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失敗は次の挑戦の糧。熱意をもって素直に学び、信頼関係を築く【新規事業・代表 / 2008年中途入社】

私たちマリモグループは、2030年に向けて、ソーシャルとビジネスが共存する「ソーシャルビジネスカンパニー」への進化を探索しています。

今回インタビューしたのは、マリモグループで非不動産事業を行う会社の一つ「マリモライフ」の代表取締役を務める吉尾 龍介よしお りゅうすけさん。

マリモライフは、マリモの環境衛生事業部としてスタートし、2021年9月にグループ会社として分社化されました。「豊かな暮らしを、地球と共に。」というスローガンを掲げ、人々の健康で豊かな暮らしを追求しつつ、地球環境と持続可能な共存関係の構築を目指しています。

「省エネESCO事業」「環境衛生事業」「CO2削減事業」の3本柱で事業を展開する同社。吉尾さんのチャレンジングな姿勢で、事業を拡大してきました。マリモライフが生まれた背景は?一事業部から一つの会社へと成長させてきた吉尾さんが仕事で大切にしていることは?お話を伺いました。

【プロフィール】
吉尾 龍介(よしお りゅうすけ)
株式会社マリモライフ 代表取締役
入社:2008年(中途入社)
一言:ロードバイクで通勤しています!
▼マリモライフ
https://marimolife.co.jp/
設立:2021年9月1日


未経験から新規事業へ果敢に挑戦

分譲マンション事業の専業から多角化経営へ

─── まず、吉尾さんの経歴を含めて自己紹介をお願いします。

吉尾:私は、2008年にマリモに入社し、現在は、2021年9月に設立されたマリモライフの代表取締役を務めています。

前職では、マリモと同様に分譲マンション事業を行っている会社に勤務していました。マリモも分譲マンション事業中心の会社でしたが、当時のリーマンショックの影響などを受け、多角化経営を模索しはじめていたんですよね。

そのときのジョブローテーションで社長室の新規事業部に配属され、責任者をさせていただくことになったのが、マリモライフの代表を務めることになったきっかけです。

─── リーマンショックの影響を受け、会社として新規事業に取り組んでいくようになったんですね。

吉尾:それまでは分譲マンション事業で順調に成長していたので、新規事業を立ち上げる必要がなかったんだと思います。リーマンショック後は、分譲マンション事業でも、人口が減少する日本だけではなく、中国やマレーシアなど海外へ進出しはじめました。

─── そこからは順調だったのでしょうか?

吉尾:いいえ、実は、最初にやりはじめた事業は今とは全くの別物なんです。新規事業としてまずスタートさせたのは、相続税の対策として戸建賃貸経営を促進する事業でした。セミナーなどを開催しましたが、うまくいかず、2年ほどで撤退することになってしまって。

私自身、今後何をしていけばいいのだろうと悩んでいた頃、「新たにオゾン事業をやらないか」と代表から提案をいただきました。

一事業部からはじまった事業会社「マリモライフ」

─── オゾン事業という一事業が、マリモライフの原点なんですね。

吉尾:そうですね。「準備室」としてメンバー2人で事業をスタートさせました。オゾン事業だけではなく、環境問題としてエネルギー問題に着目し、新たに「省エネESCO事業(※)」を始めたいと代表にプレゼンし、了承を得て事業化を図りました。

この事業が重要である理由は2点あります。1点目は不動産領域以外の初めてのビジネスであること、2点目は環境問題の解決を起点にしていることです。

それまでも、太陽光発電や分譲マンションへの太陽熱給湯システムの導入など、エネルギー問題にはアンテナを張って取り組んでいました。そのなかで、経済の発展を減少させず、環境問題に取り組みたいとの思いから、環境問題をビジネスにする部署を立ち上げました。

2016年1月、マリモに環境衛生事業部を設立。その後、2021年には事業会社として設立され、現在代表を務めています。

※ESCO事業は、Energy Service Company事業の略。省エネルギー改修にかかる全ての経費を光熱水費の削減分で賄う事業です。

─── それでは、マリモライフの現在の事業内容を教えてください。

吉尾マリモライフは、「省エネESCO事業」「環境衛生事業」「CO2削減事業」の3つの分野に取り組んでいます。主力は省エネESCO事業。「エネワカ」という、マリモライフが開発・提供する空調制御装置を供給したり、蛍光灯からLED照明に変更したり、空調設備を入れ替えたりして光熱水費などを削減し、その削減実績から対価(エスコフィー)をいただいています。

環境衛生事業では、主にオゾンの力を使って、環境問題の解決や人々の健康を守る取り組みをしてきました。新たに、国内外のゴミ問題の解決・提案も始めています。東南アジアでは、ゴミをそのまま埋め立てて処理する国が多く、そこから発生するメタンガスや臭い、衛生面が問題になっているんです。そこで、日本の優れた環境商材の技術を活用しようと思い、海外進出にも挑戦しています。

CO2削減事業では、JCM(二国間クレジット制度)(※)を活用して、JCMを構築しているパートナー国へ脱炭素技術の導入を進めています。

※二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism: JCM)は、途上国と協力して温室効果ガスの削減に取り組み、削減の成果を両国で分け合う制度。プロジェクトの推進のため、関係省庁・機関による設備補助があります。

*ウッドチップ製造工場。
製造過程で発生する破材を利用し、再生可能エネルギーの一つであるバイオガス発電を導入することでCO2を排出せずに、製造工場内の必要な電気を賄う提案をしています。

仕事で大事なことは「素直に学ぶ」姿勢

失敗は次の挑戦への糧

─── 吉尾さんは、知識も経験もなかったところから、新たな挑戦を始められました。新規事業に挑戦したいという思いをもともとおもちだったのでしょうか?

吉尾:最初は全くありませんでした。住宅への憧れから住宅産業に携わりたいと思い、プライドをもって仕事をしてきました。

ただ、新規事業部に配属され、挑戦できる場所に身をおいたとき、まずは精一杯やってみようと。先ほどもお話しましたが、新規事業部で最初に始めた事業はうまくいかず、大きな損失を出してしまったんです。それでもまた、チャンスをいただきました。

失敗をしてしまったにも関わらず、社長は私たちに責任を取らせなかったのです。挑戦してきた過程を評価していただけたんですよね。

─── 失敗は悪いもの、責めるべきものではなく、次の挑戦に活かす糧ということですね。

吉尾:そうですね。そういった風土がマリモグループにはあると思います。

もちろん、既存事業とは異なり、何もないところから新しいことを始めるには、精神的にも身体的にも大変なことが多く、「マンション事業に戻りたいか」と声をかけてもらったこともよくありました。新しい取り組みには常にプレッシャーと不安がつきまといます。

しかし、そういった逆境を勇気と希望と誇りをもって乗り越え、自分自身が成長することができたという実感があります。今ではチャレンジしてみたいという好奇心しかありません。

良き出会いに恵まれて。チャンスに乗る

─── どうして事業を軌道に乗せることができたと考えていますか?何かきっかけはありましたか?

吉尾:良きパートナーとの出会いに恵まれたからだと思っています。

省エネESCO事業をはじめた頃、補助金を活用し蛍光灯からLED照明へ転換する流れが出はじめたときで、同じスキームで事業を展開している企業もあったんです。いろいろと紹介していただいて、信頼できるパートナー企業の方と組めたことで、事業化を進め、事業会社の設立まで成長させることができました。

─── いい出会いがあったんですね。

吉尾:そうですね。今のマリモグループでは、M&Aや業務提携などの形で、社外の専門家の方と協力して事業を進める動きもあります。ですが当時は、そういった考え方はありませんでした。社内から新しい事業を生み出していこうという思いが強かったんです。

そんななか責任者になった私は、環境衛生に関して全くの素人。右も左もわからない状態でした。とにかく会社の外に出て、人に会いにいくことが必要だと思っていました。

そのときに大切にしていたことが、素直に学ぶことです。自分がわからないなら、本当にわかる人に熱意をもって質問をしにいく。これだけを心がけてきました。

熱意をもち、素直に学ぶことで、人とつながる

─── 素直に学ぶことで、いいご縁が舞い込んできたんですね。

吉尾:そうです。「素直に学ぶ」「利他と感謝」という言葉は、フィロソフィ「MARIMO WAY」のなかにもある言葉で、とても大切にしています。

仕事に慣れてきてわかったふりをしたり、ないがしろにしたりしはじめると、成長は止まってしまいます。「わからないことのクリア」を続けていくことが大事なんです。

私自身、質問しにいくことも、されることもあります。誰かから真剣な相談をされたときには、できる限り時間を使って、真剣に答えるようにしていますね。そうすることで、相手との信頼関係が生まれるからです。

─── 相手と真剣に向き合えば、それが自分にも返ってくる、ということですね。

吉尾新規事業は、社内で誰も知らないことをやるということです。社外の人に「素直に学ぶ」しかありません。今、新たな事業機会を探っており、そういったときにも心がけていることです。

私は昨年、6回ベトナムへ行きました。「CO2削減事業」の一環でプロジェクト化を進めています。ウッドチップ製造工場へのバイオガス発電設備の導入(*上述の写真)や、ゴミ処理問題の解決に向けた、燃焼ではない有機物磁気熱処理や亜臨界処理といった日本の優れた環境商材を、JCMでの設備補助金を使っての導入を提案しています。

幸いにもベトナムには、信頼できる現地の民間パートナー企業を見つけることができ、プロジェクト化に向けてアプローチを繰り返しています。

社外の方と組んで、一緒に協力して事業を拡大していくとき、やはり「素直に学ぶ」姿勢と「利他と感謝」を心がけています。

*べトナムに出張したときの様子です。

誰にでもフラットに接する

─── では、マネジメントで意識していることを教えてください。

吉尾:仕事を管理するだけではなく、具体的な目標を達成し、成果を上げるにはどうすればよいかを考えながら組織づくりをしています。

─── コミュニケーションの取り方で気をつけていることはありますか?

吉尾:役職や年齢に関わらず、仕事上ではフラットな関係でいることを意識しています。いろいろな角度からの考え方や意見が出てくる職場環境をつくりたいからです。

私は今まで、マリモグループというフィールドで自由に挑戦させてもらってきました。今度はメンバーも、やりたいと思ったら、どんどん挑戦してもらいたい。だからこそ、「まずはやってみよう」。そして何か間違えそうになったポイントで声をかけます。そしてそのときも、上からではなく、当事者目線で、正直に伝えるようにしていますね。

また、挑戦した結果トラブルが発生すれば、私が責任を取って一緒に解決していきます。

マリモライフの代表として

「マリモ商店」の精神でマリモライフを前進させていく

─── 今後、マリモライフをどのような会社にしていきたいと考えていますか?

吉尾:「マリモライフ=環境衛生の会社」ということを、日本はもちろん、ベトナムを初め海外にも広めていきたいです。

環境問題に関係していることであれば、好奇心をもって挑戦していきたいと考えています。以前、マリモのことを「マリモ商店」という社員がよくいました。会社として、勝機があるものであれば果敢にチャレンジさせてくれる文化があるんですよね。

省エネESCO事業は電気料金の削減サービスからはじまりました。環境衛生事業は、オゾン活用提案から、今ではゴミ処理問題にも取り組んでおり、そして今後はCO2削減からCO2クレジット化にもつなげていく、といった話になってきています。マリモライフは、どんどん事業を拡大していきます。

日本における環境産業のビジネスは、現在、輸出のみでも17兆円を超える市場規模があり、今後も成長を続ける市場だと言われています。この数字は不動産事業よりも大きいんです。私たちマリモライフは、この大きな市場に参入できる会社になってきているので、これからも挑戦を続けていきたいです。

何にでもチャレンジできる土壌がある

─── では最後に、マリモグループの魅力を教えてください!

吉尾:朝礼時に唱和する、私たちのフィロソフィ「MARIMO WAY」には「フロンティアスピリット」という言葉があります。マリモグループには、一から自分で事業をつくる楽しみを経験できる土壌があります。チャンスしかありません。私のように社長になれる可能性だってあります。こんな魅力的な会社はないでしょう。 

継続は力なりです。決めた事を強い意志をもって必ず最後までやり続ける。継続すれば、絶対にチャンスは掴めます。チャレンジして失敗しても諦めなければ、必ず道は拓けますし、自分の成長につながると実感しています。


編集後記
多くの社員が吉尾さんのことを「マリモっぽい」と言うそうです。一会社の代表でありながら、メンバーと同じ目線でフラットに話す。初心を忘れず、素直に学び続ける。インタビューではそういった謙虚さを感じ、今後の社会人人生においてずっと大事にしたい心構えだと感じました。

*吉尾さんの愛車(ロードバイク)です🚴


▼採用情報はこちら
https://marimo-ai.co.jp/recruit/

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