あまり気負わずに書き出そう。

このツイートがきっかけで、久しぶりにnoteを「書くため」に立ち上げました。平山さん、ありがとうございますー。いつぶりかな。なんだかフォントも、変わっているし、とても書きやすくなっていて驚きました。noteの進化すばらしい。

では早速、＃平日の備忘録。

でんでんむし、ご存知ですか？

私が住んでいる岩手県盛岡市には、「都心循環バスでんでんむし」という中心部をぐるぐるまわってくれるバスがある。（岩手県交通さんのHP）どこで降りても大人100円、子ども50円で約15分おきに運行。車に乗らない、乗れない人にとっては本当にありがたいでんでんむし様。

盛岡駅から乗る人の数はさすがに他の停留所に比べると多く、私が乗車した13時頃も席は埋まり立っている乗客が数名。バスのちょうど真ん中あたり、二名がけの席の窓際に座っていた私は、「お隣よろしいですか？」と60代？かな？という穏やかそうな女性に声をかけられた。

すぐ近く、3つめの「菜園川徳前」で降りる予定だったので、「どちらまで行きますか？わたし川徳前で降りるので、それより後なら窓側にどうぞ」とお話すると、「菜園川徳前」の2つ後のバス停「県庁市役所前」まで行くそう。その女性と席を交換し、でんでんむしは出発。

最初は「雪が降ってきましたね」「滑るから怖いわよね」お天気の話を。なんとなく打ち解けてきたし、川徳前まではまだ時間があるし。「今日は、お買い物ですか？」と聞いてみたら「お化粧品をね、買いに来たのよ。いつもね、お願いしているお店があって」そう言われて30センチほど先にあるおばさまのお顔をしっかりみると、派手ではないけれど、肌が…肌が美しい。

「私はずぼらだから。若いあなたにはまだわからないかもしれないけどね、この年になると自分の苦手なこともさすがにわかるのよ笑　お金をかけずに綺麗でいることもできるけどねえ、朝も昼も夜も手をかけるのは、私は無理なの。だからそのぶんお金をかけようって思って」

「結局ね、時間をかけるか、お金をかけるかなのよ」

「…ですよねえ…」って答えた後、思い当たる節がありすぎて少し黙ってしまった。化粧に限らない、なんだってそうなんだよ、時間をかけることを選ぶのか、お金をかけることを選ぶのか。どっちがいい、とかではなくて。

1/1に運営しているwebマガジンを模様替えした。そんなに高くないけど、私なりに思い切って有料のwordpressのテンプレートを入れたのだ。そしたら、今まで無料のテンプレートで試行錯誤していた機能が当たり前に実装されていることに驚いた。

何時間もかけてググって、試して、わからなくて、また調べて試して。そうして出来上がったページに愛着や達成感はもちろんあった、でも満足はできなかった。今回テンプレートを変えて見栄えが格段によくなった。それもあっ！というまに。
しかもしかも、嬉しいのはサポートがついていること。メールで機能について問い合わせができる。一人で歩いていたwebの森の中で、山小屋の灯りを見つけた気分だった。インストールした初日に早速わからないことがありメールサポートを使ってみたら、非常に人間らしい、日本語の、丁寧な回答があり、目頭じわり。

お化粧の話をしてくれたおばさまの言葉を引き金に、そんなことをわーっと思い出している間に、でんでんむしは私が降りる川徳前に着いた。

「楽しい時間だったわ、またどこかでお会いしましょうね」可愛げたっぷりにひそひそと私の耳元で話すおばさまにお礼を伝え、100円を運賃箱に入れてバスを降りる。

川徳から乗り込む人も多い。開いた乗車のドアに順々に上がっていく人。もう一度顔が見たいなあ、と思って乗車ドアの隙間からおばさまの席をみたら、顔のそばで小さくこちらに手を振っている。えー！もう、めちゃくちゃかわいいんですけど！という気持ちを抑えて、すばらしい、人生の先輩に会釈を返した。