時間の大切さを説く『運び屋』

2019年公開映画39本中20位。

ひょんなことからヤクの運び屋となったおじいちゃんの話。
おじいちゃんってだけで哀愁漂うよね。。。
実際に人物背景もけっこう寂しい。

自身の経営するデイリリー農園がネット通販の台頭で潰れて、
仕事人間ゆえに家族を疎かにしていたために行き場もなく、
金銭的に行き詰まったところ、
ひょんなことから運び屋になるのだけど、
悪事に加担しつつも、
家族との関係を修復しようと努力するのが健気だった。

この映画は、とにかく主人公が
"時間の大切さ"を口にするシーンが印象的だった。
「何でも買えたのに、時間だけは買うことができなかった」と、
運び屋業で大金を儲けたにも関わらず、
家族との失われた過去の時間を
取り戻すことができなかったことに対する後悔がとても身に染みた。

まあ、外の人との付き合いの方が大事だと感じていたようだから、
自業自得といえば、それまでなんだけど、
それを最愛の妻が病気になって初めて痛感するっていうね。
実際、そういうことにでもならない限り気づかないよね、人って。
自分も気づくのが遅かったっていうことはよくあるし。

最近のしか見てないけど、
クリント・イーストウッドの監督作品は、
ヒューマンドラマが多く、割と淡々と進むというか、
あんまりドラマチックな展開がなくて、
今回もそれは変わらないのだけど、
主人公が90歳のおじいちゃんというだけで、
新鮮な気持ちになれた。

昔通ってたシナリオの学校で、
例えば、普通は大人の男性がやるようは役を、
あえて女性にしてみる、子供にしてみる、
というだけで、物語の面白さが変わるというけど、
そのいい例だと思った。

とはいえ、これ実話らしいから、
わざと90歳のおじいちゃんにしたっていうことでもないんだけど(笑)

しかし、クリント・イーストウッドの元気さヤバいな。
88歳なのに。
今はすっかりおじいちゃんだけど、
『荒野の用心棒』とかマジで見て欲しい。
若い頃の彼は、ハイパーすぎるイケメン、、、
いや、イケメンという言葉が失礼なほど、かっこいい。

ちなみにこの映画には、娘のアリソン・イーストウッドも出てる。
親子共演です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?