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美のあるべき姿(持論)

「現代アートの99.9%は最初にリリースされたときの評価がピークで、その後、価値は下がる」。こう言う、タグチアートコレクションの共同代表である田口美和さんは価値が下がらない0.1%を見極める為には「昔から価値が認められている名品を観ること」だと言っていました。
残る古作には意味がある。よいものは残る。そこには力がる。そこを理解する必要性を語っていました。後世に残る現代アートは突然変異的に創造されるものではなく、過去から現代までの系譜がそこには求められるといえます。
私は現代アートの「問う」という姿勢に疑問を持つタイプなのです。「何様?」と思ってしまいます。そこに「感動」がないと「欲しい」とか「綺麗」とか「怖い」とか「好き」とか感情を揺さぶるものがアートだと思い、問われるものではない。そういう傲慢なものは好きではない。

『人間の建設』小林秀雄・岡潔 著 (新潮文庫)にはピカソの主張した美意識を避難して、「人間の無明を描いたもの」と酷評しています。個性というとのを日本酒に例え、生産地の風土の大切さが書かれています。
そう考えると桃山陶の多くは所謂、民芸に当たるものの見立てが重宝され、江戸期以前の作品は作家の個性より土地の美意識が大切にされた。そういう意味でも古陶は美しい。

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