【心から踊れる日を夢見て-2】

クリニックでのリハビリでは、いくつかの体操を教えてもらいました。実際こんなにヨガを頑張ってきたのに、こんなに弱いところがあるのかと目が飛び出るほどびっくりしましたが、体はやれば応えてくれます。気がつくと、苦手だったポーズができるようになっていたりするから、今まで何やってたんだ、私?と思いつつ、その変化が面白くもありました。
保険のきくリハビリは1枠が20分。体操はあくまで自分で家でやるもので、リハビリの時はほとんどが施術(筋肉や筋膜のマッサージ)でしたが、もちろん私はただ者ではないので(笑)ここぞとばかりに理学療法士さんに質問しまくってました。
さらに、自分で体操する時もどこがどう機能していないのかを探ったり、もっと効果的にアプローチできるようにヨガのテクニックを取り入れたりしつつ、ことあるごとに理学療法士さんにオプションの体操を教えてもらったりしていました(ちょっとめんどくさい患者と思われていたかもしれない)。

ただ・・・
ある時点からすごく不思議なことが起き始めたのです。
施術を受けて帰る頃、なぜか痛みが増す。
股関節に詰まり感があるところを伸ばすともっと痛みが増す。
ここをボールでほぐすといい、と言われたところをほぐすともっと痛みが増す。
股関節の痛みが軽減したと思ったら膝や腰が痛くなる。

なぜだ?

その都度、しつこい私はもちろん理学療法士さんに訴え続けるわけです。本当に嫌な患者だ。でも、残念ながら納得のいく解答が得られず、これは自分で解決するしかないのか・・・と思うこともしばしば。
もちろん、悪化するばかりではないです。休むことで改善されたり、別のところを動かしたり伸ばしたりすることで改善されたり・・・そしてこういう時はこうするといいのかな?と思うのだけど、そうでもなかったりで体の法則が読めない。もう試行錯誤の連続です。

さて、こんな話をすると多くの人から
「あんなに踊れてるのに、ヨガでもあれだけ動けているのに、とてもそんなふうに見えない」
と言われるのですが、これはね「プロだから」としか答えられない。
いや、良くも悪くも現場に行けば「やれちゃう」のですよ。もちろん内容は吟味します。ヨガであれば、その時の体の状況を考えて、自分の股関節に負担なく皆さんに効果的なシークエンスを考えるし、アフリカンダンスも自分が安心して踊れるリズムとステップを選ぶ、とか。
ただ、当然ながらしわ寄せも来ます。思わぬ落とし穴もあります。アフリカンダンスは裸足で踊りますから、床の硬さがモロに響く。テンションが高くなって気持ちがハイになれば体の負担も倍増する。特に私の場合、「変形性股関節症」に至った原因は持って生まれた骨格で、寛骨臼に対して大腿骨頭のハマりが浅い(ソケットが浅くて電球が中までしっかり収まってない状態)。若い頃は筋力でカバーできてたけど、年齢と共に筋力は衰える。だから股関節への負担が大きくなるのだけど、そのくせ柔軟性がある、つまり危険な領域まで行けてしまうので股関節に負担をかけすぎてしまい、クラスの後1週間くらいは歩くのもしんどいくらいの痛みに悩まされることも起きました。もちろん、クラス後のストレッチ、帰宅後のメンテナンスをしっかりやっても、です。
その頃から、アフグルのドラマー達にだけは自分の状況を伝え、いつが最後のクラスになるか分からない。でも、毎回、最後になってもいいように真剣勝負で行くから、と伝えていました。正直しんどかった。こんなことを伝えなくてはならないことが。そして毎回、少しはマシかな?と思っても安定しないので、昨年9月のクラスの後、ダンスクラスはしばらく様子を見ることにしました。

そんなこんなでリハビリと試行錯誤を繰り返しているうちに、病院で決められているリハビリ期間が終了します。病院では、怪我のリハビリ期間は診察を受けた日から150日と決まっていて、多くの病院はその時点で患者さんを卒業させます。私が通っていたクリニックはその後もリハビリが受けられるシステムでしたが、予約が取れる枠が限られらようになりました。でもそれよりも気になったのが、保険の縛りなのか担当理学療法士さんの方針なのか分からないけど、施術ばかりで動きの中での私の体をあまり見てもらえないこと。私が一番知りたいことは、「自分の体の癖」「どういう使い方ができてないか」「どういう時にそれが起きやすいか」「どこを機能させれば改善するか」だったのだけどなかなかそこまで行き着けないので、とりあえずクリニックを一旦離れることにしました。
そして更なる試行錯誤を始めた頃、思わぬ出会いがありました。

(つづく)

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