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趣味を語るとき

東京に来て早半年、三十路すぎた御年。
夢と目標引っ提げて上京、正直鳴かず飛ばずの状況。
語り飽きたの自己紹介、自分でも分かんない正体。
招待されて行った飲み会、居心地悪くてすぐ早退。
楽しさの向こう側に行きたい、でもそこに何があるの一体?

上京ラップ、韻、踏んでみた。(歌詞はフィクション)
誰かメロディつけてくれないかな。
かつて(と言うか今も)KREVAが好きで韻を勉強したことがある。
韻と言うのはとても奥深くて、語尾だけ踏んでりゃいいってもんじゃない。
なのでこの歌詞はとても「韻が甘い」ってことになる。
文字を生業にする人にとってこの言葉遊びはとても重要だと思う。
KREVAの歌詞みたいに固い韻を踏みたいものだ。

以前、事務所のプロフィールの「趣味・特技」の欄に「ヒップホップ」と書いていて、ダンスが出来ると勘違いされたことがある。私が言いたかったのは「ヒップホップミュージック」のことなんだけど。でもよく考えてみたら、趣味・特技:ヒップホップミュージックって意味わかんないし、オーディションとかで何を見せるんだよ、ってなる。それで即興ラップでも見せることができたら良かったんだろうけど、あいにく私はラップ(特にKREVA)をカラオケで歌えるレベルだった。だから、その欄から抹消した。

そう、「趣味」と言うのはどの世界に行っても付いてまわる。
新しいクラス、職場、合コン、習い事、友人の友人、旅行先での出会い、そして王道のお見合い。

なんか趣味ないの?
いつも何やってんの?
好きなこと何?

これらの質問は全て「趣味」を問われている。

上京して間もない頃、時間がありにあったので、友人のススメで出会い系アプリをやってみたことがある。そこにもプロフィールを書く欄があり、はて何を書こうか、と考えを巡らせた。友人曰く、詳しく書けば書くほど、同じ趣味や嗜好を持った人と出会う可能性が高いらしい。入力した内容を読み取って、そのアプリが勝手にマッチングをしてくれると言うわけだ。とりあえず思いつく限り書いてみた。

海外旅行、温泉、映画(特にホラー)、スポーツ観戦、読書、
ビール、サンマ、カレー、辛いもの

すると・・・あら不思議。
マッチする人が次々に現れるではありませんか~。

それもそのはず。いろんな人のプロフィールを見ると、8割の人がこの辺りの趣味を書き連ねているのだ。(唯一、ホラー映画好きの人からお勧めを教えてもらったことだけは収穫)自分の趣味の凡庸さに悲しくなると同時に、まぁそんなものか、と割り切った気持ちも芽生えるのであった。そして何となく面倒くさくなって、そのアプリから足を洗った。

演じることも、脚本や文章を書くことも、好きではあるが「趣味」ではない。私にとって「仕事」にすべきこと。でも、趣味であって、仕事でもあったらもっと良い。今は、もしかしたらどちらにもなり切れず、「好き」が宙ぶらりんなのかもしれない。

もっとインパクトがあって、引きのある「趣味」「特技」を持っていたら、オーディションでも、マッチングアプリでもモテるのかなぁ。

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