「社会にありがとうを増やしたい」と思ってサービスを作った話

はじめまして。株式会社cotreeの代表の櫻本真理といいます。

心の不調を気軽に専門家に相談できるオンラインカウンセリング「cotree」を運営しています。ヘルスケアの業界マップでは、だいたい「メンタル」「予防」「相談」の会社として載せていただくことが多い会社です。

早いもので、サービスが立ち上がって3年以上がたちました。心のケアにcotreeを使ってくださる方は少しずつ増えていて、法人や大学への導入も進んでいます。

オンラインカウンセリングサービスを運営しながら私たちが目指しているのは、一人一人がつながって支え合い、育て合い、喜び合うことができる社会です。

数年間サービスを運営する中で、(たぶん)誰よりもテクノロジー x メンタルヘルスという領域の可能性や限界について考えてきました。

その間、行政などでオンライン相談の導入が進んだり、SNSカウンセリング協議会が立ち上がったり、様々な動きがありました。オンラインカウンセリングに対する風当たりも当初は強かったのですが、ずいぶん和らいできたように思います。

業界や世間の認知が変わっていくのは、時間がかかることです。これからも、専門家に相談しやすくなる仕組みづくりとしてのcotreeを、丁寧に育てていきたい、と思っています。

そんなcotreeが、新たに「takk!」というサービスをリリースすることになりました。takk!は「頼り合えるつながりを生む、頼みごとボックス」です。「こんなことできます」を発信して、頼みごとを受け取りやすくするサービスです。

仕組みはとても簡単です。

①できることをリストにする

②SNSやブログに貼り付ける

③申し込みがきたら、条件を調整する

④必要に応じて、合意した金額で決済依頼を発行する。

例えば私はこんな「できることリスト」をつくりました。

SNSでシェアしたりブログに貼ったりSlackに貼ったりしてみてください。つながっているコミュニティの中でスキルシェアをしやすくするツールとして使えます。

cotreeを知ってくださっている方の中には、なぜcotreeがこんなサービスを?と思う方もおられると思います。

初めてのnoteには、私たちが新しくリリースしたサービス「takk!」に込める思いについて、書いてみたいと思います。

身近な人と頼り合える仕組みがほしい

現在の事業を運営する中で、課題として感じていることがいくつかあります。カウンセリングという医療外のサービスで専門家に相談できるのは、とても恵まれた環境にいる人に限られること。カウンセリングを受けることへの心理的抵抗感はとても強いこと。

そして何よりも、心の不調を感じている人が抱えている孤独感。

心の問題を持っている人は、周囲とのつながりを感じづらくなっています。仕事がうまくいかない。人間関係がうまくいかない。自分の存在の意味や価値が見出せなくなる。こんな自分なんて、と誰にも頼れずに相談をためらっている間に、苦しみが大きくなってさらに孤立してしまうこともあります。

「孤独感」は、ときに心の問題の原因であり、結果でもあります。

だから、この孤独感を生まなくてもすむ仕組みをつくりたいと思うようになりました。

不調が病気になる前に、もっと身近なつながりの中で、安心して頼り合えたら良いのに、と。

「人の顔が見えない」社会の生きづらさ

私たちのデータを分析してみると、「生きづらい」と感じている人は、「みんな」という言葉をよく使う傾向があることがわかります。一方、生きづらくない人は「妻」とか「友人」とか、具体的な相手を示す言葉を使います。生きづらい人は他者を「自分ではないみんな」という概念として捉えていて、誰か一人とのつながりが感じられていないから、孤独で、苦しいのかもしれません。

顔が見えないオンラインのつながりは、孤独感を強くすることがあります。みんなとつながっているけれど、誰ともつながっていない。顔が見えない不特定多数の「みんな」に、「頼ってもいい」「必要とされている」とは感じづらいものです。

SNSでたくさんの人とつながっていたり、匿名のスキルシェアサービスで人の力を借りる場所がたくさんあったとしても、「頼れない人のつながり」も「顔が見えない頼り合い」も、孤独感の解消には役に立ちません。

「あなただからお願いしたい」

でも、逆に言えば、オンラインでの「頼れないつながり」を、「頼り合えるつながり」に変えられたら、これってけっこうわくわくすることなんじゃないか、と思うのです。

SNSなどのオンラインで、投稿や発信を通じてなんとなく人となりを知っている人の数は増えています。そんな「弱いつながり」の中で、誰でもいい誰かではなくて「あなただからお願いしたい」と言われると、頼まれるほうも嬉しいものです。

佐渡島庸平さんが「コミュニティ・ファーストの時代が来る」で言っていたこんな言葉に、そうだそうだ、と思いました。

今のクラウドソーシングが値段を買いたたく方向にいくのは、知らない人に仕事を頼んでいるからだと思うのです。これからはオンライン上でよく知っている人にクラウドソーシングで頼むようになっていって、そうなると、買いたたきは起きにくくなるはずです。
僕も、「宇宙兄弟」のいろいろなグッズを作るときなどに、デザイナーに仕事を依頼するのですが、「有名だけれども、『宇宙兄弟』を読んでいなくて、『宇宙兄弟』がさほど好きでないデザイナー」よりも、「有名ではなくても、オンラインでつながっていて、『宇宙兄弟』が好きだと知っているデザイナー」に仕事を頼んだほうが、お互いがハッピーになると思うのです。

顔が見えない取引は、買い叩きになりやすい。一方、「あなただからお願いしたい」という取引は、お互いがハッピーだし、少し自由です。

相手のことを知っているから、「いつか返してくれたらいいよ」「かわりにこんなこと教えてよ」みたいに、普段の恩返しやこれからもよろしくの意味が含まれたりして、対価がお金である必要もなくなり、お金を信頼が補完してくれます。

それに、誰に買われるかわからないマーケットで売るのは不安でも、あの人のためにちょっと役に立てるなら、楽しみながらできるかもしれない。

「ありがとう」と言える・言ってもらえるつながり、人に頼れる安全な居場所、新しい出会いへのわくわく感。オンラインの「弱いつながり」から、そういう豊かなつながりが増えていくように、とつくられたのが「takk!」です。

スキルを持っている人はもちろん、スキルを持っていない人も「頼みごとしてくれていいよ、話しかけてくれていいよ」を発信するために、使ってみてください。

読んでくださった方にお願い

takk!は、北欧の言葉で「ありがとう」の意味です。語尾の「!」には、「ありがとう」とともに「わくわく」が生まれてほしいという思いを込めました。

できることの登録は2分程度でできるので、ぜひこちらから登録して、できることを発信してみてください。自分にできることが何も思いつかない人は「お話を聴きます」や「◯◯についての経験をお話します」「1時間売ります」などでもいいと思います。

まずは最小限の機能でリリースしていますが、もっともっと「ありがとう」が生まれやすく、わくわくするサービスに進化していきたいと思っています。よかったら使ってみて、もっとこんな風にしたらどうか、などのご意見もいただけたら嬉しいです。


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私もスキです!takk(ありがとう)!
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コメント4件

めちゃめちゃいいサービスな気がします。温かく気持ちが動く、すぐに登録してみます。ありがとうございます。
はじまして。ツイッターから飛んできました。じっくり読み込みたいです。過去の記事も見たいです。フォローさせていただきます!(非力ですが…)
まさまささん、嬉しいです…!もっとよいサービスにしていく予定ですので、これからもよろしくお願いします!
もさがーる。さん、ありがとうございます。これからも記事を追加していこうと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします!
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