満身創痍すぎる『悪女』

初めてですよ、こんなにも満身創痍な映画は……。
予告を見た瞬間に「これは劇場に行かねば」と思った作品。

本編開始直後のアクションシーンがとにかくすごい。
おそらく役者の頭にアクションカムをつけて撮っているんだろうけど、
FPSゲームをそのまんま実写化したような映像に息を呑む。
単身、敵のアジトに乗り込み、
斬って斬られて、撃って撃たれて、蹴って蹴られて、殴って殴れて、
そして血がブシャーブシャー出るっていう、
観ているだけで体力が削られるようなシーン(笑)

話としては、父を殺された娘の復讐劇なんだけども、
とにかくアクションが痛々しい。
他のアクション映画を観ていると、
主人公へのダメージがそこまで多くない印象を受けるのだが、
この映画はやたらと主人公が傷つく(笑)

下着姿で血だらけになりながら戦うシーンもあって、
体力的に相当キツいことが伝わってくるんだけど、
それに追いうちをかけるかのように、大切なものもすべて奪われて、
精神的にも大ダメージを食らう泣きっ面に蜂感がハンパない。

さらに、トドメをさすかのように、車にもはねられ、
そこは人として死んでおいた方がいいんじゃないかって状態でも
強靭な意志で立ち上がり、ラストバトルに挑むところが、
残りHP1になっても戦っているRPGの主人公のようで、
『ファイナルファンタジーⅤ』のガラフを彷彿とさせる(笑)
ここまで主人公いじめる映画もめずらしい。
俺だったら、普通にリタイアして家で療養するわ(笑)

そんな中にもラブロマンスをちゃっかり入れちゃうところが、
韓国映画らしいなとも思うけど(笑)

ただ、この映画、
キム・オクビンが浅野温子に見えて、
シン・ハギュンがなだぎ武に見えて、
ソンジュンが小栗旬に見えて、
チョ・ウンジが木村文乃に見えてしまう、
そこだけちょっと笑ってしまう映画だった(笑)

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