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人が気になるのは、とまっているから

「動けないときってありますよね」

「うん、動けないでいるときって、とにかく周りが気になってしょうがない」

「そう、SNSみて、わたしだけ…できてない…って思ったり、同業の人と比べたり。なんでもはっきり見えすぎるんだよね」

「でも動き出すと、周りの雑音は気にならなくなって楽になる。動いてる、ってことが自信にもなるし」

「そこをコントロールするのが一人で仕事していると結構難しい。穴にずぶずぶ入っていっても、気づけなくて」

「気、逸れてるね、って言ってくれる人が欲しくなりますね」

おしゃれにフォークを置いてくれるお店で、打ち合わせとお昼ご飯を兼ねて。

アウトプットの相手は誰でもいいわけではないですね。

浮かんだばかりのアイデアは、赤ちゃんみたいにデリケートにできているので。「現実的じゃない」とか「あなたにできるの?」とか、厳しい意見はもうちょっと先に、ありがたく頂戴するとして。

まずは生まれたことを喜んでくれる人に、育つことを楽しみにしてくれる人に話したいな、と思います。

そういう空気をもつ人のそばって、かわいいアイデアの赤ちゃんで賑わっているんですよね。

ほっとする灯。我が家での通称は「おれんじぱんやさん」。

もしくは「おれぱん」

仙北町の駅をでて、真っ直ぐ進んだつきあたりの交差点にあります。

実はおれんじのパン、いい思い出より、泣きながら食べた記憶の方が強くて。こどもたちがわたしの泣き顔を思い出すんじゃないか、と思うと、なかなか行けなかったのです。

でも、あるときおれんじのパンを友達からもらってこどもたちと食べたとき。

「ああーなつかしいね、このパン。さむくて、おなかぺこぺこで食べてさ、すごくおいしかったよねー!」ってニコニコと言われました。

記憶っていうのはよくも悪くも自分だけのものなんだな、と、またじわっと泣きそうになったのでした。

あれから4年。ここのチョコレートマフィンはずっと、息子の一番の好物。よその同じような商品に「もしかしたらおれぱんを超えるかも」と、チャレンジしてみては、「おれぱんの方がおいしい……おれぱんのチョコマがいちばんおいしい」と言って翌日買いに行く、というパターンを繰り返しています。

毎年12月24日の夜。サンタクロース用に準備するおやつも、もちろんチョコレートマフィン。サンタも毎年完食です。

盛岡の街の灯を知るwebマガジンLITERSで更新している「A day in coffee town」からの転載です。

決め付けていることや思い込んでいること。思い切って出してみたら、全く違う色になるかも。

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