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Happy Holidays、お祝いそれぞれ

「最近のアメリカでは、キリスト教徒ではない人にも気を使い、メリークリスマスではなくHappy Holidaysと言います気をつけましょう」というツイートを目にしました。

そういえば我が家に来たカードもメリークリスマスって書いてあったの3割ぐらいだったなぁ。自分もアメリカで社会人をやって少なくても10年ぐらい、Happy Holidaysは使ってるなぁ。

でも実際体感として、ポリティカル・コレクトネスのためにHappy Holidaysと言っているというよりは、

「この季節、クリスマス以外にも色々祝うことあるし、クリスマス終わっても新年ぐらいまでたいがい休みモードだし、クリスマスだけピンポイントでおめでとうというより、全部ひっくるめてHappy Holidays言うほうが楽」

というのはあるんじゃないかなあ。少なくとも自分の中では。

大体アメリカでは11月の感謝祭あたりから仕事は頑張らないモードに入ります。長期休暇を取ってオフィスからいなくなる人も多いし、(間違っても11月後半〜12月あたりにアメリカ出張などは入れてはいけない)学校も2週間ほど休みに入ります。来年まで顔をあわせないだろうな、と思う人にはもう12月に入るか入らないかといった頃からHappy Holidaysと声をかけ始めます。

子供たちも、クリスマスだけでなく、ハヌカの歌を覚えて帰ってきたり、我が家もショッピングモールでサンタさんと写真を撮ったかと思えば、地元のシナゴーグでハヌカのゲームを一緒にしたり、メノラ(ハヌカのお祝いに使う燭台)を作ってみたり、必ずしもクリスマスだけ、ではないこの季節なのでした。

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さて、美味しいものが食べられる口実となれば、なんでも祝ってしまう我が家ですが、今年はイブは地元の友人達と、旦那作のポルケッタを食べてみたり、

日本の伝統「ケンタッキーでクリスマス」を初めてやってみたりしました。

そしてクリスマス当日。ここらへんに住む中華系の人達にとって、クリスマスといえば家族で飲茶

クリスマスじゃなくても、誕生日も父の日も母の日も何か祝い事があるととりあえず飲茶

でも何はともあれクリスマスの昼は絶対飲茶

日本の正月同様、周囲のお店は全て閉まり、街がしん・・となっている中でも、唯一中華料理屋だけは開いており、その周囲に、飲茶の順番待ちをするチャイニーズの家族が、どわーーーっと群がっているのは、なかなかシュールな光景です。

広東系の我が家もご多分に漏れず、毎年クリスマスのランチには義両親や義理兄の家族など10人ばかりがわーきゃー集まって、焼売やら餃子やら鳥の足やらゴマ団子を食らうのがお約束です。

「いいな〜羨ましい〜飲茶好き〜♥」なんて言ってるうちはいいですが、クリスマス飲茶は私にとって毎回ほぼ修行。

なにせチャイニーズのほとんどがこの日ばかりはと飲茶の店に集まるので、1時間位順番待ちなんてことはざら。人混みの中、番号を(広東語で)呼ばれるまでただひたすら外で待つ。

大混雑、大喧騒の店内の中、豚まんいらんか、ニラ餃子いらんかと飲茶のカートを押してやってくるおばちゃんをつかまえつつ、必要以上にこれもいらんかあれもいらんかと迫ってくるのはかわしつつ、騒ぐ子供達をなだめすかしつつ、家族の会話は叫びつつ・・

食べ終わって店を出る頃にはなんだかぜいぜい、グッタリしてしまうのでありました。

行く前から考えるだけで疲れてしまうクリスマス飲茶ですが、今年は家族の一部が旅行に出たため、なんと飲茶には行かないことに。やったー!と思ったものの、いざ行かないとなると、なんとなく物足りない気分にもなりました。

これは感謝祭の絵だけれど、アメリカの家族のお祝い風景というと、なんとなくこんなイメージ?これとは全く程遠い、でもこれもまた移民の国アメリカのクリスマス。

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クリスマスに教会に行くわけでもないので手持ち無沙汰な我が家のもう一つの伝統は、映画館に行くこと。昔は良く、やっぱりクリスマスを祝わないインド人で大盛況のインド系映画館でボリウッドを見たりしていました。

最近は子供向けの映画を地元で見る位ですが、ここでクリスマスを祝わない近所のユダヤ人一家とばったり。この後どうするのか聞いたら「映画の後は、やっぱりお気に入りの中華料理屋に行くよわっはっは」と言うのでみんな大笑い。

クリスマスを祝わないユダヤ人は、クリスマスの日でも閉まらず営業している中華料理屋に家族でディナーを食べに行く、というのも、アメリカではステレオタイプというかお約束になっていたりするのでした。

ホリデーの意味もお祝いの仕方も人それぞれ、家族それぞれ、文化それぞれ。我が家はこの後も日本のお正月、そして1月すぎても次は中華の旧正月とお祝いは続きます。というわけで、Happy Holidays!

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