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広告漫画家も自分の好きなものを描いてみよう

私がおじさんキャラ好きを加速させて4年ほど経ちました。
(知らない方へ注:私はおじさんキャラが好きです。)
その間に起きた変化を書いてみます。



おじさんキャラを描く以前

それ以前にすでに10年ほど広告漫画の仕事をしていましたが、そのときはここまでおじさんヘキはひどくありませんでした。私は基本的には少女漫画が素地にあり、女の子を描くのが好きでやってきました。

女子も結構かわいかろ?

ただ、好みの男性キャラクターとなると、年上、インテリ、眼鏡、落ち着いてる、そういうキャラが好きというのがあり、自分の年齢の上昇かつ広告でおじさんキャラをたくさん描いてきたことが合わさって、いつの間にかおじさんキャラを好ましいと思っていました。広告でおじさんを描く機会が多いのなら、無駄にいい感じのおじさんを描きたいぜ!と意識が変化していきました。


自分のためのおじさんキャラを作った

以上のような意識の変化が徐々にあってから、自分のためのおじさんキャラを描き始めたのが2020年2月末のこと。
↓ これが自キャラのジローさんを初めて描いたときのもの。

2020年2月29日爆誕

キャラクターという見える形で性癖が認識されると、おじさん好きが加速し、この頃、アドレナリンが出まくってすごい速さでジローさんのイラストを量産していました。(今はできねぇ…)


イラストを量産する中で見えたもの

ジローさんはお菓子好きでスタイルもよくカッコいいおじさんという設定だったので(いわゆるイケオジですな…)、描いているうちに自分の絵に足りないものがどんどん見えてくるようになりました。
・彼の食べるお菓子が美味しそうではない
・体格や顔の造形がヨーロッパ人男性のようになっていない
・スーツ姿がかっこよくない
などなど…。

「ジローさんをかっこよく描きたい!」
その一心でイラスト(やたまに漫画)を描いていましたら、旧Twitterでおじさんキャラ好きな界隈があると知り、そういう創作イラストや漫画を描いている方々と交流するようになりました。

この頃は練習しなければ、というより自キャラかわいさに楽しみながら絵の改善・修正を行っていたという感じです。
一次創作は自分が描かないと供給がない、というのが悲しくもあり良いところでもあると思います。私の絵の上達のためには良い方向に作用しました。


そして変化が起きはじめた

こうして狂ったように自キャラおじさんを描いていると、旧Twitterで私をフォローしてくれている編集さんや潜在クライアントさんたちから、「サノはおじさんキャラが好きらしい」と認識されはじめました。

そうすると、来ます。おじさん案件が。
イケオジから普通のおじさんまで、おじさんを描く案件の依頼が来ました。
もしくは、このキャラクターをおじさんにしてもいいかと尋ねると、許されることが増えました。

また副産物(?)として、ジローさんと一緒にお菓子も描き続けたため、食べ物を描く案件の依頼が増えました。
私は特に自分の描く食べ物が上手だとは思っていなかったので、これは本当に予想外でした。


つまり経験上

「自分が好きなものを積極的に発信するべきである」
これです。
しかも絵描きなら絵で発信したほうが目に留まりやすい。
「こういう仕事がしたい」と発言するのもいつかは効果があるやもしれません。でもやりたい絵の仕事があるなら、絵で「こういうの好きです」「こういうの描きたいです」と見せたほうがいいと思います。

広告漫画を描いていると、お金にならない絵を描きたくない気持ちが湧いてきます。わかります、私もかつてそうでした。
でも私は自分の心を満足させるためだけに好きなものを描いていたら、仕事もそっち方向に寄っていきました。結局それがお金になっています。

広告漫画を描いている人は話が作れない、話を作ってまで言いたいことがないという方が多いと思いますが、絵なら「これ描くの好き」というものがきっとありますよね?
ギャラ出ないしな…と思わず、それを描いてみて、一定期間継続してみるのがいいのではないかと思います。周りが「この人、これよく描いてるな〜」と認識するまで。


まとめ

つまり、自分の好きな絵を描くと、
✅ 画力が上がる
✅ それに付随した小物の画力も上がる
✅ それに関連した仕事が来る、たぶん言葉で言うだけより早く


…というある種の引き寄せの法則の体験談みたいなものでした。

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