全然泣けない『今夜、ロマンス劇場で』

予告からして、これはもう絶対別れが訪れる、
すごく泣ける映画なんだなって思ってたけど、
実際はそこまでじゃなかったっていう(笑)

設定やお話が悪いとかそういうんじゃない。
むしろ、映画好きな人は一度は妄想する内容じゃなかろうか。
スクリーンの中の憧れの人が、現実世界に現れてしまうなんて。
(ただ、綾瀬はるかはてっきり女優として出てくると思ったのだけど、
 実際はあくまでもキャラクター、つまり姫として出てきたので、
 そこは予想外だった)

それを踏まえた上での王道ラブストーリーなのだけれど、
今回、綾瀬はるかは人のぬくもりに触れると消えてしまうという、
物語における最大の枷がある。
これが、いわゆる他の純愛系映画にあるような"病気"の役割だ。
つまり、男か女、どちらかが病気だったり、何か秘密があったりすると、
最後には別れることがほぼ必須となるので、クライマックスの前に、
たくさんの楽しいシーンや喧嘩のシーンなど、いろんな思い出を詰め込み、
最後に観客の涙腺を爆発させる流れとなるが、
今回もほぼそれに沿っていた。

だからこそ、綾瀬はるかと坂口健太郎のやり取りを踏まえた上で、
終盤は号泣するんじゃないかと思ったのだけれど、
これがなかなかどうして、涙の「な」の字も出なかった。

個人的な感想だけれど、理由は、綾瀬はるかのあやふやな存在かなと思った。
彼女は、人なのか亡霊なのか、そこが何となく腑に落ちなくて、
彼女の存在自体にずっと疑問を抱いてしまったがゆえに、
綾瀬はるかが何をやっても、
「まあ、この世界の人じゃないし、そうなるよね」
っていう冷めた目で見てしまい、感情移入ができなかった。

それなら、綾瀬はるかが現実世界で死の危機に陥り、
元の世界に戻らないと消滅してしまうが、
そうすると二度と戻って来れなくなる、という方が、
個人的には泣けたかもしれない(笑)

今回、監督を務めた武内秀樹という方は、
過去に『みにくいアヒルの子』や『ドク』、『神様、もう少しだけ』など、
僕が小さい頃に大好きだったドラマの演出を担当されていたようなので、
ちょっと期待していた分、少し残念かなと思った(笑)
失礼な話ではありますが。。。

また、この映画は、あの『タイタニック』を
イメージしているんじゃないかなと思われるところがあったけれど、
うん、『タイタニック』の方が66兆2000億倍好きです(笑)

そういえば、綾瀬はるか、本田翼、中尾明慶が出ていたから、
日テレでやってた『奥様は、取り扱い注意』を彷彿とさせる(笑)

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