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このワインを表現してと言われて

たまにこのワインを表現してと言われます。

この「表現して」というのはソムリエが使うワインのテイスティングコメントではなく、詩的な表現を言っていることが多いようです。

広大な砂漠の中に~、草原の~、大海原の~、憂いを持った少女が~、子供のころの運動会~、1輪の花、田舎、自転車二人乗りw、追いかけてる人は知っているはずなのに誰かわからない振り返る寸前に現実に戻されるww、

書いてみて自分の語彙力のなさにかなりびっくりしてますが、こういった表現を期待されることがあります。はじめは冗談かと思ったりしますが、案外お客様は本気だったりして困ったこともあります。

だって、そんなのわからないじゃないですか。

漫画の「神の雫」が人気だった(今もですが)ころは、漫画に出てくる表現を本気で期待されたりして若かりし私はかなり追い込まれた記憶があります。なつかしいです。この漫画に出てくる壮大な表現は理解できたことありません(漫画はおもしろいです、かなり勉強にもなりました)。

たまにこういう表現も得意ですごいソムリエもいますが、残念ながら私には才能がないようです。

以上、思い出でした。

で、ワインのテイスティングですが、なぜソムリエがコメントするのかは「そのワインがどういうワインか」の共有が理由の1つだと思います。

(すみません、私が偉そうに言う立場ではないので先に謝っておきます。)

基本的にソムリエがワインのコメントをした場合、聞いているソムリエはそのワインを飲んでいなくともある程度どんなワインかわかります。もちろん完璧にはわかりませんが、甘い辛いといった単純なものではなく、どのような場所で栽培されたか、寒い暑い、品種、栽培方法など、ソムリエの能力というか知識があるほど理解できると思います。

共通の語彙があるからです。

そのワインが若いのか熟成しているのか、熟成しているならどの程度なのか、酸味や渋みはどういう感じなのかその強さは、など知識が増えるほど理解できるようになります。

これが分かるようになってくると、例えばお客様が「このワインはおいしい」と言ったときに、そのワインを分析することによって同じようなワイン、お客様の好きそうな違うワインをお勧めできますし、そのワインのどういう部分が好きなのかが分かります。

「赤の重いやつ」といった注文も受けますが、この「重さ」もお客様によってとらえ方が全く違うので「重さ」のそれぞれの違い、コメントを覚えれば、お客様の望むワインにより近づけます。白ワインの「酸味」、赤ワインの「渋み」も同様です。

こういった知識が共有できれば、ワインを仕入れる際に相談しやすくなりますし、料理との相性を考える時もソムリエ同士が理解しやすくなります。

ソムリエだけではなく、ワインを飲む立場としてもワインを言葉で表現できると自分の好みのワインを理解しやすくなりますし、レストランでソムリエに対して、もじもじすることはなくなり「○○さんてワインに詳しいんですね♡」となり、みな幸せになれるのです。

ワインの表現でした、終わりっ!

※お店に来てもこのワインの表現してといじめないでくださいね♡


ワインバーシロッコについて

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