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子供時代の砂の城

子供の頃は、身の回りで見つける何もかもが

遠く見えた。


「あれはわたしのものじゃないんだ」


そう思っていた。

確かに目の前にあるけれど、あれを手に入れるには

おかあさんにお願いしないと手に入らないものだと思った。


ゲームも同じだった。

ゲームセンターでゲームをする。

画面の中にいる「これ」を手に入れたいんだけれど

手に入れてもわたしの手の中にはそれは来ない。



わたしは何も手にすることなく帰るのだった。


わたしはいつの日からか、砂の城を作るようになった。

ここに窓を作って、ここが入り口なの。


ここにはこんな人が住んでいて、見える景色はこーんな景色。



そう、海が見える景色。緑色をした草原が広がる景色も捨て難い・・・

たくさんの大好きな人と楽しく過ごすのもいいなあーーー!!!



砂の城


頑丈とは言えない、砂の城

答えはもうすぐに見えた


雨が降れば崩れ、誰かに蹴られては崩れ


砂の城を作った場所は、まぎれもなくわたしの居場所ではなかったから

何日かすれば、何時間かすれば、砂の城は消え去ってしまった。


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