【フランス】寒い日のカフェで飲むヴァンショー

とっても寒い日でした。
分厚いコートを来て外を歩いていても、外気に触れている顔と手は真っ赤になってしまう。

その日は、パリの街を散策していました。友人に進められたお店のバゲットサンドをかじりながら、
お目当てだったゴブラン織り美術館を目指して歩く。
寒さをこらえて歩き続け、たどり着くと、
なんと美術館はストライキで閉館!

私が旅をした時期、パリは数十年に一度規模と言われる
大きなストライキのまっただ中でした。
電車も限られた本数しか動かず、文化施設がしまっているところも多くありました。

悲しみながらも、寒さから逃れるために、カフェを探し始めた私。
こんな時でも空間にはどうしてもこだわってしまい、落ち着ける空間を求めて
何件もカフェを見て回った結果、やっと一軒、素敵な場所を見つけました。

中には数人のお客さんだけでとても静かで、私は窓際の席に着きました。
太陽が沈み始めた夕方の日差しはとても強くカフェの窓に差し込んで、
外がどれだけ寒かったかなんて忘れてしまうくらいでした。

バゲットサンドでお腹がいっぱいだった私は、
ショコラ・ショー(ホットチョコレート。フランスのカフェと言えばこれ。)
と悩んだ結果、もう夕方だし、と、ヴァン・ショー(ホットワイン)を頼みました。

出てきたヴァン・ショーは、スパイスの香りが強く、
お砂糖たっぷりでデザートのように甘い。

ゆっくりと飲んで体を温めながら、
本を読んだり、日記を書いたりして少しの間を過ごしました。

短かったパリでの日々を思い出すとき、
なぜか私は必ずこのカフェと、ヴァン・ショーを思い出すのです。

何でもない一日の幸せ記憶として。

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