誠実な役の多いヒュー・ジャックマンが不誠実な役をやった『フロントランナー』

2019年公開映画18本中11位。

大統領最有力と言われた男が、
不倫スキャンダルをきっかけに失墜していく話。

主人公はなんと、ヒュー・ジャックマンである。
『X-メン』にて屈強な男を演じ、
『グレイテスト・ショーマン』で夢のある男を演じ、
来日したときもすごく気さくで、誠実の塊のような人が、
不誠実の極みとも言える不倫スキャンダルに追われる役である。
このギャップがこの映画一番の魅力かな(笑)

いやー、だって正直、ゲイリー・ハートなんて知らないし。
1988年の大統領選挙のためにがんばっていた人なんて、
上の世代の人しか知らないのではなかろうか。
それなのに「ジョン・F・ケネディの再来」
なんてキャッチコピーあっても、何のこっちゃと。

物語も最初の方は選挙活動の描写が多くて、
政治に興味ない身からしたらけっこう退屈なんだけど、
不倫スキャンダルが発覚してからは、
マスコミ対応にてんやわんやになるという
まったく違った方向へ。
そこからは苦悩に満ちるヒュー・ジャックマンの日々という、
それなりに物語の盛り上がり部分でもある。

ただね、これをきっかけに誰かが精神を病んだり、
大きな事件に巻き込まれたりっていう、
そういうパンチの効いた展開は特になく、
淡々と史実を映し出しているだけなので、
やや地味かなと印象でした、個人的には。

しかし、今も昔もマスコミのやることは変わらないね。
スキャンダルを見つけては徹底的に叩く。
これは30年前の出来事だけど、
今だったらSNSがあってさらに炎上してそう。。。

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