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【旅】ミレーと4人の現代作家たち


山梨県立美術館会館45周年記念の企画展。

ミレーの行動や着眼点を4つ切り出し、
それぞれのテーマに共通する
現代作家の作品と並べる事で、
新しい何かを生み出す試み。

4つのテーマと作家は以下の通り。

第1章 移動、創造 /山縣良和
山縣良和氏はデザイナー。服を生み出すかたわら、ファッション表現の実験と学びの場づくり、後進の指導などに当たっている。

パンデミック下のパリからミレーが郊外に居を移したように、山縣氏もコロナ禍の東京から地方に移住。そこで見た伝統や暮らしの中にたくさんの刺激を受けた。その両者の作品を展示している。

第2章 大地/浅井裕介
浅井氏は各地で採取した土で絵を描く「泥絵」シリーズが有名な作家。動植物をモチーフに生命力溢れる作品を生み出している。

ミレーはバルビゾン村に移住してから、逞しく大地を耕す農夫をモチーフにした作品をたくさん描いた。また、大地が絵の半分以上を占めるなど、特別な想いを表している。
ミレーの大地に注ぐ眼差しは、浅井氏の作品を生み出す過程(その地の土と水を採取する過程で出会う様々な人たちとの交流)に重なる。

浅井氏が今回、山梨県の各地から採取した土を使って描いた作品は、ほんとうに生命力に溢れていて、見飽きなかった。
本企画展での、ダントツ一押し。

第3章 再生、循環/丸山純子

丸山氏は身の回りのものを素材に風景を作り直す作家。
ミレーは、農村の暮らしにフォーカスした作品を数多く描いてる。丸山氏は、そんな農村から出た廃材を生かして、新たな作品を生み出し展示している。

第4章 人,家畜、生活/志村信裕

志村氏は映像作家。ミレーの絵に登場する羊にフォーカスし、現在のフランスでの羊飼いの生活と、成田空港ができる前に緬羊業を営んでいた家族を対比させ、消えていく生活のノスタルジーを表している。

山梨県立美術館といえば、ミレー。
45周年を記念して、単にミレーの作品を見せるのではなく、ミレーの特徴を切り取り、それに現代作家の作品を当てている。
なぜこの4人なのかが、浅学菲才の私にはわからなかったが、面白い試みだと思う。
ま、でもやっぱり浅井さんの作品がダントツに気に入ったし、わかりやすかった。観光客にはちょうどいいです。
浅井さんの作品、どこで買えるかな?(いや、高いだろうけど。欲しいと思えるものは、私にとっての良い作品なので)

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