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【セミナーレポート】運用型広告7タイプ理論で考える広告の設計と、Facebook広告で効果を出すコツ

FREE WEB HOPEは神田にあるデジタルマーケティング支援の会社です。
ランディングページ制作に鬼強い会社です笑
お仕事のご依頼お待ちしてます!
https://marketing.fwh.co.jp

こんにちは、FREE WEB HOPEの佐藤です。

私たちが主催するMarketing Studio by FREE WEB HOPEでは、 「マーケティングに強くなる」をコンセプトに、毎回その分野に特化したプロの方をお招きして最新の事例を元に成功しているノウハウ・すぐに使える実践法をセミナーでお届けして、「みんなで成長しちゃおう〜」なんてことをやっています。

2019年8月29日(木)に「運用型広告7タイプ理論で考える広告の設計と、Facebook広告で効果を出すコツ」という内容のセミナーを開催いたしました。

今回、ご登壇いただいたアナグラム様は、セミナーなどでFacebook広告をテーマに語られたことがあまりないそうで、世に出ていない貴重なお話をたくさんお伺いすることができました!

広告に関わるマーケター必見のセミナーの様子をレポートとしてまとめましたので、少しでもみなさんのお役に立てたら嬉しいです。

イベント概要

目まぐるしく変わる広告の世界、Google広告にYahoo!にfacebook…
進化する機能やトレンドに追いつけず、日々四苦八苦するマーケターは少なくないはず。
しかしながら運用型広告の施策設計や思想には普遍的な考え方も多く存在します。

「広告の施策・方向性を決定するのに便利なアナグラム流、運用型広告7タイプ理論」
「Facebook広告って実際どうなのか?設計はどうするべき?」
「インハウス運用と代理店の違いや、成果を出すポイントは?」

など、アナグラム流の考え方をインストールできるような内容をアナグラム株式会社の仙波さんと砂川さんにお話いただきました。

講師プロフィール

アナグラム株式会社 仙波 勇太

新卒入社したECサイト専門のコンサルティング会社でデザイナーを8年間経験し、2016年にアナグラム株式会社へ参画。
Facebook広告の成功事例集に掲載された施策を含め、主にダイレクトレスポンス施策を中心に様々な案件を改善に導く。
自社メディアでFacebook広告の運用ノウハウやアップデート記事を執筆。

アナグラム株式会社 砂川 恵里佳

新卒で入社した人材会社で新規事業の立ち上げを経験後、マーケターへ転身。
2016年freee株式会社に入社し、インハウスで運用型広告を担当。繁忙期に獲得単価を維持したまま前年比140%の課金ユーザー増加に成功。
広告運用の他、アプリの事業戦略やアフィリエイト施策も行う。
より幅広い業界・商材の課題解決に携わりたいと思い、2019年アナグラム株式会社に入社。

運用型広告7タイプ理論で考える広告の設計

広告運用担当者の中には、インハウスで独自の理論を元に手探りでやってきた方が少なくないかもしれません。
けれど、運用型広告は”投資”、つまり無駄なお金を使うことができないものですよね。

今回ご紹介する運用型広告7タイプ理論に当てはめることで、タイプごとの適切な広告施策が判断できるようになり、マーケターとしてのスキルアップも望むことができるでしょう。

自社のビジネスをきちんと分類することで適切な広告施策を

運用型広告の戦い方には商材ごとの異なる7つのタイプに分類することができます。まずは、自社のビジネスはどのタイプに当てはまるかの考え方を学んでいきましょう!

タイプの考え方と例
インターネット上の購買行動を大きく分けると、「指名買い」と「衝動買い」の2つに分類することができます。運用型広告7タイプ理論では、これらに「緊急性」と「バーティカル(競合を含む複数のサイトに同一の商材が掲載されている)」の軸を追加してビジネスごとのタイプ分類を行います。

7タイプスライド

●有名ブランドタイプ
例えば、ロレックスの腕時計のような高級ブランドは多くの人にとっては衝動買いできるようなものではなく、ブランド名やモデル名を名指しで検索して買いにくるのだと考えられますよね。この場合は指名の軸が強く、衝動の軸は弱いため「有名ブランドタイプ」だと判断できます。ブランド名や型番での検索が中心になるので、それらのキーワードをしっかりカバーすることが重要です。
●オリジナルタイプ
有名ブランドタイプとは真逆なのがオリジナルタイプです。例えば、新開発されたコスメやサプリでは潜在顧客は多いとしてもブランド名や商品名を知っている人は限られますので指名買いはあまり期待できません。しかし、うまくターゲットとなる人に広告を見てもらうことができれば、広告をきっかけに購入してくれることが期待できますよね。つまり指名の軸が弱く、衝動の軸が強い「オリジナルタイプ」に分類できます。バナーやLPの内容で大きく成果が変化しやすいのも特徴といえます。
●ニッチタイプ
指名買いも衝動買いの軸も弱いのがニッチタイプです。限られた人以外は検索することもなく、衝動買いすることもないものが当てはまります。商圏が限られているので、関連するキーワードをいかに網羅できるかがカギとなります。
●総合タイプA、総合タイプB
総合タイプは指名買いも衝動買いも期待できるタイプで、運用型広告でも様々な打ち手があります。AとBの違いは、贈答用としての売り方ができるかどうかです。

総合タイプAは主に自分用に購入するもので、家具やDIY用品があげられます。総合タイプBは花や松阪牛など、自分用に買う人もいれば贈答品として買われることもあるものです。お中元やクリスマスなどのイベントに絡めた訴求を行うことができるのが特徴といえます。
●緊急タイプ
一刻も早く、もしくは特定の期限までに解決したい場合に行動するものが当てはまります。トイレの水が止まらなくなり床に水が漏れ始めてしまったら慌てて検索するような場面が想像できると思いますが、これが良い例です。緊急タイプでは特定のキーワードに対していかに接点を持てるかが勝負となります。
●バーティカルタイプ
競合を含む複数のサイトに同一の商材や情報が掲載されているものが当てはまります。求人や賃貸などのポータルサイトが当てはまります。主要キーワードでの競合も多く、掲載している商材や情報の指名、衝動、緊急性により広告の打ち方も様々です。

ポートフォリオの考え方

自社ビジネスの分類ができたら、次はポートフォリオについて考えていきましょう。
ここでいうポートフォリオとは、運用型広告の媒体・機能ごとの優先度や配信方針の設計をまとめたものになります。運用型広告7タイプ理論のタイプごとにある基本的なポートフォリオを元に、ビジネス固有の要素を踏まえて調整していきます。

ポートフォリオの考え方1

ポートフォリオの考え方2

タイプ分類からポートフォリオ作成までの考え方

今回は「TVCMもやっている引越し業者一括見積もりサイト」を例に見ていきましょう。

通常、引越し業者は引越し確定後に探し始めるパターンが多いので、緊急度が高い「緊急タイプ」且つ、他の比較サイトでも同じ引越し業者が掲載されているので、主要なキーワードで上位表示をしないと競合に流れてしまう可能性のある「バーティカルタイプ」です。

そして、TVCMによる認知度があるので、指名キーワードの検索も多い「有名ブランドタイプ」であり、バナーを見せられても衝動的に引っ越す人は少ないと考えられます。

ここまでまとめたところで、ポートフォリオを作ってみましょう。

引っ越し

この例のように複数のタイプに当てはまるケースも少なくありません。

指名・衝動・緊急の3軸で考えると広告施策を間違えにくい

「指名」とは、すでに知っている状態で検索して買いに来ること。
「衝動」とは、コンテンツ広告などをきっかけに買いに来ること。
「緊急」とは、すばやい接点づくりが肝心となること。

この3つの軸で広告施策を考えることができれば、やみくもに運用して失敗を繰り返してしまう...なんて惨事になりにくくなりそうなので、覚えておいて損はないですね!

Facebook広告で効果を出すコツ

この記事を読んでくださっている方の中で、日常的にFacebookを使っている方は多いはず。あなたがいつも使っているように、他のユーザーもFacebookは1日に複数回起動して、友達やブランドの投稿を見ています。広告はそれらの投稿の間に掲載され、能動的ではなく受動的に見られることになります。これらを踏まえて、Facebook広告でどのように成果をあげるかを考えていきましょう。

Facebook広告の成果を落とす5つの誤り

5つの誤り

①コンバージョンポイントが適切でない
FacebookやInstagramはスキマ時間に利用されるケースがほとんどです。
なので、高額商品の購入や必要以上に長い入力フォームだとコンバージョンまでのハードルが高くなります。
それを踏まえて、スキマ時間に勢いで実行しやすいコンバージョンポイントにすることが肝となります。(たとえば、衝動買いできる価格帯の商品購入や診断系のコンテンツなど。)

ただし、ハードルが低すぎるとビジネスの成果につながらないこともあるので、都度ビジネスへの貢献度を検証していくことが大事ですね!

②ターゲットの絞り込みすぎや安易な除外設定
Facebook広告では、かなり細かいターゲットの絞り込み設定をすることもできますが、絞り込みすぎてしまうとリーチできる人数が激減してしまいますよね。

過度な絞り込みの結果、潜在リーチは1000人未満まで減ってしまえば、仮にクリック率5%でコンバージョン率1%だと1件のコンバージョン獲得すら怪しい状況に...

なので、絞り込み条件と潜在リーチのバランスも重要となってきます。

また、CPAが高いからといって、安易に除外すると先細りになってしまう可能性もあります。たとえば女性の方がCPAが高かったからといって、女性を除外してしまうとリーチの大半を減らしてしまうことすらあるでしょう。

CPAが高いからといって安易に除外するのではなく、「なぜCPAが高いのか?」を可能な限り考えて、クリエイティブ変更などで改善をしていきたいですね!

③類似オーディエンスのソースが適切でない
Facebook広告では、類似したターゲットにリーチさせることができますが、そのソースが適切でないと的外れなターゲットに広告を配信することになってしまいます。

極端な例ですが、スポーツ用品のECサイトでサッカーの商材を購入した人をソースに作成された類似オーディエンスをターゲットに設定して、野球の商材をリーチさせてもコンバージョンにはつながりそうもないですよね。

なので、広告の目的に合わせたソースから類似オーディエンスを作成することが大事ですね!

④媒体に合わせたクリエイティブになっていない
FacebookやInstagramはユーザー同士の交流の場であり、広告は友達やフォローしているブランドなどの投稿の中に掲載されるものです。なので、商材の詳しい説明や特徴を羅列した「いかにも広告っぽい」クリエイティブほど嫌わやすく、周りの投稿と比較して違和感のないクリエイティブほど受け入れられやすい傾向があるそうです。

なので、FacebookやInstagramを利用するユーザーの気持ちを考えて、場に合わせたクリエイティブにすることが肝心ですね!

⑤クリエイティブの更新頻度にとらわれている
Facebook広告のクリエイティブは飽きられやすいと言われているため高い頻度で更新する必要があると考えている方も少なくないと思います。しかし、データを確認することなくクリエイティブの更新そのものが目的となってしまってはいないでしょうか?

広告が飽きられやすいからといって、むやみにクリエイティブの変更を繰り返すのではなく、フリークエンシーは増えすぎていないか、クリック率は低下していないか、インプレッション単価は上昇していないかなど確認のうえ、クリエイティブを更新するべきかの判断をすると良いでしょう。

本当に必要なのはユーザー理解

媒体ごとの推奨設定や細かいテクニックはありますが、マーケターとしてもっと大切なことは自社の商品やサービスを「誰がどんな文脈で買っているのか?」を理解することではないでしょうか。

一見当たり前のように思えますが、「誰が何を売っているのか」を見失わなければ変化の早い運用型広告の業界の中でも、変化を恐れずに対応がすることができますよね。

ぜひ、今回ご紹介したフレームワークを活用して、最適なポートフォリオ設計をしてみてください!

広告運用はインハウス?代理店?成果を出すために重視すべきポイント

広告運用するにあたって、インハウスでやるにも代理店と協力してやるにも、どちらにもメリット・デメリットがあります。

今回は、インハウス・代理店どちらが良いか結論づけるのではなく、それぞれで最大限に成果を出すポイントをご紹介いたします!

インハウス&代理店のメリット・デメリットは?

広告を運用する上で、ある程度の知識やスキルが必要となってきますよね。
インハウスの場合だと、運用スキルのある人がいないと立ち上げが大変ですが、代理店は運用スキルがあるので立ち上がりは早く、媒体の最新情報も得ています。

ですが、インハウスの場合はサービス&ユーザーの知識がありますが、代理店の場合は広告主のビジネスや業界に精通している担当者がいるとは限りません。

インハウスが良いか代理店が良いかは、その時の状況によって異なります。

インハウスの場合だと、ゼロから独学で運用部門を作るのは大変だったり、1人に任せきりだとブラックボックス化してしまう恐れも...

なので、最初の立ち上げは代理店に任せて、ベストプラクティスが見つかったらインハウス化するのも一つの方法だと言えるでしょう。

代理店選びのポイント

代理店を選ぶ際は、以下の6つのポイントを押さえておきましょう。

①ビジネスや業界に精通している担当者がいるか?
②担当者1人あたりの担当広告主数はどれくらいか?
③営業・運用・レポート担当などの運用体制がどうなっているか?
④広告アカウントの所在は自社または代理店と選べるのか?
⑤対応スピードなど、サービスレベルの取り決めはあるか?
⑥レポーティングや日々のやりとり、訪問など報告頻度は適切か?

また、手数料は「安ければいい」というわけではありません。
手数料が安いということはそれだけ多くの案件を抱えている代理店の可能性があります。
(多いところだと運用担当者1人あたりの抱える案件が50社なんてところも・・・)

気にするべきポイントは「1社あたりの運用時間」、いかに自社に割いてくれる時間があるかが重要です。

成果を出すために重視するべきポイント

広告を運用していく中で「CPA至上主義」になってしまうケースが多く見られます。
ですが、CVポイントを購入ではなく「資料請求」や「問い合わせ」など手前に設定している場合、そのCVが購入まで至ったのかまでをきちんと測れているでしょうか?

手前のCVでCPAが安くても、実際に購入まで至っていない場合は結果としてCPAが高くなってしまっているケースがあります。

<例>
検索広告:資料請求 10件、CPA 1万円 → 契約 4件、CPA 2.5万円
ディスプレイ広告:資料請求 20件、CPA 5,000円 → 契約 2件、CPA 5万円


さらに、商品やプランが複数ある場合は、ターゲティングやキーワードによって、どの商品が売れやすいかも変化していきますよね。

手前のCVをとにかく安くたくさん取れれば良いというだけでなく、「自社にとって最も重視したい指標が何か?」を把握し、適切に評価&投資判断することがポイントです。

代理店や媒体担当との付き合い方

広告代理店や媒体担当と一緒に成果を達成していくにはどうすれば良いでしょうか?

最も重要なのは、「会社として1番大事にしている指標」をきちんと理解してもらうということ。これがズレてしまうと、施策の提案などすべてが噛み合わなくなってしまいます。

そして、お互いに情報を隠さないこと。
広告アカウントの閲覧権限を付与しない代理店や、情報共有や提案をせず丸投げする広告主、これでは成果が出ることはないでしょう・・・

代理店も広告主も「チームとして一緒に成果を出す」という気持ちが大事なのです。

さいごに

インハウスでも代理店でも「会社にとっての本質を理解し大事にする」ことは非常に重要です。自社ビジネスをきちんと分類し、最も重視したい指標を把握し、適切に評価し投資判断をしていきましょう!

アナグラム株式会社の仙波さん、砂川さん、貴重なお話をありがとうございました。

次回のセミナーレポートをお楽しみに!

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