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nikki 2019/4/13 ゴーシュ

アロマの入浴剤を入れたお風呂につかりながら
読書したりしている女、それは私。

その姿はドラマや漫画に出てくるそれとは違って、
汗をじんわりじんわりかいてフーフー言ってるし、
たまに朗読なんか始めて、傍から見ると気持ち悪いだろう。

友達の家に泊まった時、風呂で舞台の台詞を練習していたら
友達は何かの宗教にでも入ったのかと驚いてらしい。
大抵の人は、風呂で歌っても、言葉は発しない。
ましてや小説を音読もしないだろう。
私は原稿読みや滑舌の練習のため、読み上げるのだ。
だから心配しないでほしい。私は正常だ。

先日「銀河鉄道の夜」を読み終えたので、
『セロ弾きのゴーシュ』に着手した。
正直、タイトルは知っていたが、読んだことがなかった。
風の又三郎も然り、そういう小説が本当にたくさんある。

銀河~は大層読みづらく、理解するのも時間が掛かったので
(おそらく今なお理解しきれていないし)
かなりの覚悟をして臨んだら、
童話のようで読みやすく拍子抜けした。
ただ、内容はかなり尖っていた。

楽団でイジメられている主人公ゴーシュが
夜な夜な自主練している最中に訪ねてくる動物を
容赦なくイジメていると言う負のループになりかねない感じの
物語の導入部分に、ハラハラさせられたのだ。

宮沢賢治の本は、イジメが多い、気がする。

しかし、ゴーシュが動物に音楽の手ほどきをしているうちに
自分を客観視できるようになり、自分の力量不足を認め、
結果、上達していたという、格言にも近いお話だった。
そもそも、ゴーシュは努力家だったし、
心根は優しい少年だったのだろう。
ゴーシュはこの後楽団でも認められて、動物達からも慕われ
ハッピーに生きていったと思いたい。

Wikipediaを見ると、
宮沢賢治もチェロを弾こうとしたことがあり
その経験が反映されているのではないかと書かれてあった。
「ゴーシュ」という名は、
フランス語の「gauche(不器用な)」から
来ているという説があるらしく、ネーミングも面白い。

お風呂でゴーシュに思いを馳せながら
消費カロリーどのくらいだろうなとも思いながら
風呂上がりのビールは許されるよねって自分を甘やかしながら
毎日が過ぎていく。

さては今日は友達の家にお泊まり。
お風呂では静かに過ごさなきゃ。

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