太宰治のクズっぷりがわかる『人間失格 太宰治と3人の女たち』

2019年公開映画143本中95位。

太宰治の身に起こった実話を基にしたフィクション。
タイトルに「人間失格」とあるものの、
特定の作品の実写ではなく、あくまでも作家の太宰治についての話です。

いやー、クズだね(笑)
妻子ある身にも関わらず、
劇中では沢尻エリカと二階堂ふみを愛人とし、
本のネタにしつつも、己の欲望のままに相手の体を貪り、
酒とタバコにまみれて肺を壊し、家が建つほどの借金を抱える、
自由奔放過ぎるクズ野郎。

そんな彼に心酔し、
愛欲にまみれた3人の女性との関係をメインに描いた今作は、
太宰治の人となりを知るにはよい機会だと思う。
まあ、愛欲と言えばロマンチックだけど、
悪く言えば、みんなメンヘラだからなwww

ただ、個人的には予告から感じた印象とちょっと違ったかな。
てっきり『娼年』のように、
えげつないほどの肉欲にまみれた作品かと思ってたんだけど、
実際はそんなでもなかったんだよなあ。

もちろん濡れ場はあったんだけどね。
意外と沢尻エリカと宮沢りえはそんなでもなく。
唯一、二階堂ふみは『リバーズ・エッジ』でも見せたように、
かなり体当たりだったけど。

それでも、全体的に意外と大人しかった印象なので、
個人的には物足りなさもあるかなー。
蜷川実花監督なので、色使いは相変わらず綺麗なのだけど、
お話としてグッと来るところがなく。

しかし、この映画を見て思ったのは、
世の中結果出せば何でもありって流れはあるよなということ。
太宰治も、普通にこんな人いたら
間違いなく誰からも相手にされなくなると思うけど、
数々の名作を生み出しているから、なんかオッケーになってるし、
学校でも有名な作家として教わるものの、
人間性がクズだったというのは一切語られない。

昔の作家や映画監督、
俳優とかではよくありそうなエピソードではあるけど、
天才とか表現者とか、そういう人たちは、
何かひとつに特化している分、他の何かが欠けている気もする。
羞恥心だったり、空気を読むことだったり、他人との関わり方だったり。

凡人の僕からしたら、
そういうのはうらやましい限りだけど(笑)

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