主人公の存在自体がカオスだった『ロケットマン』

2019年公開映画128本中49位。

「史上最も売れたアーティスト」ランキングで、
5位の記録を持つエルトン・ジョンの半生を描いたミュージカル映画。
(ちなみに、1位はビートルズ)

僕は、普段洋楽をまったく聴かないので、
エルトン・ジョンと言えば、"眼鏡をいっぱい持ってるおじさん"
ぐらいのイメージしかなかった。

しかし、この映画を見て思ったのは、
存在自体がカオスだったということ。

彼は4歳頃からピアノを始めたものの、
一度聞いたメロディーは完璧に覚えてしまうという、
生まれながらの天才。

そのままトントン拍子にデビューし、
一気に億万長者になるのだけど、
同性愛者ということもあって、常に孤独を感じていて、
たいていのものを手に入ったのに、
「愛」だけはなかなか手に入れることができないという、
まさに「愛は金で買えない」というのを体現しているような人だった。

その反動からか、
アルコール依存症、薬物依存症、セックス依存症、買い物依存症、
さらに癇癪持ちという、人間の闇をほぼ詰め込んだような性格で、
世界中の人に感動と熱狂を与えていることと比べると、
闇落ちの振り切れ方がとんでもない。

天才は何か欠けていないとけないのか、
何か欠けていないと天才になれないのか、
そんなことを考えてしまうほど。

僕は、人生はプラスマイナスゼロだと思っているのだけど、
音楽で秀でたプラスが、他のところでマイナスになって、
何か大いなる力が、ゼロに戻そうとしているかのようだった。

ミュージカルとしては、『ダンスウィズミー』を軽々凌駕する
歌とダンスに圧倒されるのだけど、
全体的に『ボヘミアン・ラプソディ』と似ている印象。
監督が同じなのと、
あとは、海外のスーパースターって振り切れ方が似ているのかも。

ただ、、、歌は20曲ぐらいあった中で、
僕は2曲しか聴いたことがなかったので、
歌を楽しむという点では、
『ボヘミアン・ラプソディ』よりはできなかったかな。
なので、エルトン・ジョンの歌を知っている人は、
もっと楽しめると思います。

個人的には、『ボヘミアン・ラプソディ』の方が好き。

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