我が為に鐘は鳴る

お久しぶりです。

BUCK-TICKの櫻井敦司が亡くなったらしい。

8月、たまたま入ったシーシャバーで隣りに座った若い女の子がBUCK-TICKのオタクで、「明日は京都で現場なんですう」と言っていた。
シーシャを作っていた女性が気を利かせてBUCK-TICKを店のステレオで流しはじめた。
その店は夜はSMバーをやっていて、店自体が暗くて、そこらじゅうに鞭やら縄やら髑髏の置物があり、ヴィジュアル系の音楽が全然好きではない私は、「なんだか全部同じ曲みたいだ‥」と思いながらワインを飲んでいた。

それから2ヶ月が過ぎた。
私はあれから数えるほどしか外出しなくなった。
仕事を辞め、友達付き合いもやめた。
一瞬だけTinderに登録していろんな男の子と遊んだがセックスはほとんどしなかった。
セックスのことが大嫌いになってしまった。仲良くなった男の子が家に来たときも、ハマっているゲーム(原神)に夢中になっていたら「俺はわざわざ京都から来たのに」と拗ねられ、私は「お前はこのゲームより面白い人間なのか?」と最低な返事をして別の部屋で寝たら、次の日彼は消えていてインスタもブロックされていた。
私はおよそ他人を尊重できない人間になってしまった。

インスタのアカウントを消して芸能人だけフォローしているアカウントだけ作った。
櫻井敦司の訃報を聞いてまず、「8月のあの女の子は今どうしているかな?」と、わざわざ前のアカウントを復活させた。
しかし私は知り合い全員のフォローを切っていたので、彼女の未公開アカウントは見れなくなっていた。
私は他人の不幸しか喜べない。
櫻井敦司が大好きな女の子が、櫻井敦司が亡くなった今、どれだけ病んでいるストーリーを上げているのかを見たいがために、わざわざアカウントを復活させるくらい、私は他人の嘆き悲しみ、怒るところが見たくてたまらない。

お風呂は一ヶ月に2,3回しか入らない。髪の毛は絡まりフケだらけになる。
親が差し入れてくれる三ツ矢サイダーをがぶ飲みして、お腹はでっぷり出て、足は大根のように太い。38kgで「君より細い人を見たことない」と言われた去年と、全てが変わった。

大好きな市川蒼さんの朗読会のチケットも買っていたのに、二公演とも行かなかった。クリスマスのイベントのチケットも買わなかった。
顔が綺麗で好きだった俳優の立石俊樹が結婚していたくショックを受け、夢にまで彼が出てきて、「芸能人を好きになるというのはこんなに虚しいんだ」と改めて思い、もし市川蒼さんが結婚発表したときは、「おまえにいくら使ったと思ってるんだ」(せいぜい10万程度)と何をしでかすかわからないからだ。ただでさえ私は前の会社の社長を脅迫した罪で大阪地検に召喚され、略式起訴されて罰金5万円を払ったところなのに。
ただ、立石俊樹はテニミュの白石役だと思い、「大好きだったのに、立石俊樹の白石‥」と心臓がバクバクしたが、よくよく考えたら立石俊樹は白石ではなく幸村部長役だった。私は立石俊樹の結婚にショックを受けていたが彼がなんの役をしていたのかすら全く覚えていなかったのである。
つまり私は大好きな立石俊樹が結婚してショックだったのではなくて、この世から「美形の独身男性」が一人「美形の既婚男性」に変貌したことがショックだっただけなのである。
私は自分のことが大嫌いで、本気でスイスで安楽死ツアーを申し込もうとするくせに、その実自分はかなり美人だと思っていて、この世のイケメンは全て自分のものだと思っている節さえあるのだ。(半ば本当に)

櫻井敦司の死もそうだ。櫻井敦司に関する私の知識‥若かりし頃、笑っていいともに出演したときの映像がYou Tubeに上がっていて、セフィロスみたいで綺麗。音楽はあんまり好きじゃない。最近椎名林檎とコラボした。以上、なのだが、それでも私は今すごく悲しいし、それは櫻井敦司のファンとは言えないが、この世から美しい男の魂がひとつ消えてしまったことへの惜別の念なのである。

毎日朝6時に起きて、PS5を起動する。原神を15時くらいまで遊んだら、最近はじめたスターレイルを21時くらいまで遊び、くたくたになって睡眠薬を飲んで寝る。
この生活を続けていたら秋が来ていることに気づかなかった、ある日トイレに行くため廊下に出たらパンツ一枚では寒くなっていた、姉が入院したがなんの病気か知らない、母が「生活保護受けて、梨花ちゃん」というが役所に行くのが怖い、人の目が見れない、近くのスーパーに行くのに目深に帽子を被りマスクをしてPayPayで払う、YouTuberの夫婦が喧嘩したニュースを見て「どっちか自殺したら面白いのに」と願う、本がたくさんあるのに読めない、山田花子の『自殺直前日記』を枕元に置く、いつでも死ねるんだ、と思いながらも新作のゲームが待ち遠しい、死にたいのに新しいリップがほしい、例えば私が立石俊樹の妻になったとしても耐えられないだろう、だって私のような、一日中ゲームして、寝るだけ、仕事する気もなく、生きる気力もなく、外に出る勇気もなく引きこもり、ブクブク肥えて、そんな女のまま愛してくれるような男が美しい訳がない。

久々に文章を書いた。すっきりする。
新しい小説を書きたいとずっと思っている。姉妹と母子、そして性の呪いについてのライトノベル。
書き出しはまだ決まらない。
私には書く勇気がない。


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