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2、夢を伝って入ってくるもの

夢は、何のために見るのか。なぜ見るのか。これはいまだに、解明されていないことのひとつではなかったかと思う。

世の中に分からないことがまだある、という話を聞くと、ほっとする。分からないことがあるというだけで、自分が取り戻って安心する。

いろんなところの七不思議とか、想像が留まるところを知らないようなでかいわからないは大好きだ。謎は謎のまま解明されなければいいのに、と割と本気で思う。

同時に、解明したさに悶絶する「わからない」は大嫌いでもある。

わからないと、人は解釈をしようと懸命に試みる。

私の3大嫌なことは、寒い、痛い、わからない、だ。わからない、の中でも、わかりそうでわからない、あと少しで回答にたどり着くはずなのに、わからないという時の「わからない」が嫌だ。例えばiPhone片手に延々道に迷っているみたいなのが分からなさのこと。

こうなると、「わからない」は怒りを帯び、発火して、熱を持ち始め、わかろうとする気持ちが生まれる。わかろうは、わかろうとして、脳は勝手にシミュレーションという名の妄想、妄想という名の仮定をはじめる。

その妄想を行なった人の数だけ、世の中には夢の解釈がある。

世にいう、夢占い、夢分析。読めば、あれやこれやと、まことしやかに書かれている。断言的で、それはまあ、見て来たかのように。

もちろん私もこれからそれについて言うので、同じ穴のムジナなのは百も承知だ。

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夢は淡い領域の事柄だ。

夢を見ているのは私である。私というフィルターを通して見ている。

だから、夢を見てその内容に「これはいったい・・・」と思うことがあったならばまず、自分で自分の夢を、言語化するという提案を、ここでそっと差し出したい。

じゃないと、他人の言葉の奥にある、不安や悪意や、とまどいが、夢をつたって入ってきてしまう。

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夢を見た時には、まず、夢を記録する。

明るさ、出て来たもの、色、など。それから、まずは自分で解釈をこころみる。どんな感覚があったか、感情だったか、連想したことは何か。この意味は何だと思うのか。理由を添えて。自分の夢触りを確かめる。それがまず大切なことだ。

電話のベルが鳴る夢を見る人は多い。(ブログ調査比)どうも、みんな夢の中で鳴らされているらしい。

電話のベルなんて、最も何かのサインぽい夢だ。見た途端に、あれは誰からかかってきたんだろう? 内容は何を言いたかったんだろう? と思ってしまうのが人情である。

そうやって夢を気にし始めている時に何が起こっているのか、といえば、目の前にある触れられる現実が上の空になり、夢の世界の方が近くなっている。

自分の意識の境界線が、ぼやけている感覚だ。

そんなぼやけている時に、ネットで夢占いなどを検索してしまうとタチが悪い。

他人の思念が入り込みやすいからだ。

自分で解釈をする前に、知らない人が勝手に出したその解釈を先に読んでしまったら、簡単に他人の暗示、他人の催眠にかかってしまう。


いや実際にね、検索したんですよ。

電話の夢、で検索してみたら、

「(検索者の)これは何のサインだろう?」という不安に「悪いサイン」「こういう場合は何か重大なことが」みたいなセリフが乗っていく。情報提供者の覆いかぶさるような何かが、乗るようにしてふわーっと(ドライアイスの煙が広がる感じで)。

先にここにアクセスしたら大変なことだ、と感じてしまったのです。

電話は悪いサインと決めて書かれていることが半分以上。キャロラインさん風解釈はなかった。(2015/8月当時)読んでみたけど、納得できた、腑に落ちた解釈はひとつもなかった。(もちろんほぼ全部に、んなアホな、とつっこんだ)

いきなりそれは悪い夢です、と解釈している人たちの、その人の根拠っていったいなんだろう。誰も得してない気がする。

これを先に読んだら・・・・、せっかくの、電話の夢が、あなたの夢が台無しになっちゃうなって思った。夢がかわいそうだ。

なんだか、そこを人にゆだねてはいけない気がするのだ。

言葉だけが上滑りしているような解釈ではなく、あの夢の事だけで何十年と考えて解釈を辞めなかったようなユングみたいな人と一緒に考察してみるならば、それはすごくしてみたいことだけれども、でもその場合だって自分の解釈をしてから、だと思う。

※この記事は2015/9のブログ http://mariacasa.hateblo.jp/ に掲載したもので、今回大幅加筆してnoteに連載しているのですが、試しにgoogleで「電話、ベル、夢」で検索したらなんと1位表示されていました。誰かの夢わずらいを軽くできたかも。嬉しさ、かなりじわじわきてます。…思い出しましたが、見知らぬ方から、夢についてのかなり切実なお悩み相談も来ました。それについても書いていきたいと思います。(プチ次回 か 次々回予告)

つづく

続き物です。第1話↓


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