Paris Antibes Londre2023

1年ぶりの渡仏。Instagramのストーリーズを繋げただけだけれど、YouTubeに記録。

◯去年行きそびれたHotel de la Marineへ。
コンコルド広場にある象徴的な建物オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ(海軍館)が一般公開を再開して1年…通称「パリ中心のヴェルサイユ」は、私を暫し王宮へと誘ってくれました。フランス革命まで王室の家具調度品管理所、それ以降は200年以上にわたって海軍省管轄に。限りなくオリジナルの装飾を残しつつ、デジタル技術を取り入れ、この館が携わった歴史や調度品、フランスの軍港や海軍元帥の物語をより楽しめる演出となっていました。まさに啓蒙の煌びやか雰囲気の中、1770年にはルイ16世とマリー・アントワネットの結婚のための祝宴が催されたり、フランス革命後の1804年にはナポレオンの戴冠式を記念した舞踏会もこの館で開かれたのです。1836年、ルクソールのオベリスクがコンコルド広場に設置されるのを開廊から見守ったのは国王ルイ・フィリップ。1848年、ヴィクトル・シュルシェールは「外交の間」で奴隷制廃止に署名しました。「会見の間」には当時の品々(インク瓶etc)がそのままに置かれていたり、「貴賓室」のテーブルにはセーヴル焼のお皿に残された牡蠣殻やナフキンetc 往時の賑わいを彷彿させる演出、海に纏わる装飾のディテールもなんとも愉快で、お気に入りの場所がまたひとつ増えました。テラスからのパリの眺めも秀逸。革命中に断頭台が設置された場所にはラグビーワールドカップ2023の櫓が。デジュネは併設のカフェで。高級フィッシュ(舌平目)&チップスとババ・オ・ラム。

◯南仏アンティーブへ。
このコロナ渦で友達が二人亡くなり、そのお弔いも。。生憎のお天気だったけれど、地中海に合掌し、ただただ海沿いを歩いた小さな旅…。生きていらしたら…いの一番に「今回はじめて Carte Avantage Senior(シニア割)で来ました〜!」と自慢気に話したはず。。大好きなショコラティエ リリアン・ボンヌフォアでは、次回のサロン・デュ・ショコラのセレクションBoxの試食もさせていただき、シェフにもお目にかかれ、日本での再訪をお約束。しとしとと…雨のアンティーブも佳きかな。。

◯新作を納品しにギャルリー・ヴィヴィエンヌのジュソーム古書店へ。
コロナ明け、ラグビーの世界大会、オリンピック前という相乗効果もあり、パリはどこも大混雑! そんな中、今回も親切に対応してくださったフランソワさんに多謝。佳き出合いがありますように…。デジュネは、フランス人の友達と、恒例のコルベールへ。

◯21 au 22 octobre
Salon Art Shopping Paris
au Carrousel du Louvre
今回の旅のメインは、サロン・アート・ショッピング。「繊細で自然を感じる」etc たくさんのお褒めの言葉をいただき、しなやかにスタート。同じ出展者さんとも仲良くなり、不思議なご縁も!「素材は何?」「どうやってつくっているのか?」等々、たくさんの方々が足を止め、丁寧に作品をみてくださる。敬愛するアニマニエのご夫妻が会いに来て下さったり、お友達を誘って何度もリピートしてくださっているマダム、日本語堪能な日本大好きパリジェンヌ、パリ友さんとの偶然の再会と、ありがたし。サロンの最終日、ゆっくりとブースに向かうとちょうど、エコール・デュ・ルーヴル教授・美術評論家の Eric Monsinjon エリック・モンサンジョン氏が作品をご覧くださり、お褒めの言葉もいただき◎ 中には、跪いてサインを求められるシーンも(初めての経験で周りも騒めくw)。アート・ショッピングなので、せっかくならと、いちアート好きとしてサロンを隅から隅まで鑑賞。「ひとつ買うならどれ?」をやっていたら、面白くて2周してしまった。今回は販売には至らなかったけれど、また違う展示方法でお披露目できたら…と、気持ちは次へ。やはりカルーゼル・デュ・ルーヴルは特別な場所…佳き経験に満足。韓国人アーティスト(ギャラリスト)とはサロン後もやり取りが続いている。

◯狩猟とジャコメッティの日。
4区・・・改修中のノートルダムでは普段は見ることができないガーゴイルをパネルで見ることができて◎
14区・・・予定していたストリートアートは上から更に落書きされていて残念。。確か近くに林芙美子が住んでいたアパルトマンがあるはず…と歩いていたら、ジャコメッティの小さなアトリエ美術館を発見!「あるがままを作品に表す」実存主義のジャコメッティが表現する人体は細長く力強い。企画展は『鼻』鼻を捉えることに執着したら長くなってしまったw 2026年にはアンヴァリッド近くに大規模なジャコメッティ美術館がオープンするようで、今から楽しみ。

◯サントゥーアンの蚤の市へ。
生憎の雨、でも、いつもは回らないところも回れて満足。ラ・フォンテーヌのプレートに食指が動いたけれど、「熊の敷石」がなかったので見送りに。夜はパリのクリエイター仲間が遊びに来てくれて、赤を飲みながらアペロ+蕎麦+カステラ。たくさんの元気をもらった。

◯朝イチのランデヴ、ジュンク堂パリに「つまみ細工」を納品。
私はどうしても本のある風景に惹かれる…。デジュネはパリ友さんと Bourse de Coerce 旧商品取引所へ。全てに感じのよいレストラン、長居し過ぎてピノーコレクションが駆け足になってしまったけれど〜。カトリーヌ・ド・メディシスが占星術のために作った円形王宮の天井ドーム(ナポレオン時代に小麦市場に)、そこに安藤忠雄氏によるコンクリートの円形が加わり、モダンアートとの融合の見せ方はさすがフランス。パート・ド・ヴェールを始めたので Mike Kelley マイク・ケリーのガラスのインスタレーションが面白かった。スーパーマンの故郷クリプトンの街を表現したらしく、スーパーマンのドラマシリーズ好きにて、どこか懐かしい風景と思ったわけだw マイク・ケリーと言えば…ぬいぐるみアートの先駆者(知らなかった)。80〜90年代、米社会における孤立感、自身のトラウマなどを、ぬいぐるみや身の回りのものを使って幅広いメディアでポップに表現!駆け足鑑賞で私達にはちょうどよかったかな。。そのまま夜に流れこみ、チャーミングな友と、サンジェルマン・デ・プレのカクテルバーCrarvanへ。盛り沢山の佳き一日、再会に乾杯。

◯ある日は思いがけず大猟。
久しぶりの Viaduc des Arts 芸術の高架橋はいろんなアトリエ風景をみることができて創作意欲を掻き立てられた。夜は友達が私の大好物を持ってきてくれて至福のひととき。

◯1年ぶりの日帰りロンドン。
オックスフォードサーカスのギャラリー3箇所を梯子して、ゴーリングでアフタヌーンティー。
Jason Boyd Kinsella他 The Art Gallery of Ontario・・・田中達也さんのミニチュアアートを思わせるランプにキュンキュン心揺さぶられる。
Jonathan Anderson『On Foot』Offer Waterman・・・イギリスのファッションブランドで働く友達の希望で。ファッションに疎い私はジョナサン・アンダーソンと聞いてもピンとこなかったのだけれど、自由な展示構成に好印象。でもちょっと驚いたのは、手荷物はエントランスの床に置いたまま鑑賞させられたことw 展示品の盗難予防らしい。
LUCIE RIE & HANS COPER Phillips Auction House・・・20世紀を代表する陶芸家ルーシー・リーとハンス・コパーの世界に溜息ばかり。。でも、どう見ても海老フライにしか見えないシャンデリアに笑いが止まらずw
ゴーリングでのアフタヌーンティー(シャンパーニュ付)は全てに私好み。壁紙にはキャサリン妃の落書きが。ゴーリングは再訪希望。今回も友に感謝。

◯11区〜5区を狩猟。
レ・ピュブリックでカフェして外に出ると馬の蹄の音が! 久しぶりに騎馬警官に遭遇! 環境への配慮、視界の良さ、犯罪の抑止力。ちゃんと信号も守っている。リアルなパリの街角動物!

◯パリ最終日。
自然に目覚め、サンジェルマン・デ・プレから始動。お気に入りのカフェ Saint Pearl でプチデジュネ。ショコラティエ2件と新しいセレクションショップで心ときめく買い物。更にてくてく歩いてクリエーター仲間おすすめの鉱物博物館へ。1783年に創設されたパリ高等鉱山学校付属の鉱物博物館!博物館の入口がわからず、教室に迷い込む。※高等鉱山学校付属は、ルイ16世時代の1793年創立。当日、鉱業は、花形産業だった。18世紀から収集されたコレクションは9万点!世界中の宝石、岩石、鉱物、フランス王室が所有していたアメシストやエメラルドの一部も。私は、クオーツ(水晶)と硫黄に魅せらせ、館内を何周も回らされてしまった。石言葉は「すべてのものを浄化し、生命力を活性化させ、潜在能力を引き出し、直感力、創造力をはぐくむ」石のパワーを燦々と浴びたところで、右岸をまわり、アパルトマンでフランス4「赤と黒」を見ながら最後の晩餐。

◯帰国日、いつかは行かねば…と思っていた、歴代のフランス王が眠る墓所 Basilique Cathédrale Saint-Denis サン・ドニ大聖堂へ。
宿泊していたアパルトマンからも近く行きやすかったけれど、サンドニ界隈は治安が悪いことで知られていて、ポリスがたくさん配備されていて、滞在中一番緊張。42人の王、32人の王妃、63人の王太子、王女、10人の重要人物が眠っている聖堂は、ちょうど Toussaint トゥッサン(諸聖人の日 日本でいうところのお盆)のミサ中。墓所に入れるのは12時からということで、先に、ポワソニエール通りに今日からオープンしたセバスチャン・ゴダールの新店舗へ。滞在中、最初で最後のクロワッサン、欲していたようでw 秒でなくなる。思いがけずシェフにもお目にかかれ、最高のスーヴニール。そうこうしている内に時間が押せ押せになり、王家の墓所が駆け足に。それでも、薔薇窓のステンドグラスから差すやわらかい光の中、ルイ16世とマリー・アントワネットが祈をささげる像、墓標に掘られた象徴動物(獅子 犬etc)に胸がいっぱいになる…。ブルボン王家の地下納骨所、ルイ16世とマリー・アントワネットのお墓は、暗かったし、時間がなくなり、ゆっくり合掌できなかった。また次回…ということで。

Au revoir

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?