視野を海外に広げるためにオススメの一冊!

今回、私が読んだ書の中で特に「海外に向けて視野を広げたい」という方に手に取って頂きたい一冊をご紹介します。

本書は、「若者よ、アジアのウミガメとなれ」と名付けた加藤順彦氏による講演を再構成しまとめたもので、講演活動をまとめた集大成の内容となっており、活動内容や講演を通じて若者に向けて伝えられた想いをまとめた一冊です。

第1章 環境が人を作る

シンガポールで生活するようになって8年。その背景には、自身の壮絶な体験と、今まで成し得なかった事への挑戦という新たな決意が込められています。特に「日本を外から揺さぶり、刺激を与えたい」という想いに、私も共感する部分が多々あり、特に自分を含めた若い世代には日本以外の外の世界の人たちと関わりを持つ事で、今まで出会った事のない感覚や経験、そして仲間との出会いを味わって欲しいと思います。

「日本が外から刺激を受けやすい」というのは言い得て妙だと感じ、今後アジア圏の国が急速に成長していく中で、日本人がその真っ只中で挑戦し、そして成功を手にするという事は、今だけでなくこれから次の世代にバトンを繋いでいく上でもとても重要な役割を持つ事になるでしょう。

原点は、大学在学中の起業経験というのが本書でも紹介されており、その中で語られている商売を経験するという事は、自身も一経営に携わるものとして非常に大切な感覚だと痛感しております。特に面白かったのが、「学生だというのが強みになる」という視点です。ここでは、合宿免許の紹介斡旋のビジネスに関して語られていますが、他企業と異なる視点でマーケットを捉えるというのは非常に重要なポイントではないかと思います。

その経験から、自身の周りの人、いわゆる起業をする事で今まで属する事がなかった環境に身を置く事で自分自身を成長させる事ができると語られており、この言葉はまさに本書の意図である、アジアに出て行って事業を起こすという原点に繋がっています。

その後学生起業を経て、一般の企業に就職するという選択を捨て新たに会社の立ち上げに関わる事になるのですが、ここではさらに新たな壁、そして学びに直面する事になります。当時アメリカで流行っていた、ダイヤルQ2と呼ばれる情報料金課金回収代行サービスを日本で立ち上げ、さらにメディアの後押しもあり、事業は急成長の真っ只中でした。ただ、その急成長も一つの出来事で状況が大きく一変します。それがNTTによる自主規制です。これにより、売上がたっても資金を回収する事ができず、会社は倒産してしまいます。

その後、転籍やセミナー講師などを経験し、25歳の時に自身の広告代理店を立ち上げます。私もそうですが、やはり周りに起業家や、起業を経験した人間が多いと、起業する事が当たり前のように感じる事もあります。これまでの経験も、自身が会社を立ち上げる際には世間一般の認識と違い「当たり前の事」という感覚が強かったとここでは語られています。

ここでは、大手の代理店が参入してこない領域に絞る事で順調に売上を伸ばし、まさに成長産業の波をつかむ事に成功しました。一方で、既存業界に蔓延る既得権益という壁への限界も感じ、「成熟産業で勝負するのではなく、新しい市場に挑戦する」事の重要性もここでは語られています。そして、インターネットという新しい波に乗る事により、広告業界に未曾有の風を吹かせる事に挑戦したのです。

第2章 成長の尻馬に乗るという事

波を上手く捉えた事で、会社は大きく売上を伸ばし、気付けば売上で120億を越えるところまで成長していました。大局的に見ると、既存の大手のプレイヤーがインターネットに対して、「まだよくわからない」「怪しい」など一歩踏み出す事ができていなかったという事が大きく影響していたと話しています。これは今のインターネット業界にも言える事ですが、日々テクノロジーは進歩し続け、日進月歩で新しいものが誕生しています。そしてプレイヤーは今やアメリカに留まらず全世界の英知が競い合っています。この経験から、「いかに成長産業の波に乗るのか」という事が重要という話をされています。

さらに個人でベンチャー投資を始め、そこから上場する会社もで始めた矢先、ライブドアショックに直面する事になります。この余波により、会社の時価総額が小さくなり会社は資金繰りが困難な状況に追い込まれる事になります。追い打ちをかけるように、今まで広告主だった会社のマーケット自体が小さくなり始め、会社の売上が消えてしまうという今までに経験した事がない自体に直面したのです。ここで語られているのは「日本国内のマーケット自体が縮小している」という事です。まさに今後少子高齢化や、人口の減少など、私たち日本人が抱える問題を如実に表した一つの象徴ではないかとこの章を読んで個人的にも感じました。対照的に、アメリカのシリコンバレーでは新しい新興企業、GoogleやFacebookなどのインターネット大手が生まれ、世界規模で成長していると危機感を抱いています。

第3章 アジアのウミガメを創る

広告会社を経営していた当時、アメリカにも度々訪れ、現地で実際にどのような事が起きているのかを、インターネット勃興期に間近で感じていました。特にアジア圏の参加者が年々増えている事、そして彼らは通訳なしで情報交換を行っていたという事です。

当時まだあまり有名でなかったジャック・マー氏(アリババ創業者)、ロビン・リー氏(バイドゥ創業者)を引き合いに出して、すでに中国国内では第二、第三の彼らを生み出す仕組みができ始めていたという事に言及しています。彼らが中国で、外で起業し、凱旋する人たちを尊敬の意を込めて「ウミガメ」と呼ぶ事を参考に、現在の「アジアのウミガメを創る」という活動を掲げ、実際に活動を行っています。章の最後に、「日本では今後ブランドのスイッチが起こらない」という事を憂えています。さらに高齢化が加速する社会で、新しい事業や、挑戦を行う人たちの絶対数がさらに減少し、経済は停滞に向かう。「今まさにアジアに出て行く時だ」と強く主張しています。

現在はアジア、世界のハブであるシンガポールに拠点を移し、活動を行っています。シンガポールは東京23区程度の大きさながら、世界の金融センターとして機能し、世界中から優秀な人材が集積する地域です。私も現地に多数シンガポールの友人がいるのですが、彼らの情報やビジネスに対する感度、そして柔軟性と勤勉さ、英語力は日本が見習うべき部分も多数あるのではないかと感じる事も多いです。

この章では、さらにASEAN地域の爆発的な成長についても語られている部分が多々あるのですが、現地の人間から聞く話ではまだまだ日本ブランドは彼らからすると少数で、安価な中国製や韓国製商品と比較すると行き届いていないと聞いた事があります。外に目を向けろと鼓舞する理由の一つは、こういった現地の状況を常日頃から肌身で感じているからなのだろうと推測できます。

現在は、エンジェル投資家としても複数の会社に参画し、経営から資本まで入り込んで新たな挑戦を応援しています。章の締めとして、自分自身が明日を作るという気持ちを大切にして、周りに同調する事だけを是とせず、新たなチャレンジを行って欲しいと伝えています。

質疑応答では、実際の行動に対するヒントなども語られ、多くの参加者にとって今後を見つめ直す機会になったのではないかと感じました。自身も海外の企業、起業家とやりとりをする事が多いのですが、共通して新しい事に挑戦する事に非常に貪欲です。特にここでも書かれているアジア圏の人たちは、国内を飛び出して、次々に新しい挑戦を行っていると実感します。

日本から、一人でも多くの若者が海外にチャレンジし、新しい価値観や経験と向き合い、さらにそれを今後の日本の発展につなげていく事が出来れば個人的にも非常に喜ばしい限りです。

「若者よ、アジアのウミガメとなれ 講演録」

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4777118568/katoujpbooklo-22/ 

著:加藤 順彦      

 出版社: ゴマブックス                                                


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