妊活について勉強になる『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』

2019年公開映画173本中69位。

いわゆる妊活映画です。

僕は、独身を謳歌している身なので、
しばらくは関係なさそうな話ではあるけど、
絶賛妊活中の人とか、妊活していた人とかは、
いろいろ思うところがありそうだなと思った。

妊活と言えば、2018年に深田恭子と松山ケンイチが出ていたドラマ
『隣の家族は青く見える』を思い出すな。
あれもあれで、不妊治療についていろいろ勉強になったけれど、
今回は松重豊と北川景子の歳の差夫婦の話です。

ずっと子供は作らないと決めていたのに、
ある日突然北川景子が「子供が欲しい」と言ったことから、
辛く長い妊活が始まるというストーリー。

奥さんの方は問題ないんだけど、旦那の精子に問題があってね。
通常精子の運動率は40%がよいとされているらしいけど、松重豊は20%。

少しでも精子の運動率を高めようと、
禁酒や食事制限、定期的な運動に加えて、
ただの迷信でしかなさそうな、
桃を食べたり、キンタマ冷やしたり、
オレンジ色のモノを部屋に置いたり、
壁にザクロの写真を貼ったり、
妊婦の握ったおにぎりを食べたりなど、
あらゆることにチャレンジしていくという
涙ぐましい努力の連発。

題材はシリアスだけど、コメディタッチではあるので、
妊活の大変さを重くない雰囲気で知れるのはいいかなと。

いやー、でも、自分に関係ない話でも、
いろいろ考えさせることが多かった。

前まではね、普通にセックスしてちゃんと受精すれば、
子供なんてできるんじゃないのとかって思ってたけど、
なかなかそうもいかない現実を突きつけられる。

そもそも受精しないんだよね。
で、松重豊みたいにものすごく努力したからといって、
ちゃんと受精するかはわからない。
仮に受精しても、今度は健康な状態で生まれてくる保証もないから、
子供が生まれるということが、
どれだけすごいのかってことを思い知らされます。

ただ、劇中でも言われてたけど、
「どんな人だろうが授かるときは授かるし、ダメなときはダメ」
という現実は、平等ではあるけどその分シビアだとも感じた。
松重豊はあんなに努力してるのに、特に何もしていない濱田岳が、
3〜4人ポンポン生まれてる対比がまさにそれで
(これは男の年齢もあるだろうが)。

それに、不妊治療って費用も高いんだよね。。。
映画の中では何とかなってたけど、
現実には経済的に限られた人しか満足に受けられないのも
なんかもどかしいなと思う。
価格設定の妥当性とかどうなんだろう。
(美容整形も同じこと思うけど)

そう考えると、そこまでして子供が欲しいのかってのも考える。
もはや親のエゴでしかないのではないかと。
子供が「生んでください」と頼むわけでもないし。
でも、そんなのは夫婦間の話だし、
他人の入り込む余地はないよなあとか、
いろいろ考えさせられました。

なんか、そこまでして生まれた子供って、ものすごく大切だから、
逆に過保護になってしまったりするんじゃないかっていう邪推もある(笑)

てか、昔ってこんなに妊活がんばっている人いた?
自分がそんなことに興味なかったってのもあるけど、
そんなに話題になっていなかった気もする。
結婚する年齢が昔の方が若かったから、あんまり苦労しなかった?
それとも、昔から不妊に悩む人はいたけれど顕在化してなかっただけ?

あ、なんにせよ、映画自体は面白かったです。

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