丸マーク

どんな飲食店でも同業として勉強になる話。その男メガネ氏。

私が飲食店で働き出して2,3年しかたっていないころ、とても勉強になる店があり、よく通っていました。

その名は「松屋です」

そう牛丼など売っている松屋ですね。

正確にはそこで働いている1人のアルバイトの人の動きがとても勉強になりました。

店の回し方、段取り術というのを教わりましたね。(ただ見てただけですが笑)



そのアルバイト、メガネ氏

そのアルバイトは20代前半の男性で、

・地味なメガネをかけて
・ガリガリだし
・ズボンの裾は5センチくらい短いし
・笑顔は見たことないし

はっきり言ってオタクっぽく暗いイメージしかないのですが、無駄のない坦々とした動きにいつも感心していました。

当時は毎日終電で帰っていましたので、自宅のある最寄駅には午前1時過ぎに着いていました。

そこでお腹がすいて外食をしようにもその「松屋」かファミレスくらいしかお店はやってなくて、最初は仕方なく行っていたのです。

ほかの終電帰宅組も考えていることは同じで、その終電で降りた人の中には「松屋」に行く人も多く、終電後の時間はほぼ毎回満席になっていました。

しかも終電が到着するまでほとんどお客さんなんていない状態なので、一気に満席、慌ただしくなっていました。

私を含めたその事を知っている終電組は、もたもたしていると座れなくなるので、しっかりと改札を先頭集団で抜け出していましたので、座れないことはなく忙しくなる様子を観察できました。

終電が到着してから数分で満席になっていたように思います。


準備をしっかりと、全ての出来事を想定内に

さてそのメガネ氏ですが、完全に自分のスタイルを確立していました。

動きに迷いがありません。

動きが止まることはもちろん、急に速くなったり遅くなったりすることがないのです。

常に体の動き、スピードが一定なのです。

なので焦っている様子は見たことありませんでした。

これって結構すごいことだと思うのですよ。

頭の中で常に2歩3歩、次の行動を考えて予測していないと動きに無駄が出ます。

その店の規模は座席は30席くらいでカウンターのみ、メガネ氏を含め2名体制でした。

1人はもくもくとオーダー品を作っているので接客はメガネ氏のみです。

ゲストが来店すると水を用意し、その水を一応座って欲しい席に置き、軽く誘導します。

しかしこの行為はメガネ氏的には大事なことではないようで、座ってくれたらラッキー、くらいなようです。

結構な勢いでゲストが入ってくるのですが、券売機でチケットを買わないといけないのがうまくメガネ氏の段取る時間を与えているようでゲストが座ってからのメガネ氏の動きは実にスピーディです。

・毎回同じ時間に満席になることはわかっているのでそれまでに必要な準備はすべてできている

・メニュー数は一般的なレストランと比べたら少なく、そのメニューに対しての知識(提供時間や何を用意しなければならないか)がしっかりとあり、なおかつ注文された料理を出すまでの動き、流れが毎回一緒

・どういう順番で動けば最も速いかを自分の中で把握できているため、最短最速の動き

と、ベタほめでありますが、今思い返してみてもやはりすごかったなと思います。


なにが言いたいのかというと

お店の求められているサービスができているか

ということですね。

この店で求められているのは

「感動」
「サプライズ」

ではなく

「いつもの味」
「スピード」

ですので、メガネ氏は見事に応えていました。

メガネ氏はいつも無表情で淡々とこなしていましたが、本人はそんなに考えてなかったのかもしれません。

でもいろいろと勉強させてもらいました。

ほかのお客はいつもと同じ、ほかの系列店と何ら変わりなく利用していたのでしょうが、私は熱い視線を送っていたのです! (変な意味ではないよ)

あの状況を毎回当たり前のようにこなしていたメガネ氏、拍手(ノ^∀^)ノ☆です。

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