玉城ティナの汚い言葉が乱発される『惡の華』

2019年公開映画156本中128位。

伊藤健太郎がクラスのマドンナの体操着の匂いを嗅いでいたところを
玉城ティナに見られて、黙ってる代わりに
"ある契約"を結ばされるという映画。

とはいっても、基本的によくわからない話なんだよな~。
契約を結んだことで主従関係みたいなのができるのだけど、
単なる奴隷扱いとはちょっと違うんだよね。

玉城ティナがだいぶ変わった子で、
まあ、昔、身のまわりにもいたような気もするけど、
思春期の若者にあるような、
「何者かになりたい」
「ここではないどこかへ行きたい」
という欲望が爆発しちゃう扱いづらい性格なんだ。

で、伊藤健太郎に同じ匂いを感じたのか、
「おまえはそのままでいいのか?!
 もっとおまえの変態見せろや!!」
と、彼の奥底に眠る変態さを
表に引っ張り出そうとするやっかいな女子(笑)

とにかく、汚い言葉を連発し、
ギャーギャーわめき散らすうるさい映画ではあったな。。。

そんな感じだから、園子温監督作品のような雰囲気を醸し出していて、
精神的に人間のグチャミソした部分を見せてくれるのかと思ったけど、
そこまではいかなかったのが個人的に残念なところ。
玉城ティナが汚い言葉を使うことだけが目立ってしまっていて、
精神的グチャミソまでは届かなかったかなー。
思春期の内なる想いが外に溢れちゃってるのはわかったけど。

玉城ティナがそうまでなってしまう背景が
もっと知れたらよかったなあと思います。

あと、伊藤健太郎の役は、玉城ティナとの契約により、
ある程度まではアイデンティティが崩壊していくものの、
結局彼女が求める水準にまでは達しないんだよね。

もともと彼は、シャルル・ピエール・ボードレールの書いた
『惡の華』という本に、中二病的に感銘を受けていたので、
憧れ的な意味合いでがんばりはしたけど、
結局憧れだけで本人の内なる強い意志がなかったから、
人間性が大きく変わるところまではいかなかったのかなあ、、、
なんて思ったけど、どうだろうか。

いい意味で、青春爆発って感じはするけど、
映画の冒頭に、
「すべての思春期の人、また、かつて思春期だった人に捧ぐ」
みたいなテロップが出てて、
こんな思春期過ごす人そうはいないから、
そこだけは違和感はあったかな。。。(笑)

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