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nikki 2019/5/21 身の上話

今日は朝から大雨で、雨と言うか台風のジャンルに入れてもいいくらいの強風と横殴りの強い雨。傘はもはや無意味。私は登山用に買ったレインウエアを着て、外出したほど。

今日はジムで働いてからの、トレーニングしてからの、美容院。雨の日に美容院なんて、運が悪い。この雨風ではキレイに整えてもらったとしても、すぐにぐしゃぐしゃになってしまう。

なーんて思いながら、トレーニングでかいた汗で湿った髪の毛を携えて、ジムを出た。と、朝よりも落ち着いた雨。レインウエアを着なくても、ズボンがびしょ濡れになるほどではなさそう。そして、歩きながら思った。

止まない雨はない。

明けない夜はない。の雨バージョン。やはり地球は回っている、そして、時は流れる。厳しい状況は耐えることでいつの日か終わりは来る。とかなんとか、人生論か哲学的な考えに浸っていたら美容院に着いた。

関東に越してから、初めて行った美容院に今も通っている。とは言ってもまだ3回目なんだけど。初めて担当してくれた美容師Aさんの雰囲気がとても好きで、大抵美容師さんに身の上話なんてしないし、職業を語ることなんてほとんどない。だけど、Aさんにはするりと話してしまった。でも2回目は違う美容師さんだったので少し残念だった。指名料が惜しいのと、初回を担当してくれたら2回目もやってくれるんじゃね?っていう安易な思い込みで予約し、当然のごとく違う人が対応してくれた。今回は指名はしてないものの、AさんのスケジュールをHot Pepper Beautyで確認し、Aさんがいる日に予約した。指名はしていないが、予想通り、その人だった。そうやって書いていると、ストーカーぽいな、私。(笑)

私は今回、インナーカラーがしたかった。
分からない人のために、インナーカラーとは・・・

私がAさんにそうオーダーすると、「私、やったことないんですけど、大丈夫ですか?不安じゃないですか?」と正直に言ってくれた。この美容院には年齢層高めのお客さんが多いらしく、あまりオーダーされることがないと言う。でももちろん方法は分かっているし、技術もある方だ。私は「一緒にやりましょう!」と意味不明の上から目線でお願いした。

初対面の時、私はAさんに『脚本を書いている』と自己紹介した。なぜなら、ちょうどその時美容師の話を書いていて、美容師免許について疑問があったからだ。美容師になりたいわけでもないのに、免許について聞くのは違和感があると思い、自分の素性を話してから質問した。Aさんは丁寧に答えてくれたし、その時の距離感がとても良かった。私の仕事に関してズケズケと聞いてこないし、こちらが聞きたい情報は真摯に答えてくれるし、何よりとても参考になった。ヘアスタイルのオーダーに関しても、私にアドバイスしつつ、希望を叶えてくれ、いい印象しかなかった。

そして、8カ月ぶりの今日。インナーカラーはブリーチ(髪の毛の色素を抜く)してから、色を入れる。時間と手間がかかる作業である。そうなると当然、話す時間も長くなる。前回話した脚本のことも覚えてくれていて(ホステスさんみたいに細かくメモをしているのかしら)、またしてもちょうどよい距離感で聞き出してくれる。不思議と身の上話をペラペラとしてしまっていた。GW中の仕事の話、脚本だけではなく役者としても活動していること、今住んでいるシェアハウスについて・・・もう、ほとんどじゃないか!!私の現在を表す、ほとんどのことをお伝えしてしまっていた。

相性、というのもあるかもしれない。
Aさんが聞き上手、もちろん。

じゃあ私はAさんの何を知っているのだろう。お歳は私より少し?上で、結婚はされていて、最近電車で久保田磨希さんを見たということくらい。

接客業はヒアリングしてなんぼ。Aさんは当然のことをやっているだけなのだけど、ちょっと天邪鬼な私のすべてをさらけ出させてしまう人だ。

え? 私がお喋り好きなだけだろうって?

意外と違うの。美容院とか整体では黙ってるタイプなの。心をすぐに開かないの。だから身の上話をし過ぎて、帰りにちょっとだけ恥ずかしかったけれど、私が髪をかき上げると、やや緑がかった黄金色がチラリと見えて、そんな気持ちを吹き飛ばしてくれた。

美容師は特別な仕事だ。人様の髪の毛を触ったり、切ったり、洗ったりするなんて。距離が近いからこそ、距離感が大切で、それを成し得ている人は案外少ないのかもしれない。Aさんは素晴らしい。


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