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snow peak マーケティングトレース

こんにちは。Marcyです。
今回はsnow peakのマーケティングトレースです。
最近、キャンプ通の友人と一緒にキャンプに行くことが多く、キャンプ熱が高まっているので、キャンプ用品で特徴的なマーケティングを行なっているsnow peakを選びました。

snow peakのマーケティングの特徴を一言で表すと、「徹底的顧客視点である」といえます。

その詳細を紐解きつつ、今後の施策を考えていきたいと思います。

ちなみに自分が参加しているコミュニティは下記です。

snow peakについて

まずは、会社概要を下記に示します。

snow peak 会社概要
・日本の新潟県三条市に本社を置くアウトドア総合メーカー・ブランド
・創業は山井幸雄商店という金物問屋
・1990年代のオートキャンプブームを牽引
・アウトドア用品、アパレルを主に販売
・コーポレートメッセージ「人生に、野遊びを。」
・Mission Statement「The Snow Peak Way」

オートキャンプってなんだ?って人は、こちらをどうぞ。
要は車を使ったキャンプですね。

実は今回、snow peakを深掘りするため、CEOである山井さん著の下記本を参考文献として読み、情報収集しました。
今回は、本書の要約も含めて、進めていきたいと思います。
snow peak商品の宣伝も込めているとは思いますが、ビジネス本としても非常に興味深い内容でした。ぜひ読んでみてください!

snow peakが掲げるミッションが「The Snow Peak Way」。
「人生に、野遊びを。」というコーポレートメッセージからもわかるように、自然志向のライフスタイルを提案し、製品やイベントを通して自然と人の良好な関係構築に取り組んでいます。

ここまで見ると、まあよくあるアウトドアブランドの経営理念ですが、snow peakが成功してきた要因は、冒頭にもあげた「徹底的な顧客視点」の販売・経営戦略です。

成功してきた要因

snow peakが成功してきたのには、大きくの三つの要因が挙げられます。

1.高価格高品質商品へのこだわり
2.ブランドユーザーとの交流
3.徹底した社員教育と独自の販売スタイル

まず一つ目は、高価格高品質商品へのこだわりが半端じゃないということ。snow peakの商品は、ご存知の方もいると思いますが、かなり高価格です。その代わり、品質は一級品であり、ユーザーからの評価は非常に高い。中途半端に安くて壊れやすい商品を出すよりは、丈夫で使いやすい高品質の商品を値段を顧みず作ることにこだわっています。

これには、社長自身や社員がかなりのキャンプ好きであることが大きく関わっています。「自分がキャンプで欲しくなる商品を作る」という考え方があるため、本当に顧客目線の商品が生まれやすい。キャンプ通が揃っており、時には顧客がまだ気づいていないニーズに気づくため、販売して数年してから売れ出す商品もあるそう。顧客より顧客目線で商品を作れば、そりゃ売れるよなと納得しました。

また、高品質商品への自信・顧客目線のサポートという観点から、snow peakの商品は「永久保証」を掲げています。保証期限なしに、修理を受け付けています。「作った商品に責任をもつ」という考えも、徹底的に顧客目線だなと感じました。

二つ目は、ブランドユーザーと交流する場やコミュニティの形成にいち早く取り組んでいたこと。snow peakでは、1998年から「Snow Peak Way」というキャンプイベントを開催しており、その場で顧客からのフィードバックを得たり、語りあう場を作っている。最近流行りのファンマーケティングに昔から取り組んでいるんです。

また、新潟の本社自体がキャンプ場を併設していて、社員も一般の人も気軽にキャンプを楽しむことができます。キャンプという顧客と社員が共通で好きなもの一緒に楽しむ場を作ることで、両者の垣根を徹底的に低くし、ここでもより顧客目線で商品開発に取り組む仕組みが完全に構築されています。

最後は、徹底した社員教育と独自の販売スタイルです。snow peakの社員は、一つの商品の企画からデザイン・開発までを一人の社員が一貫して行えるよう社員教育を行い、実践しています。一人で全ての工程を担当することで、商品に愛着が生まれ、妥協のない商品が生まれます。

店頭販売においても、総合アウトドアショップの店員に任せるのではなく、社員を派遣し、商品の魅力を詳細に説明できるようにしています。社員はsnow peakの商品について、実際にキャンプを行うことで徹底的に知識を叩き込まれます。代理ではなく、あくまで自社社員での販売にこだわっているのが、特徴的です。

フレームワークによる整理

以上の内容を、フレームワークで整理していきます。
まずは、ポジショニングマップです。

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競合としてあげたのは、同じくアウトドア大手ブランドである「mont-bell」「coleman」ですが、両者とも初心者から対応しているブランドのため、snow peakほど高品質ではないものの、低価格で最低限の品質は保たれているため、需要はあります。
とはいえ、高価格高品質というポジショニングはsnow peak完全に確立し、差別化をはかれています。

続いては、4P分析です。
今回は対比として、低価格・初心者向けのcolemanと比較しています。

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両者を比較した際に目立つのが、やはり顧客ターゲット層。コールマンがどちらかというと価格面や使い安さから初心者に向けた商品が多いの対し、snow peakはキャンプ中上級者のハイエンド層をターゲットにしています。消費者の層としては決して多くはないですが、その分コアなファンも多く、snow peak商品で揃える人も多いそうです。電子機器をApple製品などで揃えるのと似ています。

ただ、品質がいいものとわかっていても商品の価格が高いため、手がでない人も多い。snow peakの今後の課題は、鈍化している国内の売れ行きを伸ばすためにも、今までターゲットにしていなかった層をいかに取り込むかが大事だと考えます。
ターゲット層を新たに広げる場合は、そもそも、キャンプ用品にそこまでの値段をだす価値をいかに感じさせるかが鍵を握ってきます。snow peakは現在海外進出を積極的に検討しており、以前から大きな市場であるアメリカ進出を試みていますが、日本や韓国が高品質な商品でキャンプをするのに対し、アメリカでは製品に対するこだわりがあまりないため、なかなか浸透しなかったようです。
海外進出を進めていくためにも、新たな顧客層に向けた戦略は検討する価値があると思います。

自分がCMOなら

上記であげたように、ハイエンド層以外の顧客に向けた戦略をうちます。具体的には、下記を考えています。

アウトドア用品専門のフリマサイト
・一人キャンプの価値創造

まず一つ目は、「アウトドア用品専用のフリマサイト」を作ること。新たに狙う顧客ターゲット層は、初中級者・海外顧客です。snow peakだけでなく、キャンプ用品はどれも値段が高く、買いたくても手が出せない人が多いことから、ハイエンド層が厳選した中古品を初心者が手軽な価格で購入できるプラットフォームができれば、新たな層を確率できるのではないでしょうか。snow peakは比較的安く購入できるアウトレット用品を時々販売しているようですが、顧客間で譲り合う仕組みができれば、販管費も抑えられるし、中上級者が初中級者と交流できるイベント等を開催すれば、コアなファン以外の層を取り込んだコミュニティを新たに形成できのではないでしょうか。
また、中古文化が根付いている海外でも受け入れられる可能性はあると思います。

二つ目の施策は、「一人キャンプの価値創造」です。新たに狙う顧客ターゲット層は、キャンプ自体にまだ価値を見出せない層です。

世界の最近の顧客動向として、こんな記事がありました。

結婚することが当たり前じゃ無くなったり、ネットが普及したことがきっかけで、「一人で過ごす時間への価値」が上がってきています。一人キャンプは都会の喧騒から離れ、一人になれる絶好の機会です。キャンプをアクティビティではなく、精神面を回復させる目的の手段として浸透させれば、これまで「キャンプ=ワイワイ・みんなで」を想像していた層を取り込める可能性があります。
また、キャンプ用品はレンタルできるものの、団体ではないため金額面でのメリットはあまりないし、自分が気軽に使用できる利点を考えれば、キャンプ用品を自分用に買う人もでてくると考えられます。
オートキャンプという文化を日本に根付かせたsnow peakだからこそ、新たなキャンプの価値を創造して欲しいです。

以上が自分のマーケティングトレースと施策です。
今年はもう一回ぐらいキャンプ行きたいなー!(写真はiPhone11で撮影)
皆さんもぜひ!!

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