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映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」を観る

人間とほかの生物との明らかな大きな違いの一つは生きるために本を読むことかもしれない。

子供の頃は絵本、学生時代は少なくとも教科書、そして小説、漫画、レシピ本、自己啓発、雑誌、写真集、と人の世界は広がっていく・・・
物としての本(電子本digital books に対しphysical booksと言うらしい)は自分の中に蓄積し、成熟し血肉となっていく度合いがネットの情報より高い印象がある。

そんな人の知そして生の源となる「本」そしてニューヨークにある公共図書館が人にどのようなことをもたらしめているのかを世界中に知らせる映画。生きてるうちに見てよかった、NY行く前に見たかった、いや行ってからでもよかった次行くモチベーションになる。

岩波新書の菅谷明子さん著「未来をつくる図書館」はニューヨーク公共図書館(以下NYPL)を911の約2年後の2003年ぐらいに取材してまとめた書籍。
デジタル化の記述については映画撮影時の2015年とは大きく隔たりがあるが、基本的にNYPLが行なっていることは変わらない。

私はこの本で予習してから観たことで理解が深まったと感じていますが、映画として楽しみたい方は後で復習用に。

見所は「自分たちが知っている図書館よりも役割が幅広い(そして幅広さに驚く)」こと。
人によってはNYPLが生命線である。立場が弱く貧しい人たちにとっては。

本の役割である「知」と「生」を本を貸し出す以外のリアルを提供している。リアルの「知」と「生」を。

NYPLがこのような図書館になったのはアメリカが移民の国であることが一番の要因であろう。
実際NYPLができたのはアメリカへの移民が過度期を超えた頃だという。

資産を築いた人たちがより良い都市と国の成熟を願って寄贈寄付を行なったことがきっかけで作られた図書館であるだけに、様々な深い問題を抱えながらも互助の精神が根底にあるアメリカだからこそ存在する図書館とも言える。

岩波ホールに飾られていたポスター。
1950-60年代ぐらいかな。
図書館を守るライオンの像のロゴはむかしから変わらない。

フレデリックワイズマン監督の紹介のパネル。
ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ
をまず見よう。 Google play でレンタルできるらしい。

神保町岩波ホールでの上映は7/5金まで。

古い素敵な岩波神保町ビル。1967年竣工。

定員200人余の岩波ホールは連日満員。
上映時間は3時間26分。
なんと途中で5分の休憩が入る。

大阪などで見られると聞いていたが、反響を受け、上映館がこれから増えるとの知らせが。
以下は東京近郊。

*7月
12(金)アップリンク吉祥寺/シネプレックス幸手
13(土)アップリンク渋谷/キネマ旬報シアター
20(土)YEBISU GARDEN CINEMA
*8月
10(土)横浜シネマ・ジャック&ベティ/川崎市アートセンター
*9月
14(土)川越スカラ座
21(土)シネマテークたかさき
28(土)宇都宮ヒカリ座
*近日
あまや座

オフィシャルサイトを見たところ中部、北海道、東北、九州、沖縄でも順次上映されるらしい。

もう一度観ようか、DVDを待とうか。
そして次のニューヨーク旅の計画が始まった。


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