7月2日、「旅」と「文章」を誰かに届けたいと強く願った日

「どうしてこの人が書く文章にはこんなに引き込まれるんだろう?」

記事が更新されるたびにいつもそう思う人がいる。そのうちの1人、伊佐知美さん。
美しい写真と柔らかい文章に、いつも心を打たれる。
読み終わった後にため息が出て、このまま余韻にひたっていたいと思う。

世界は鮮やかで優しい。きっと、私が思っているよりずっと。読むたびにそう思わせてくれる。

昨日TABIPPOさんで、伊佐さんがnoteの方と一緒に「心をぐっと掴むライティング講座」の講師をされるということで、迷わず参加してきた。

講義を受けたからといって簡単に書けるなんて思っていない。
でも、この人にはどんな世界が見えているんだろう、どんな思いを一文に込めているんだろう。
ほんの少しでいい、心に刺さるってなんだ……?の思いに迫りたいと思ったのだ。

書きたいフレーズを出し惜しみしない

私が書いてきた記事との大きな違い。
これまでに仕事でも必要だったものを中心に、文章の結末に重きをおいていた。
もちろん書き出しが面白いかどうかは大事なんだけど、じっくり読み進めていく媒体だからか書き出しに向けて熱量が増していく。
そういえば「最後、手を抜いてない?」と言われることばかりだったなあ……。

でも、WEB記事だと様子が変わる。冒頭文とタイトルに力を入れる。
「冒頭に命をかける、面白くなかったら先に進んでもらえないから」
リアルな声を初めて知って、考え方が違っていたことに気づいた。

何となく書き始める。だらだら進める。ようやくのってきた頃には最後、そんな展開ばかり。
書きたい文章は最初に持ってくる、意識しよう。

プロのすごさ、うまさよりも「好き」

講座をいくつか受けてみて、言ってる事はどれも近いと思った。
「リズム意識しましょう」「読後感考えましょう」あたりはそうかもしれない。

その深さと正確さをどれだけ追求しているか、どれだけこだわれるか、がプロ。
妥協するのが当たり前になっていて、何だか恥ずかしくなった。

「書きたい文体を3回読んでから書き始める」
これ、絶対やる。別の時に文章を一度黙読して、もう一回音読してみるっていうのを教えてもらって試したことがある。
確かに言葉選びや言い回し、その人独特のリズムがあってとても気持ちいい。

それにしてもライターさんは本当にみんな文章も本も好きなんだな。私ももっと文章にふれよう。

誰かに向けて、書く

伊佐さんが仰っていた。
「私は過去の私に向けて書いていることが多い。まだ旅に出る前の不安だった自分に向けて」

その言葉を聞いて、何だかこれまでの思いが腑に落ちた。ああ、だから私の心にまっすぐ届くのか、と。
私はきっと、過去に宛てて書いた手紙と同じぐらいの場所、いやもっと後ろにいる。
「こんなことが出来たらいいなあ」と夢見ている場所に。
だから、強く、優しく教えてくれるのだと思う。世界の美しさや人生の可能性を。

*

3時間の講座があっという間だった。
頭は疲れ切っていたけど、何だか心地よくて。

ワークで既に書かれたnote記事を添削する時間があった。
語彙力がどっかに飛んでいったけど、みんなすごい。体験していることも、切り口も、そこから学ぶ感性も。
聞いていて心の底からわくわくした。

エッセイは、自分へのインタビューなんじゃないかとふんわりと感じた。
どうして、その文章が浮かんだの?何を思ったの?
観たかった景色を目の前にして、やってみたかったことを終えて、果たして自分は誰かに正しく届けられるんだろうか。

せっかくなら届けたい。

だから、届くまで書こうと決めた。
どんなに下手でも、どんなに拙くても、恥ずかしがらずに残そうと思う。

*

そういえば、1つだけ伊佐さんと共通点を見つけた。
それは「文章が降ってくる」こと。歩いているときにふわっと浮かぶフレーズがある。
歌詞だったか、本の一節だったか、はたまた自分の感情なのか……。
ずっと会いたかった景色を見るとき、どんなフレーズが降ってくるんだろう。
その日を楽しみに歩いていこう。


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