、肖像画には守礼門が描かれているし、沖縄県の銀行では積極的に使ってもらうようATMは勝手に2000円札が出てくる仕組みだ。(琉球銀行のATMは「2000円札不要」のボタンがついている)

沖縄県で2000円札がなじんでいるのには、もう一つ理由があるようだ。

普段、「1」と「5」の数字のお札に慣れている人が多いが、沖縄県ではかつて米ドルが流通していて、その中には$20紙幣もあった。なので、「2」で始まる数字のお札を使うことに慣れているという背景もありそうだ。

いつ、四隅がちょっとだけ折れた2000円札が帰還するか、お釣りを紙幣でもらうときは楽しい。きっと油断したとき、突然やってくるんだろうな。

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