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広告費500万円つかって、1ヵ月後に残ったのは「たった数十人」アプリ立ち上げ時の失敗談と改善策を「教えて!goo」が語る。

Q&Aサービスの「教えて!goo」さんにショートインタビュー👀(NTTレゾナント株式会社 豊野雄さん)

「教えて!goo」の基本データ

・Q&Aサービス、7,000万MAU
・アプリ版は2015.4月にリリース(200万ダウンロード、MAU66万人)
・デバイスでみると「質問の9割がスマホから投稿」(回答だとスマホ5割)

1、プロダクトを改善する前に、短期的なダウンロード数だけを追ってはいけない。

豊野:アプリをリリースした後は、とにかく「ダウンロード数を増やすことが第一だ」と、500万円の予算をつかって様々な広告を打っていきました。

予算を1ヶ月でつかい切り、獲得できたのは5万ダウンロード。しかし、ユーザーが全く定着せず、1ヶ月後に残ったユーザーは「たった数十人」でした

理由は色々とあるのですが、離脱要因として大きかったのは、質問投稿するための「会員登録ハードル」が高くなっていたことです。

とくに、投稿するには「gooID」が必須で、そのためにはメアド・パスワード・生年月日まで必要で、SNS認証さえもできない状況でした。

そこで、離脱されてしまったんですね。もはや、穴の空いたバケツに水を注いでいるようなものでした…。

※予算を1ヶ月で使い切るために「アドネットワーク、SNS広告、リワード広告」などに出稿した。しかし、投稿までのハードルが猛烈に高かったことで、ユーザーはおもしろいように離脱した

2、ユーザー登録はできるだけ簡単にする。ニックネーム登録だけにしたらアプリの投稿数2倍に。

豊野:その結果を受けて、やっぱりプロダクトを改善していかないとつかわれないと、そこからアプリをひたすら改善することに集中しました。

当初は、アプリから投稿をするには「gooID」が必要でしたが、これを「ニックネーム登録」さえすれば投稿できるように改善しました。

結果、アプリからの投稿数を2倍に伸ばすことができました(その影響でブラウザ版の投稿数も1.5倍に)

また、ブラウザ版でのアプリインストール訴求や、質問よりも「まず回答を見てもらう」という方向性の転換等も、数字に良い影響を与えましたね。

結局、そこからはほとんど広告を打たずに、1年間で百数十万ダウンロードを獲得、質問数や回答数も過去最高を達成することができました。

※アプリから「ニックネーム登録」だけで投稿できるようにしたら、アプリからの投稿数が2倍になった。

3、いま取り組んでいる課題「回答の質の担保」

豊野:最近の課題は、グーグルのアルゴリズムの影響で「検索流入が減ってきている」ということ。とくに健康・お金・法律系は影響がありますね。

これは、Q&Aサービスはどこもそうなのですが、Q&Aって「回答の根拠がないこと」とグーグルがみなす場合があるようで、信頼性のところに問題を抱えていて。

なので、現在は専門家や有識者に回答してもらって、質を担保する施策に取り組んでいるところです。

4、AIによる恋愛相談も実施している

豊野:また、恋愛の質問に答える「オシエル」というAIを導入しています。これは「教えて!goo」に蓄積されたデータを言語分析して回答するAIです。

成績としては、30,823回答して「ベストアンサー率」は6%程度。一般ユーザーと同程度です。

ただ、AIだと1分以内に回答できるため、恋愛系の「誰かに話を聞いてもらいたい」というニーズは、満たせることもあるのかなと感じています。

※ベストアンサーがつきやすい回答を分析した結果、基本的に「共感→結論(アドバイス)→名言」という構成になるように回答しているそう。

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