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イノシシ狩り

言霊って本当にあるんだな

熊本県三角にあるサイハテ村に来て、してみたかったこと

狩りと動物の解体が見たい

23年まぁ都会の場所で生きてきて、こんな経験はしたことがない
ただ、実際自分たちが普段食べているものはどのように命を落とし、どのように捌かれ、どの様に処理されるのかが凄く気になっていた

もしかしたらサイハテ村で見ることが出来るかもしれないと、村人に「見てみたいんです!」って初日からずっと話していた

そうしたら、猟師の方の見学をさせてもらえることになった。たまたま檻にイノシシが引っかかったらしい

午前9時半、車で揺られ山道を歩いて現場へ

1匹のイノシシが檻の中にいた

猟犬になりたての2匹の犬は練習とばかりに檻越しにイノシシに噛み付いた。アキレス腱を狙うらしい。アキレス腱が弱点なのは人間と同じなんだな、立ち上がって逃げている

ただ、必死に檻から出ようとガンガンガンガン体当たりする姿は痛々しい

臭う獣独特の香り。どんどん流れる赤黒の血。だけど一向に弱まる気配がない

電気ショックを使う予定だったけど、バッテリーの不具合か動かず、槍で喉元を刺すことになった

2〜3度刺しても、まだ暴れ続けている。凄くしぶとい

最後のひと刺しで、ビクビク震えて立ち上がっていたイノシシは静かに落ちていった

今回のイノシシは検知所に送られるらしい。血と耳を採取していた

そこから身体測定

体長110㎝、体重約50キロ

大きさは中くらい
あれだけ大きいと思っていたのに、これより倍のイノシシもいるらしい

そして柔らかいけど脂が少ないって中を見なくとも分かるらしく、処置場には行かずに連れて帰ることになった。毛は凄く硬かった

連れて帰って、後ろ足を捌く。猟犬のエサにするんだって

刃渡り7センチ程の刃でサクサクーと切られていく。綺麗な赤色の筋肉。薄い脂身。切られた足は投げられ、噛まれ、犬たちの栄養源となった

一部を切って炙ってみたら食べられるとのことで、急遽残りも解体することになった。全部ではないらしいけど

水とブラシで毛を綺麗にして、耳から切っていく

どんどん流れる血と、見えてくる白い脂身と骨と赤い肉。

「所詮この世は弱肉強食」

突然、私が大好きな漫画「シャーマンキング」に書いてあった一言を思い出した

私はたとえドラマでも手術シーンを見ることが苦手。生物の教科書も苦手。それくらい臓器を見ることがダメ

それなのに、イノシシの内臓は、じーっと見ていた。なんならお腹の中に手を入れて、「湯気が出ている、温かい」とまで言った。右手は血の匂いがこびり付いている

つい8時間前まで生きていたのに、7時間前には解体されて、筋肉や内臓は冷凍され、調理され、私の血となり骨となる

最終的には「食べるもの」と思ってしまっているから平気なのかな、でもカエルとかの解剖は静止画でもダメ

弱肉強食
弱い者が強い者のえじきになること。弱者の犠牲の上に強者が栄えること。

私たちにとって生きるために食べるという行為は向こうからすると餌食になっているんだろう

魚も鶏も豚も馬も他にも沢山

頂いた命は私たちの命となる

そのことは忘れてはいけない

たとえ食べ物を残しても、土へ還り、肥料となり、また根を張り、私たちに食をもたらしてくれるって教えてくれた人がいた

だからって残すが絶対条件ではないけど

私たちの身体にあった食べ方を見つける

弱肉強食の世界を生きるからこそかな

良い経験できたなぁ


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