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8月第5週のトピック:グループコーチング、アメリカのメンタルヘルス、雑務引き剥がし、認知行動療法学会、あすみん卒業

このnoteについて:テーマごとのnoteにまとめるほどではない脳内のよしなしごとを、週に1回、整理せずに垂れ流すだけのnoteです。社内向けに限定することも考えましたが、cotreeは本当にたくさんの方に関わっていただいていて、「社内」か「社外」かはあまり重要ではないし、株式会社の枠組みを超えた組織にしていきたい、と思っているので、オープンなnoteに書くことにしました。基本的にはcotreeの仲間に対して書いている内容なので、関心のある方だけ読んでいただけたらと思います。

グループコーチングのお仕事について

私たちがやっているお仕事のなかで「グループコーチング」というものがあります。コーチングを、個人に向けて実施するのではなく、チームに対して実施するものです。現場に行くと感じるのは、どのチームにも本当にそれぞれの「色」があります。ロジックでは説明しきれない、言語化しきれない、そのグループに通底す流「空気」のようなもの。それが良い空気のこともあるし、少し息が詰まってしまうようなこともある。

その空気は、何かのきっかけですっと変わる瞬間もあって、そういう対話を生み出すのにグループコーチングが役に立ったりします。その対話のコアになるのが、その組織という「システム」の「共通の目的」がどこにあるのかということ。その目的を共有していることにおいてお互いを信頼し合っているチームは、とても強い。

人のモチベーションや価値観は本当に多様で正解はありませんが、人はみんなどこかで「自分が正しい」と思ってます。うまくいかない時には、他の人の中の自分とは「違う」ところばかりが際立って、それがうまくいかない原因だと責めてしまいたくなることもある。そうした不信感が、チームの中で「嫌な空気」として流れてしまうのだと思います。

うまくいかない時は方向性を見失いやすいからこそ、私たちはどこに向かっているのか、どうありたいのかに立ち戻る必要がある。そのグループの中に流れる恐れや不安と向き合うことは、グループ内で利害のあるメンバーだけだと難しいことがある。そこにコーチという第三者を入れることで、うまく視点を取り戻したりするのが、グループコーチングでやっていることのひとつです。

アメリカのメンタルヘルス事情

シリコンバレーから起業家メンタルヘルス問題に警鐘を鳴らした、この論文の著者とお会いしてきました。起業家のADHD/うつ/依存/双極性障害の罹患率が一般よりも著しく高い、ということを示した論文です。経営者向けコーチングescortの立ち上げの際にも、引用させてもらったものです。

起業家であり、精神科医であり、研究者であり、良き父であるこの人とのお話はとても楽しくて(とっても素敵な娘さんともお会いしました)話は尽きず、長い視点で一緒に何か取り組んでいけそうでわくわくしています。余談ですが、初めて会った時の「この人とは良い付き合いができそう」みたいな感覚って当たりますよね。

Fortune500のリーダーの32%はパーソナルコーチ、32%はエグゼクティブコーチ、22%がセラピストをつけているというデータがあるほど、アメリカでは専門家による支援が一般的になっています。

「アメリカのメンタルヘルスは進んでるから」と言われがちですが、じゃぁ誰もがメンタルヘルスの問題を自由に語れるかと言うと実感としてはそうでもないようです。もちろん日本よりはましだけれども、アメリカでもメンタルヘルスに対するスティグマはある。「特に最近は不安やうつに対するスティグマは相対的にまし。でも特に依存症なんかは、やはりまだまだ人に言えない病気。ましてや起業家はそう。」とのことでした。

スティグマがゼロになることはないから、スティグマとの戦いは続いていくのだろうと思います。彼は「アメリカでもescortのようなサービスが必要」と言ってくださって、escortにとっても興味を持っておられました。日本で私たちが立ち上げたサービスが、こうしてメンタルヘルス先進国アメリカでも立ち上がるきっかけになるとしたら、思わぬ喜びです。

起業家臨床の特徴として「本人にとってベストなことが、会社にとってベストとは限らない」とお話しされていたのが印象的でした。経営者の健康と、会社の成長と。それが究極の天秤にかけられるのが起業家のメンタルヘルスなのかもしれません。そうしたバランスに繊細に、私たちは関わっていく必要があります。

採用面接、たくさん

ずっとみんなに任せていたカウンセラーさんの採用面接を、再び私が担当するようになりました。毎日のようにカウンセラーさんの応募をいただいて、最近は登録カウンセラーさんから紹介も増えて、とても嬉しいことです。

それでも、カウンセラーさん(特に書く方)は全然キャパシティが足りないのが現状です。もっとたくさんのカウンセラーさんに関わっていただきたい。

学会などの場でもよく聞かれるのは「カウンセラーはピンキリだけど、品質管理、どうしてるの?」という言葉。それくらい、世に言う「カウンセラー」の幅は広い。私たちは入り口で書類や面接による審査をしっかりしているし、「カウンセラーをお客様にしない」ことで、質を維持しています。オンラインカウンセリングサービスの中には、カウンセラーから高額な登録料を受け取ることで「カウンセラーをお客様にする」サービスが存在していますが、そうしてしまうと、クライエントに届ける価値のコントロールができない。だからこそ、しっかり審査をして、人格的にも能力的にも信頼できる人だけを採用しています。

もう一つカウンセラーさんの質の維持という点で重要なのは、しっかりとクライエントからのフィードバックを受け取っていること。「よくない評価」を受け取った時に、カウンセラーさんがそれを認識して、改善に繋げられる機会を提供していることも重要です。気になる評価を受け取った時には、個別に面談させてもらうこともある。こうした丁寧な関わりが、私たちのサービスの満足度90%超という実績に繋がっているはずです。

それから、カウンセラーさんの「育てあい」の仕組み。これはまだまだこれから改善していきたいところ。定期的な勉強会やミートアップ、オンラインのつながりを作る努力をしているけれど、まだまだ主体的に関わってくださるカウンセラーさんに増えていってもらえるよう、仕組みづくりが必要だと思っています。私たちがカウンセラーさんにサービスを提供するという構図以上に、お互いに支え合って育て合う仕組みが、カウンセラーさんの中に出来上がっていくといいですね。

タスクを引き剥がされる

メンバー2人から「櫻本さんの雑務を引き剥がして、社長業に専念してほしい」と言ってもらえたのは本当に嬉し買った。いや、けっこう雑務は任せてたから、今までも割と本領発揮してた可能性あるんだけど。シンプルに「一緒にcotreeを良くするために、自分が多くを受け持ってでも最適な体制を作りたい」という姿勢が本当に嬉しいんだと思いました。

仕事は「与える・与えられる」みたいになってしまうと負担の押し付け合い合戦になってしまう。それよりも、一緒に未来を作るために最適な分担をしよう、と考えた方がよっぽど楽しい。

でも、「自分の仕事が増える=苦しい」はそれほど強力なプロセスで、そう言う俯瞰の視点で自分から考えられる人は現実にはそれほど多くない。

だからこそ、共有する未来を、もっともっと具体的なイメージがわく形に落とし込んで行かなきゃいけないんだも自覚しているし、私たち全員が、もっと俯瞰の視点を持って仕事に向き合えるようになると、さらに強いチームになれるのではないかな、と妄想しています。

認知行動療法学会

先週のブリーフセラピー学会に引き続き、登壇させていただきました。とても多くの皆様に参加していただき、認知行動療法界隈におけるテクノロジーへの関心の高さを感じました。ただ、数あるシンポジウムの中でも、テクノロジー関連は1件だったそう。アメリカの同様の学会では38件がテクノロジー関連だったことに鑑みれば、日本のメンタルヘルステックはまだまだこれからと言えそうです。

「認知行動療法学会」と言っても一つではないそうで、認知・行動療法学会、認知療法・認知行動療法学会、などと分かれていて、さらにその3つの学会の大会が同じ日程で開催されているそう。前者は、早稲田系・心理系が中心で、後者は、慶応系・医療系だと聞きました。

色々大人の事情があるようですが、アカデミック、しかも同じ系統の心理療法ですらこれだけまとまるのが難しいのを見ていると、いつも言っている「みんなで一緒にやったらいいじゃん!」というのがいかに難しいことかと改めて気がつきます。

みんなが「自分のやりたいやり方でやりたい」し「自分が権力を持ちたい」。でも、そういう人ばかりだとチームはできない。「共通の目的」をいかに共有できるかがチームの強さだとして、そういう意味では、アカデミックの世界は「共通の目的」を持ちづらいとは言えるかもしれません。

日本のメンタルヘルス業界にテクノロジーがなかなか浸透していかないのも、こうした「今までやっていたやり方が否定されているように感じる」「権力を奪われる不安」も関係しているかもしれません。

でも、実際には、自分がやらなければ誰かがやります。市場が必要としている限り、自分がどんなに抵抗を示そうと、社会は変わっていく。「社会から取り残されてはいけない」という横光先生のメッセージが刺さります。

そんな認知・行動療法学会。いただいたご質問は「質」「倫理」「研究者との連携」といったところに集中しており、登壇者の皆様も参加者の皆様も「どうすれば研究者と民間がもっとうまく連携していけるのか、もっと質の良い「使える」サービスを作り出していけるのか、という点に関心を持っておられるように感じました。

登壇させていただけてとっても楽しかった。若くて優秀な先生方と、真剣にテクノロジーを活用した可能性・倫理・実践方法についてお話しできたのは素晴らしい機会でした。(ありがとうございました!)こうした新しい時代を作っていかれる先生方と、これからもご一緒できる機会が増えていくと嬉しいです。

あすみん卒業!

短い時間だったけど、データサイエンティストとして新しい風を送り込んでくれたあすみんが就職とともにcotreeを離れることに。私は送別会に参加できなくてとても残念だったけど、そのあとのあすみんの嬉しそうな様子がとっても印象的でした。

こんな風に少しの間でもcotreeに関わってくれて、お互いの持っているものを与え合って、卒業してくれることは、とても幸せなことだなって。

あすみんとの関係はこれからも続く。これからもよろしくね。

なんか、、他にも書きたいこといっぱいあるな、、、

引きこもり先は未来ですイベントとか、体調管理のこと、soar理事会で感じたこと、ビジョンを通じた出会いのこと、終結したカウンセリングのこと、ひらやまさんの初登壇(Tシャツ着用)、、、

一週間あると、本当にたくさんのことが起きる。毎日忙しいけれど、忙しさに支配されることがないよう、一つ一つの出来事を味わって、楽しんでいきましょう(自戒を込めて、というかほぼ自戒や)。


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櫻本 真理 | cotree

スタートアップ x カウンセリング/コーチング。 京都大(教育)→ゴールドマン・サックス(株式アナリスト) →cotree代表取締役。Soarの理事も。Twitterもぜひ@marisakura

cotree社長日記(毎週更新)

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