人種差別についていろいろ考えさせられた『ブラック・クランズマン』

2019年公開映画46本中28位。

順位は半分より下だけど、見応えがある映画。
KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査する
警察官2人の話がメインなものの、
話としては、人種差別に基づくもので、
非常にいろいろ考えさせられる内容。

予告を見るとね、刑事モノっぽい感じするけど、
それよりも黒人VS白人の構図の方がよっぽど目立つわ。。。

KKKは世界史を専攻してないと、
あんまり詳しく知らないんじゃないかと思うけど
(僕も名前しか知りませんでした。。。)、
白人至上主義の秘密結社で、
黒人とかユダヤ人とかメッチャ差別しまくる人たちの集まり。
さらに、時代によって3つに分けられるようだ。

てっきり昔のもので現代にはないかと思ったけど、
実は今でも続いていて、今のは1946年から始まった第3期らしい。

そんな白人至上主義の団体に、
黒人の警察官のロン(ジョン・デヴィッド・ワシントン)と
白人の警察官のフリップ(アダム・ドライバー)
が潜入するというなかなかスリリングな展開。
ちなみに、ジョン・デヴィッド・ワシントンは、
あのデンゼル・ワシントンの長男で、僕と同い年だった。
全然見えないけど(笑)

本作は差別において、
そこまでえげつない描写があるわけではないし、
コメディな感じで笑えるシーンもあるけど、
『グリーンブック』と比べると、
黒人差別がとても強烈に感じた。

KKKの連中は、とにかく黒人を悪く言いまくるので、
これが当たり前となっているこの団体の価値基準やべーなと。

ロンは潜入捜査している中で、よく私情を挟まずに、
KKKの理事長の護衛なんかできるなと思ったわ。
ただでさえ、当時は黒人差別が残り、
普段から嫌な思いをしてきているのに、
その最も激しい場所にいて、職務を全うできるプロ意識がすごい。

さて、人種差別についてだけど、
これまでほぼ単一民族だった日本にいると、
(少なくとも僕は)
外国人留学生の不当な扱いというのをニュースで見るぐらいで、
あからさまな人種差別という状況を目にしたことがないけれど、
今年になって『ビールストリートの恋人たち』、『グリーンブック』、
そして本作と3つも黒人差別を感じさせる映画を見ていると、
いろいろ思うことはある。

色が黒いというだけで、
レストランに入れず、トイレも使えず、
何かトラブルがあると真っ先に疑われ、
面白半分で殴られ撃たれという状況は普通に考えて心が痛い。
(六本木でウェイしてる黒人見ると、そんなこと考えないけど、
 彼らもそういう経験をしているのだろうかと思うと見方は変わる)

結局、日本でも「気にくわないから」という理由だけで
いじめに遭ってしまう人もいるけど、
本質的には「多数が異質と思う人への否定や排除」
という点では似ていると思うし、あってはならないことだと思う。
「この人にはこういうことをしてもいい」という思想が危険だよなあ。
まあ、僕もたまに「それやりすぎだろ」
って思ういじりされるけど、憤慨です!!

野球のイチローのスピーチにもあったように、
一度虐げられる経験をした人にしかわからないことって絶対あると思うし、
それを知らずに生きてきた人とは、
やはり本当の意味ではわかりあえないかもしれないなあ。

と、映画の感想からだいぶ逸れてしまったけど、
そんなことをいろいろ考えてしまう映画です。

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