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大老・井伊直弼を訪ねて①(滋賀県彦根市) 2022年9月8日

私が近畿地方で一番訪れたかった場所、それは彦根だった。

私の叔父は桜田十八烈士の玄孫と結婚したため、桜田門外の変には特に思い入れがある。

2021年。水戸市を訪れた私は、烈公と諡のついた徳川斉昭公の功績を知った。徳川慶喜の実家でもある。桜田門外の変、大政奉還。水戸藩の行動は歴史を大きく動かしたのに、水戸の人間は明治政府に誰1人居ない。

この水戸をはじめ、皇居の桜田門、彦根藩江戸屋敷跡、愛宕山、井伊家の菩提寺・豪徳寺。なんなら神保町の古本屋街でも武鑑(ぶかん)や風刺画を探して回ったほどだ。

京都や大阪ならば、東京からいくらでも安いツアーがある。しかし彦根へのツアーは高く、50,000円からになってしまう。いつか行きたい、でも、いつかはなかなか来ない。

青春18切符で大阪行きを決めた時、彦根をすべて周るのではなく、とにかく足を踏み入れてみようと決めた。いつ、は待っていても、いつまでも行けない。

大阪から彦根は、そう遠くない。○○線 新快速(調べてますw)というのがあり、20分ほどで着いてしまう。

青春18切符の旅でほとんど電車に乗りっぱなし、弾丸ツアーの疲れのせいか路線を乗り間違えた私は、まだ見ぬ琵琶湖を一周して彦根にたどり着いた。大阪を出たのが11時、彦根入りは14時だった。

青春18切符を見せるついでに、駅員に声をかける。「埋木舎はどこですか?」「えっ??」駅員は聞いたことも無い、といった様子。彦根に居ても知られていないのか。ちょっとだけ不安になった。

宿泊でないため、キャリーケースを預けられるコインロッカーの場所も尋ねる。「すぐそこだよ」駅構内を出てすぐのところに設置してあり非常に助かった。300円で身軽になれる。

彦根は、都会と言える場所ではない。きらびやかな街をイメージしていたが、私の目には漁村のような寂しい駅として映った。

…徳川家康の時代には重要拠点とされたのに、太平洋戦争時には破戒されなかったんだな。

日本中を旅していると、米軍の攻めた街ほど人口が多く、ものづくりの盛んな街で、近代的な街並みが見られる。彦根にはきっと、歴史が残っているだろう。寂しさの中に安心を感じた。

駅を降りるとすぐ、井伊直政の銅像がある。関ヶ原の名武将、徳川四天王の1人として名を連ねる人物だ。大河ドラマ「井伊直虎」で、菅田将暉の演じた井伊直政は記憶に新しい。

ご覧の通り天気は曇り、だが撮影にも問題なく、秋の気持ちよい陽気だった。とにかく、井伊直弼が青年~壮年期を過ごした 埋木舎(うもれぎのや)を見よう。

城などはだいたい17時で閉館となる。土地勘もなく、時間もない。私は急ぎ、小走りで彦根城へと向かった。

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