コンサート

いつもの場所で
あじわうピアノの音。
いつにも増して
多彩で複雑な響きがあふれて
空間を満たしては消えていった。

あらゆる感情が煌めく
小宇宙のよう
遙か彼方へ
幻想的な世界へ
一瞬でタマシイ運ぶ

すごいなぁ
うれしいなぁ
かなしいな
せつないな

あの頃の絶望や希望を
思い出した
蘇ってはまた消えていく感情
ココロの深部に
溜まってた澱が
ふわりと舞い上がり
音楽とともに彼方へ消えてく

ポカンとした空虚なすがすがしさ
のなかにとりのこされて
ホッとため息

わたしはまだここにいて
息をしている

あとどのくらい
聴き続けられるだろう?
聴くことは
生きることとつながる

せつなさと
夢と憧れを
抱えてまた
わたしたちは手を振り
それぞれの孤独の中へ
帰っていく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?