初日。

大きなトラブルなくこの日が迎えられることが第一の関門。
身体の節々に痛みを持っている諸先輩方はおられるが
全員で初日の幕を上げることが出来た。

３部構成、約４時間の長丁場。
キャスト・スタッフ一丸となって作り上げ、
そしてお客様の力を頂きながら完成するのが舞台。

鹿児島のお客様は最高だった。
予想していなかったところでも笑いや反応があり
舞台に立つ演者の皆さんもイキイキと動き回っていた。
客席からそれを誇らしく思いつつ、
少しだけ羨望の眼差しとともに見ていた。

1000人を超えるお客様に割れんばかりの拍手や笑いを頂ける。

これは誰しもが経験できることではない。
だからこそ厳しく、険しい道がそこにある。
それでも私は立ちたいと思う。
もちろん裏方も好きなんだけど、好きだから迷うよね。
だから、どっちもやるよね、今は。

日本香堂の巡業は、１会場１公演ですぐに次の場所へ移動。
だから閉演後は超特急で片付けて、バスに乗り込む。

鹿児島から熊本へ。

バスで缶ビールを２本開けて、気持ちよく寝たら熊本に到着。
バスの移動は巡業だなぁ～！って感じがして好き。

それから馴染みのメンツで初日打ち上げ。
師匠の紅壱子さんと、事務所の先輩田村ツトムさん。
あぁでもないこうでもないと語らうのが一番楽しい。
先輩方がいるからこそ、今の自分がある。
「人」に恵まれている。心からそう思う。
まだ自分にできることは少ないけれど
少しでも追いつけるように、少しでも役立てるように
また一緒に仕事が出来て、同じ時を過ごせるように
地味に地道にコツコツやっていくしかない。

この道を進むことが出来ているのは自分の力じゃない。
前を歩く先輩方が道をつくってくれているから。