紳士すぎる銀行強盗ってアリ?!な『さらば愛しきアウトロー』

2019年公開映画111本中89位。

名優ロバート・レッドフォードの俳優引退作品です。
ウィキペディアを見ると、ハリウッドで初めて
「演技と製作の双方で地位を確立した映画人」
と言われているらしいね。
正直、世代的なものもあって、
彼の作品はそんなに見たことはないのだけど(笑)
だからこそ、大好きなマーベル作品に出ていたのはよかった。
一気に親近感わく。

さて、本作だけれど、僕の場合は、
あと30年ぐらいしたら、この映画のよさがわかるかなという印象(笑)

実在する強盗犯を題材にした映画で、
主人公は人生で16回も脱獄に成功した驚異のジジイ。
今作でも74歳にして、銀行強盗しまくりのクズ野郎なんだけど、
とにかく紳士過ぎるのがウリ。
優しい笑みで支店長に近づき、
「こんなものでどうでしょう」
とジャケットの裏に隠した銃をチラリ。
誰も巻き込むことなく、
静かにお金をいただく手際のよさはたまげたもの。
被害に遭った人たちも口を揃えて「紳士でした」と。

金を強奪する明確な理由もなく、単に楽しんでいるだけ。
だから、捕まってもいつも笑ってる。
そんな、頭のネジが飛んでるジジイは、ある意味魅力的でもあった。

僕がこれまで見てきた銀行強盗モノとはだいぶ毛色が違うなと思っていて。
1975年の『狼たちの午後』、
2000年の『スペーストラベラーズ』、
2017年の『ジーサンズ はじめての強盗』、
『ベイビー・ドライバー』
などが記憶に新しいけど、
大体は犯人が興奮気味だったり、
派手なシーンがあったりするのだけど、
ここまで静かに優しい銀行強盗モノは初めてかも。

アクションやコメディ、シリアスのジャンルに入りそうな中、
これに関しては、完全にヒューマンドラマ。
なので、個人的に好きなジャンルかと言われると、
そうでもなくなっちゃうんだけど(笑)

ただね、ロバート・レッドフォードがカッコいいんだよ!
もう82歳なんだけど、まだ60代に見えるぐらいの若々しさ。
ひょんなことから知り合った女性とのロマンスもあるのだけど、
あのウィットに富んだ会話術は、大人の余裕を感じさせる。

あんなジジイになりてぇっす。

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