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即鹿无虞。惟入于林中。君子幾。不如舎。往吝。(水雷屯 六三)

鹿に即くに虞なく、ただ林中に入る。君子は幾をみて舎むにしかず。往けば吝なり。

意味としましては、獲物に目が眩み、鹿狩りに行ったが、案内人(協力者)がいませんので、当然、林の中に迷い込んでしまいます。
賢人ならば、先ず案内人をつけるでしょうし、迷ったら諦めてしまう方が良く、深追いすれば益々窮地に追い込まれてしまう、という事から、欲をかいて危険を冒す事は辞めた方が良いですよ、と、云っています。
これ以上深追いすれば必ず行き詰まり、不吉で恥をかくことになります。
このように、何事も行動を起こす前に、物事の機運を冷静に察し、危険を感じたなら深追いしないことが一番です。欲を抑えて退守することが要、まして自分とは畑違いな分野で利益を得ようと思っても、利益より失うものの方が多い、と、云っているのです。利益だけを目当てに迷うと、欲に目が眩んで利益など得られないどころか大損をしてしまい、失うものが大きいものです。

人間はどうしても、目先の利益、欲望に心を動かされてしまいます。
自分の立場というものを冷静に弁えられず、軽率に動いてしまうのは、協力者のいない林の中に迷い込むようなもので、例えば自分の思い違いでしていることを、正しい事と錯覚してしまっていたり、目先の利益や名誉、手柄に走ってしまったりする事と引き換えに、そんなものよりずっとずっと大切なもの(人)をも失ってしまうなど、後悔しても取り返しのつかなくなるものなのです。
気をつけたいものですね・・・。



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